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2010-11-29

エピソード「先輩、今日は試験前夜です」(ノベル)

これは僕が大学2年生で逢が大学1年生の頃のエピソードだ。
1月末、後期の定期試験の試験期間中にあったエピソードだ。
僕も逢も試験期間が2週間で、ちょうど日程が被っていた。
だけど逢は1年生ということもあり基礎科目が多いため、僕よりも試験科目が5科目多かった。
前の年の僕と同じような感じだった。
ちなみに試験日程は……
僕は1週間目が月曜日1科目、火曜日1科目、水曜日2科目、木曜日1科目、金曜日1科目……
2週間目が月曜日1科目、火曜日1科目、木曜日2科目の計10科目だった。
逢は1週間目が月曜日2科目、火曜日1科目、木曜日2科目、金曜日1科目、土曜日2科目……
2週間目が月曜日1科目、火曜日2科目、木曜日3科目、金曜日1科目の計15科目だった。
したがって、僕の試験は逢と同じ日に始まって逢よりも1日早く終わった。


1週間目の火曜日、深夜2時過ぎ。
僕は自分の部屋で明日(水曜日)の2科目の試験の勉強をしていた。
1限目の試験は比較的楽だからいいんだけど、4限目の試験が範囲が広くて嫌になる……。
しかも、もう2時じゃないか!!道理で眠いわけだ。
1限目の試験は9時半だってのに、そろそろ寝ないと試験中に居眠りしてしまいそうだ。
でも、まだ4限目の試験科目の範囲が終わらないんだ!!
明日の1~4限の間に勉強しただけじゃとてもじゃないけど追いつきそうにない。
今やらなきゃ駄目なんだ。
でも、眠いんだよ!!どうしたらいい?この眠気。

そんなことを考えていたら僕の気持ちを察してくれたのか、ドアをノックする音が聞こえた。

コンコン。

「あの……先輩?まだ起きているんですか?」
「……眠っています」
「あ……はい、そうですか。やっぱり起きているんですね?」
「……」

僕はふざけて答えたが、七咲にはバレバレだ。
当たり前だ。本当に眠っていたら返事できるはずがない。

「入ってもいいですか?」
「いいよ」
「失礼します」

七咲が僕の部屋に入って来た。

「コーヒーお持ちしました」
「えっ?何というナイスタイミングだ……今ちょうど眠くて困っていたところなんだ」
「そうですか……ならよかったです。クスッ」
「じゃあ、早速……」
「あ、ちょっと待って下さい」
「ん?」
「ふーふー」
「えっ?」
「これでよし……と。熱いので気を付けて飲んで下さい」
「う、うん」

七咲がふーふーしてくれたコーヒー。
逆にちょっとだけ熱くなった気がする。別の意味で。

「……おいしい。おかげで眠気が覚めたよ。ありがとう」
「どういたしまして」
「七咲こそこんな時間まで起きてて平気か?」
「はい。明日は試験がないので」
「でも、明後日2科目あるんだろ?寝れる時に寝といた方がいいと思うよ」
「実は今寝ようと思っていたのですが、先輩の部屋の電気がついていたので」
「あ、それでわざわざ僕を気遣ってコーヒーを持って来てくれたのか」
「はい」
「ごめんな、僕のせいで貴重な睡眠時間を……」
「いえ、先輩のためならこのくらい平気ですよ」
「七咲……ありがとうな」
「先輩……私は当然のことをしたまでですよ」
「よし、じゃあ、とりあえず4時までは頑張ってみる!七咲は寝ていいよ」
「いえ、先輩がうたた寝しないように私は先輩のそばにいます」
「駄目だよ。早く寝て。七咲に無理をされる方が逆に心配になって勉強に集中できなくなる」
「で、でも……」
「いいから。おやすみ」
「はい。分かりました。おやすみなさい」

七咲はちょっと残念そうな顔で部屋を出て行った。
でも、これでよかったんだ。
ちゃんと寝て、明日は早起きして明後日の2科目の試験に備えるべきなんだ。
これが七咲にとっての最善の手段だと思う。

その後、僕は4時までしっかりと勉強してから寝た。
僕も七咲もしっかりと寝て8時に起き、大学に行った。
七咲の愛情籠ったコーヒーのおかげか、この日は1日中頭が冴えて、4限目の試験も余裕だった。

そして日にちは飛んで、2週間目の木曜日の深夜0時過ぎ。
僕はこの日で試験終了だったので、解放感に全力で浸っていた。
めんどくさい10科目の試験からようやく解放されたんだ。
嬉しくて仕方がない。
新作のゲームでもやろうと思って部屋に向かおうとしたその時だった。

「あれ?」

隣の部屋を見るとまだ電気がついている。

「あ、そっか!」

そういえば僕は今日試験が終わったけど、七咲は明日がラストだったんだ。
どうやら明日のラスト1科目が一番きついらしい。まさに正念場だ。
しかも今日3科目の試験を終えて勉強できる時間が少なかったらしい。
体力も限界かもしれない。

「七咲……大丈夫かな?よし、コーヒーの差し入れでもしよう」

僕はコーヒーを淹れて再び七咲の部屋の前に立つ。

コンコン。

「七咲、起きてるか?」
「……」

……返事がない。
もしかして居眠りしてるのか?それとも居眠りしてるフリとか?
いや、まさかな。あははは。

「七咲、入っていいか?」
「……」

……やはり返事がない。
まさか!

「七咲、入るぞ」
「……」

返事がないけど、僕は心配になって七咲の部屋に入った。
すると……僕の目に飛び込んで来た光景は……!?

「あ……」
「……せん……ぱい……むにゃ……」
「七咲……?寝てる……」

やはり思った通り、七咲は居眠りしていた。
今日の3科目の試験が相当堪えたらしい。

「おいおい、七咲ったら。明日試験じゃないのか?寝ちゃ駄目だろ」

僕は七咲を起こそうと七咲のすぐ後ろに近寄った。

「七咲、起きろ。起き……ろ……あ……」

七咲を起こそうと僕は七咲の両肩に両手をそっと添えて七咲の身体を軽く数回揺さぶった。
その時だった!

「か、かわいい……」
「ん……んん……」

今まで何度も見て、見慣れているはずの七咲の寝顔が特別かわいく思えた。

「七咲って……こんなにかわいかったんだ……」

僕はその場で固まり、七咲の寝顔に見入っていた。
僕は七咲を起こすのを躊躇った。
寝顔がこんなにかわいいのに……起こすなんてもったいない。
でも、起こさなきゃ!七咲自身のためにも。
だって明日大事な試験があるんだぞ?
もし七咲が留年なんかしたら結婚はとりやめだ。
このかわいい寝顔ももう二度と見れないかもしれない。
……だけど、このかわいい寝顔をずっと見ていたい。見続けていたい。
僕はどうすればいいんだろう?
僕の私欲のために七咲を寝かせておくべきか、それとも七咲自身のために七咲を起こすべきか。
そんな葛藤を僕は10分くらいした。
悩みに悩んだ末、出した結論は……

「よし、このかわいい寝顔を撮影すればいいんだ」

今ちょうど使い捨てカメラを持ってて、余っているフィルムがあった。

「七咲……ごめん!」

パシャ。

七咲のかわいい寝顔を……1枚の写真に収めた。ベストショットだ。
でも、これって世間では盗撮って言うんじゃないの?
しかも僕は今刑事を目指している。
……
いや、バレなきゃいいんだよ。バレなきゃ。
刑事らしからぬ発言だが、まあ、気にすることはない。
さて、これで満足した。七咲を全力で起こすんだ!!

「七咲、起きろ!」
「……」

僕は七咲の両肩に両手をそっと添えて七咲の身体を少し強めに数回揺さぶった。
しかし、反応はない。

「はぁ。七咲、起きなきゃまずいんじゃないか?」

ぷにぷに。

僕はふざけて七咲のほっぺたを人差し指で突っついてみた。

「あ……柔らかい」

ぷにぷに。

「七咲のほっぺた、結構柔らかいなぁ」

ぷにぷに。

「普段唇にしかキスしないからなぁ。唇の柔らかさくらいしか知らなかった」
「よし、試しに……」

……ちゅっ。

僕はふざけて七咲のほっぺたにキスしてみた。

「柔らかい……抜群の破壊力だ」

……って!僕は何七咲で遊んでいるんだ!?
早く起こさなきゃ!!
でも、こんなことをしても起きないなんて……相当疲れているのかな?
……だったら!
……こんなことをしても平気かな?

僕は七咲の背後から脇の下を通して、胸まで両手を伸ばした。

せいの!

ぷにぷに。
びくっ!
「ん……」

七咲の胸を触った。
すると、七咲の身体が反応した!
これは効果がありそうだ!数回やれば起きるだろう。

せいの!

ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!
「ん……んん……」

今度は触るだけじゃなく、ちょっと強めに押してみた。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!
「ん……はう!や、やめて、駄目!」

さらに強めに押してみた。
これはもう触る……ではなく、揉む……だな。

寝言か。もうちょっとだな。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「ん……はぁ……ゆ、許して……お姉ちゃんが悪かったから……だから、やめて……」

え??お姉ちゃん??
郁夫の奴……昔七咲に何をしてたんだ!?
うらやましい。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「はう!……ああん……あ!」

それ、もっとやってやれ!

僕は調子に乗って七咲の胸を揉みまくった。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「や、やめて下さい先輩!」

ははは……先輩だって!まだ寝ぼけて……ん??先輩??
僕のことか??えっ??

僕は身の危険を感じて七咲から手を離した。
しかし、手遅れだった!

「あ……な、七咲、おはよう」
「……」
「あ、あははは……コ、コーヒーあるぞ」
「……」
「そ、それじゃあ僕はこれで……」

ぎゅっ。

「えっ??」

僕が逃げようとして七咲に背を向けた途端、七咲に背後から襟を掴まれた。

「えっ??な、七咲?」
「すぅ……」
「……」
「この変態!!!」
ボカ!!ボカ!!ボカ!!
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!」


結局七咲にバレてしまった。まあ、当然のオチだな。

椅子に座り直す七咲。僕は七咲の前で土下座した。

「先輩との婚約はなかったことにします」
「えっ??どうしてさ?」
「毎日こんなことされたら嫌ですから」
「ま、毎日だなんて……た、たまたまの間違いだろ?」
「……!」
「ご、ごめんなさい。調子に乗りました」
「もしかしてそこにあるカメラで私の寝顔を撮影したりとか?」
「カメラ……?あ……」

しまった!カメラをしまい忘れていた。僕は重要な証拠を現場に残した駄目刑事だ。

「したんですね?そのカメラ、最初からそこにはありませんでした」
「はい、容疑を認めます。寝顔があまりにもかわいかったので……その……つい……調子に乗って」
「う……この盗撮魔」
「ごめんなさい。だけど……あまりにもかわいくて……」
「もういいです。出て行って下さい。早く!私は勉強しなきゃいけないんです。先輩は邪魔ですから」
「う……」
「まだ何かあるんですか?」

七咲、相当怒っている!
早くこの誤解を解かないと婚約が破棄されてしまう!!

「……」
「早く用件を言って下さい」

よし!!!

「……」
「……」
「ごめん……本当は悪気はなかったんだ。ただ、七咲が明日大事な試験があるって言うから……」
「……」
「しかも今日3科目終えて疲れて居眠りしてないか心配で……」
「え?」
「もう冷めちゃったけど……ここにコーヒー持って来たんだ。そしたら……」
「私が居眠りしてた……」
「うん」
「……だったら……もっと普通の起こし方でよかったのに……どうして……」
「……」
「どうして……胸を!!」
「う……」

七咲は椅子から立ち上がって僕の前にしゃがんだ。
僕は七咲に襟を掴まれ、持ち上げられた。
七咲は胸を揉まれたことが嫌だったみたいでちょっと涙目になってる。

「ごめん。それでも起きなかったから……つい調子に乗って……」
「……」
「実は起こす前に七咲のかわいい寝顔を見ちゃって……一瞬起こすのを躊躇ったんだ」
「え?」

七咲が僕から手を離した。

「七咲のかわいい寝顔をずっと見ていたくて……それで……盗撮を……」
「う……」
「悪いのはすべて僕なんだ!!償いならいくらでもする!!だから……だから……」
「……」

僕は深く土下座した。

「婚約だけは破棄しないでほしい!!僕はずっと七咲と……逢と一緒にいたいから!!」
「……」
「逢の……その……かわいい寝顔をずっとそばで見続けていたいから……お願いします!!どうか……」

僕は強く歯を食いしばった。

「……もう、いいですよ」
「えっ??」
「本当に……仕方がない先輩ですね」
「逢……」

七咲はコーヒーカップを持って、冷めたコーヒーを一口飲んでから……

「ふ……まったく……相変わらずバカでエッチで……本当にどうしようもない先輩です」
「逢……」
「だけど……バカでエッチだけど……私を想う気持ちに嘘はないみたいですね。安心しました」
「じゃ、じゃあ……」
「私を起こしてくれたお礼に、許すことにします」
「逢……ありがとう!」
「方法は間違っていたけど、先輩が私を起こしてくれなかったら大変なことになっていました」
「本当にごめんな。このカメラに入っている寝顔は後でちゃんと削除……」
「いえ、その必要はありません」
「えっ??」
「それは先輩が持っていて下さい」
「えっ??い、いいのか?」
「はい。さっき私は許すと言いました」
「わ、分かった。ありがたく受け取るよ」
「ただし!」
「は、はい!!」
「他の人には絶対に見せないで下さいね。恥ずかしいので、先輩と私だけの秘密にして下さい」
「分かった!」

よかった……分かってもらえたみたいだ。
逢……本当に僕が悪かったよ。
これからも誠心誠意逢に尽くすと誓おう!

「……もう1時ですね。早く勉強しないと」
「あのさ……逢」
「はい?何です?」
「僕……ここにいてもいいかな?」
「えっ?」
「その……お詫びと言っちゃあ難だけど……逢が寝ないように僕がここにいて見守る」
「えっ??い、いいですよ……私一人で勉強できますので」
「でも、疲れてるんだろ?また寝ちゃうかもしれない」
「そしたらまた先輩が起こしてくれるんですか?エッチな手段で?」
「い、いや、今度は普通に起こす!!何が何でも!!さっきのことはもうしません!!」
「信用できませんね……ついさっきされたばっかりなので」
「そ、そこを何とか信用して下さい!!」
「……分かりました。これ以上争っていても時間の無駄なので、どうぞお好きにして下さい」
「そ、その言い方は引っかかるけど……分かった」
「あ、それと……」
「うん」
「コーヒーごちそうさまでした。おいしかったです」
「あ、うん。どういたしまして」

七咲は再び勉強机に向かう。
僕は七咲が飲み終えたコーヒーカップをキッチンで洗ってから再び七咲の部屋に戻った。

「……」

黙々と勉強している七咲。
何を勉強しているのか気になってちょっと覗いてみた。

「……か、解剖学?」
「えっ??」
「解剖学なんて勉強してるの?怖い」
「ああ、これですか?別に怖くはありませんよ。人体の構造を学ぶんです」
「えっ?そんなの勉強してどうするの?」
「そんなのって何ですか?そんなのって?アスリートを目指す者にとっては重要な学問なんですよ」
「そうなのか?」
「はい。基本中の基本です」
「ああ、そっか。筋肉とかの勉強をするのか。確かに重要だなぁ」
「そういうことです」
「へぇ……あ、この上腕二頭筋って何かどっかで聞いたことがある!」
「肘を曲げる筋肉ですよ」
「へぇ……そうなのか?」
「……」
「あ……この大胸筋って……」
「胸の筋肉ですね」
「へぇ……胸のねぇ……」

そう言って僕は七咲の胸を見る。
胸のねぇ……
七咲の胸にも……

「先輩!どこを見てるんですか?」
「えっ??」
「今、私の胸を見ていましたね?」
「あ……ごめん」
「私の胸ではなく、ちゃんと教科書を見て下さい。エッチな先輩ですね」
「う……」

怒られちゃった。まあ、当然だな。さっきのことがあるし。

七咲は一生懸命教科書に書いてある文章を読んで覚えようとしている。
僕も同じ文章を読んでみる。

「はぁ……難しいですね。覚えづらいんです」
「なぁ……逢」
「はい?」
「僕、初めて見るから正しいかどうかよく分からないんだけど……」
「何です?」
「こういうのって文章読んだだけじゃ駄目なんじゃないかな?」
「え?と言うと?」
「ほら、隣に図が出てるだろ?文章じゃなくて図を覚えればいいんじゃないかな?」
「図を?」
「例えば、さっきの上腕二頭筋だったら……こういう走行だから収縮したら肘が曲がるって」
「……」
「どう……かな?」
「なるほど。それなら分かりやすいですね」
「うん。だと思うよ」
「……」
「僕思うんだけど、解剖学って実際に人体を観察して得られた結果をこの文章にしたんじゃない?」
「つまり?」
「こっちの図から分かったことをこの文章で表してるとしたら、逢も同じことをすればいいと思う」
「同じこと?」
「まずは、この図を覚える。そしたらこっちの文章が自然に出て来るんじゃない?」
「……」
「……」
「なるほど。確かに先輩の言う通りです」
「……だろ?」
「でも、意外です」
「何が?」
「先輩は初めて見たのにそこまで分かるなんて」
「あ、ああ……僕はもともと数学が得意だからね。何となくだよ」
「何となく……。でも、すごいと思います」
「そ、そうかな?」
「はい」
「て、照れるなぁ」
「あ、それはそうと先輩」
「ん?」
「先輩は起きてても平気なんですか?」
「ああ、平気だよ」
「でも、先輩も今日試験を2科目受けて疲れてるんじゃ……」
「うん。さっきまではね。だけど、逢のパンチを食らったら疲れが吹っ飛んだよ」
「ごめんなさい……。痛かったですよね?」
「う、うん。まあ……正直痛かったけど……おかげで元気が出たよ。ありがとう」
「……」
「逢?どうした?」
「やっぱり先輩は変態ですね」
「え?」
「女の子に殴られて喜ぶなんて……」
「あ、いや、あはは……」

そうだよ!僕はドMキャラか!?違うぞ!!断じて違うからな!!

それから3時まで、勉強する七咲のそばにずっといてあげた。
ただ何もせずずっとそばにいてあげた訳ではなく、僕も七咲の教科書を読みながら一緒に勉強した。
正直七咲が日頃何を勉強してるのか興味があったんだ。

「よし、残り3ページか」
「はい。そうですね。はぁ……」

七咲は欠伸をした。

「眠いのか?」
「ええ。もう3時ですからね」
「そっか。もうそんな時間なのか。僕は試験終わったし明日1日中家でごろごろできるけどな」
「うらやましいです」
「でも、そのおかげでこうして逢の勉強に夜遅くまで付き合ってあげられるんだ」
「私のために……ありがとうございます」
「ううん。逢のためだけじゃないよ」
「え?」
「これは僕のためでもあるんだから」
「先輩の?」
「僕も逢も無事に現役で大学を卒業できなきゃ結婚できないからな」
「そのために私を……?」
「そう。僕は僕と逢、二人のために今こうして逢を応援しているんだ」
「先輩……」
「さあ、雑談はこのくらいにしよう。早く勉強をするんだ……」
「はい……えっ?」

僕は逢を全力で抱きしめた。

「えっ?ええっ?せ、先輩……いきなり何を?」
「逢……頑張ろう」
「ん……んん……」

僕は逢の唇にキスをした。
さっきふざけて逢のほっぺたにキスをしたけど……やっぱり唇の方がいい。
唇の方が柔らかくて温かい。

そして逢を放した。

「……」
「……」
「さあ、今のキスで逢の眠気は僕がすべて吸い取った。代わりに僕の元気を逢にすべて与えた」
「……」
「もう少し……せめて4時までは頑張れるよな?」
「……はい!頑張れる気がします!頑張ります!」
「よし……それじゃあ僕も一緒に勉強しよう」

こうして逢の試験最終日の前夜に逢と一緒に甘い一夜を過ごした。
最初はどうなることかと思ったけど、逢が許してくれたし、一件落着だ。

翌朝、僕は七咲を起こそうと、七咲の部屋の前に立った。

「七咲、起きろ!そろそろ起きないと」
「分かってます。先輩に言われなくても私はちゃんと起きてます」
「そ、そっか。ならいいんだ」
「私は先輩とは違ってしっかりしてるつもりです」
「昨日僕に起こされなきゃ起きれなかった人がよく言うよ……」
「あ、あれは……」
「あれは?」
「もういいじゃないですか!早く朝ご飯を食べましょう」

そう言って七咲は部屋から出てリビングに向かった。

さては照れてるな?

「それじゃ、先輩。行って来ますね」
「うん、頑張ってな」
「はい」

七咲は元気よく家を飛び出して行った。
七咲の鞄には今年の春に買った僕とお揃いの学業成就のお守りが付いている。
安全祈願のお守りだけではなく、学業成就のお守りも僕と七咲の絆の象徴なんだ。
僕は数ヶ月前、学業成就のお守りと一緒に買った七咲とお揃いの安全祈願のお守りに生命を救われた。
そしてその出来事がきっかけで七咲との婚約に至った。
今度は学業成就のお守りで僕が七咲を救ってやるんだ!!昨日七咲の勉強を手伝ったみたいにな。
二人の関係を恋人同士から婚約する仲にまで進展させたのが安全祈願のお守りなら……
二人の関係を婚約する仲から夫婦にまで進展させるのが学業成就のお守りなんだと思う。
僕と七咲はお互いの夢を応援することで一歩ずつ結婚というゴールに向かっている。
これからもゴールを目指してお互いに頑張っていこうと思う。



七咲アフターストーリー
エピソード「先輩、今日は試験前夜です」(ノベル)
END

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