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2010-08-22

第2話「デートを邪魔するのだ!!」

七咲アフターストーリー第3話準拠

翌日
昼休み
キーンコーンカーンコーン
美也「やったあ!!お昼だね!!」
中多「そだね」
美也「みゃーお腹空いたのだ」
七咲「美也ちゃんのお腹、すごい勢いで鳴ってたよ。クスッ」
美也「う……そ、そう?」
七咲「ふふっ、冗談」
美也「なーんだ、びっくりしたー」
中多「ふふふっ」
美也「紗江ちゃん、一緒にお昼食べようか!」
中多「え?い、いいけど……七咲さんは?」
七咲「あ、私はちょっとね」
美也(逢ちゃん、またバカにぃにの所に行くんだな)
美也(いっつも校舎裏でにぃにとイチャイチャしている!!)
美也(でも、今日という今日は絶対に許さないのだ!!)
七咲「美也ちゃん?どうかしたの?」
美也「ふぇ?」
七咲「私の顔に何かついてる?」
美也「う、ううん。何でもない」
七咲「……なら、いいけど」
美也「さ、紗江ちゃん。一緒に食べよう」
中多「うん」
七咲「じゃあ、私は行くね!」
逢ちゃんが教室を出て行った。
美也「……」
中多「美也ちゃん??」
美也「ごめん、紗江ちゃん。ちょっとトイレ。先食べてて」
中多「う、うん」

みゃーは教室を出てまっすぐ校舎裏に向かった。
そして茂みに隠れ、にぃにと逢ちゃんの会話を盗聴する。

橘「お待たせ」
七咲「いえ。私も今来たところです」
橘「じゃあ食べようか」
七咲「はい。召し上がれっ♪」
橘「…」
七咲「どう…ですか?」
橘「うまい!このチャーハン、最高にうまいよ」
七咲「そうですか?それならよかったです」
橘「七咲はいいお嫁さんになるよ!」
美也(なぬ!?バカにぃに!!何て事を言うんだ!?)
七咲「えっ?」
橘「料理が上手だからさ、きっと喜んでもらえるよ」
七咲「あ、ありがとうございます…」
照れる逢ちゃん…だけど、どこかがっかりした表情。
美也(そうじゃないでしょ!鈍いなぁ)
美也(って!違う違う。みゃーが応援してどうするの??)
美也(何か邪魔する手立ては……)
橘「うん、おいしい!」
七咲「…」
七咲「あ、あの、先輩?」
橘「うん?」
七咲「そういえば最近勉強ばかりでまったくデートしていませんね」
橘「ああ、そういえばそうだったな」
美也(デート??)
橘「でも…僕はあんな低い成績だから、浮かれていられないよ」
七咲「でも、勉強には息抜きだって必要ですよ」
美也(ダメダメ!!にぃにに息抜きさせちゃダメ!!)
橘「そりゃあそうだけどさ、七咲は部活で忙しいんだろ?」
美也(よく言った、にぃに!!)
七咲「いえ…そうでもないんです」
美也(えっ?)
橘「え?」
七咲「今週日曜日は空いてます」
橘「本当に?」
美也(嘘……)
七咲「はい。それで先輩とデートでもしようかなと考えていました」
美也(あ……)
橘「やったー。それで…場所と時間は?」
七咲「それが…まだ決めていません」
橘「じゃあ、僕に任せて」
七咲「はい。わかりました。楽しみにしていますね」
美也(終わった……いや、デートを邪魔すればいいのだ!!)
美也(その手があったか!にししし)
キーンコーンカーンコーン
橘「まずい!予鈴が鳴ってる!早く食べ終わらないと!」
七咲「はい!」
美也(あ!いっけない!!ご飯食べ忘れた)

一方、その頃
中多「美也ちゃん遅いな。もう1時間もトイレにこもってる」
中多「もしかしてお腹でも壊したのかな?うふふ」

こうしてみゃーは今週日曜日のにぃにと逢ちゃんのデートを邪魔することにした!
二人とも、覚悟するのだ!!にししし。

そしてデート当日
美也「……」
みゃーは物陰に隠れてこっそり二人の様子を伺う。
美也(バカにぃにめ!)
美也(昨日みゃーがどんなに聞いてもとうとう待ち合わせの場所と時間を白状しなかった!)
美也(意外と強情なんだから、まったく……)
美也(でも、みゃーは頭がいいのだ!!そんなことで諦めたりしないもんね!)
美也(デートに出掛けるにぃにをこっそり尾行したのだ!にししし)
橘「……」
七咲「先輩、お待たせしました」
橘「おぅ、七咲か」
美也(よし、逢ちゃんが来た。デート尾行、スタート!!)
七咲「それで…今日はどこに行くんです?」
橘「今までのデートコースを一通り回ってみる…なんてどうだ?」
七咲「今までの?」
橘「そう。去年のクリスマス前に行った水族館・砂浜・ファミレス…」
橘「それからクリスマスに行った温泉」
美也(そんなに行ったのか!?お~の~れ~逢ちゃんめ!!)
七咲「あ、それでこんな早い集合時間なんですか?」
橘「そう。全部回りきれるか不安だったからね」
七咲「では、ここでこうしているのも時間の無駄ですし、行きましょうか」
橘「うん」
美也(絶対に邪魔してやる!!)

まず、にぃにと逢ちゃんは水族館に入る。
みゃーも二人が先に入ったのを確認し、後から入り……
ギリギリ気付かれない場所から二人の会話を盗聴する。
しかし……
橘「……」
七咲「……」
美也(うー……周りがうるさくて会話が聞こえない!!)
美也(どうして今日はこんなに混んで……日曜日だからか)
美也(もうちょっと近付きたいけど、さすがにバレる)
美也(ペンギンの水槽の前でもう1時間……)
美也(何してるの?早く場所移動して!)
七咲「……?」
美也「!?」
みゃーは逢ちゃんの視線を感じたから近くの水槽の陰に隠れた。
美也(えっ?今逢ちゃん一瞬こっち見た??)
美也(あはは……まさか……気のせい……だよね?にししし)
美也(バレるわけがないよ)

ペンギンの水槽から離れ、水族館内を一通り見回したにぃにと逢ちゃん。
次の目的地・砂浜へと向かう途中、水族館を出た辺りで……

橘「ああ、楽しかったなぁ」
七咲「……」
逢ちゃんは何か考え事をしているみたい。
橘「ん?七咲、どうかしたの?」
七咲「あ、いえ……別に。楽しかったですよ」
橘「そ、そっか。ならいいんだけど」
七咲「……」
橘「……やっぱり、つまらなかった?」
七咲「いえ、そういうわけではなく……先輩?」
橘「あ、うん。何?」
七咲「ちょっと……もう少し近付いてください」
橘「えっ?近付くって!?」
にぃには照れている。
七咲「ほら、もう少し」
橘「あ……うん」
七咲「……」
逢ちゃんが周囲を見渡しながら、にぃにの耳元で何か話している。
橘「え!?」
七咲「……」
橘「うん、分かった。行くぞ!!」
七咲「はい!!」
にぃにと逢ちゃんが二手に別れて走りだす!!
美也(ま、待て!!まさか……やっぱり逢ちゃんにバレた!?)
美也(さっきの水族館でのあの視線……勘づかれたんだ……)
みゃーはすかさず逢ちゃんの跡を追う!
美也(コンビニの裏手に入って行った!!)
美也(でも、あそこは確か行き止まりだったはず!!)
七咲「はぁはぁ」
行き止まりで逢ちゃんが止まる。みゃーに背中を向けたまま。
七咲「やっぱり跡をつけて来てたんだね?美也ちゃん!」
美也「うっ……」
橘「はぁはぁ……って!お前か、美也!!」
美也「あ、お兄ちゃん」
にぃにもみゃーの背後からやって来た。
七咲「おかしいと思ったんだよ」
七咲「中多さんから聞いたよ。お昼休みになるといつも一人でどっかに行っちゃうってね」
美也「……」
七咲「そのせいで中多さんはお昼ごはんをいつも一人で食べてるんだって」
七咲「美也ちゃんとせっかく一緒に食べる約束したのに、いつも破られるって言ってた」
七咲「かわいそうだよね、中多さん」
美也「……」
橘「お前、最低じゃないか!それでよく紗江ちゃん紗江ちゃんって……」
美也「う、うるさい……」
七咲「でも、たまには約束通り、一緒に食べるらしいですよ?」
橘「え?そうなの?」
七咲「はい。私がお昼部活に行く時だけです!」
橘「え?七咲が部活の時だけ……つまり言い換えると僕が一人の時だけ?」
橘「待てよ……てことは!」
橘「美也!お前、もしかして……ずっと僕らを尾行してたのか!?」
美也「!!」
橘「七咲は、お昼に部活がない時は校舎裏で僕と一緒にお昼を食べている」
橘「お前はその様子を物陰から伺っていた……?」
七咲「ええ。それに間違いはありません。時々視線を感じていたので」
美也「……」
橘「どうなんだ、美也!答えろ」
美也「……そうだよ。すべてその通りだよ」
美也「美也は悔しかったの!!お兄ちゃんとイチャイチャする逢ちゃんを見てて」
七咲「えっ?」
美也「お兄ちゃんは……美也だけのお兄ちゃんなの!!誰にも渡したくないの!!」
橘「……は?」
美也「……は?じゃない!!」
橘「もう冗談はいいからさ、本当の理由を……」
美也「冗談なんか言ってない!!本当なの!!」
橘「……はぁ。何言ってんだか、さっぱり」
七咲「……なるほど。つまり、うちの郁夫と同じっていう事か……」
美也「郁夫?誰?」
七咲「ああ、美也ちゃんにはまだ話していなかったね」
七咲「私には小学1年生の弟がいるの。郁夫っていう」
七咲「すごく甘えん坊でよく私に甘えて来るの」
七咲「私が他の子と話していると今の美也ちゃんみたいに悔しそうな顔をするんだ」
美也「え……?あ、そう?」
美也(みゃーは小学1年生と一緒か!?)
橘「なるほど。美也は僕に甘えたいわけね。気持ち悪い……」
美也「き、気持ち悪い言うな!!」
七咲「もういいよ。今日だけは許してあげる」
七咲「美也ちゃんの、お兄ちゃんを愛する気持ちに免じてね」
美也「逢ちゃん……」
橘「え?いいのか?」
七咲「仕方ありませんよ。私も一応姉なので気持ちはよく分かります」
七咲「先輩もお兄さんなので、そのくらい分かってあげてください」
橘「おいおい、無理言うな……ま、いっか。そうするよ」
美也「ありがとう……」
七咲「その代わり、二度目は許さないからね」
七咲「今日はもう家に帰って、今後一切尾行なんてしないこと!」
七咲「ちゃんと、中多さんとも仲良くしてあげるんだよ?」
七咲「いいね?」
美也「うん」
橘「しょうがないなぁ。まんま肉まんでもお土産に買ってってやるか」
美也「え?いいの?」
橘「かわいい妹のためだ。しょうがないじゃないか!」
美也「やったあ!!!お兄ちゃん、大好き!!!」
七咲「クスッ」
美也「今日はせっかくのデートをごめんね。」
美也「じゃあ、逢ちゃん!また明日なのだ!」
七咲「うん。また明日」
美也「お兄ちゃんも、暗くなる前にちゃんと帰って来るんだよ?」
橘「ああ、分かった」

結局みゃーはその後大人しく帰宅した。
逢ちゃんは予想以上の強敵で、今日はみゃーの完全敗北だった……しかたがない。
でも、にぃにの中でみゃーの存在は少し大きくなったに違いない。
にぃにの、みゃーに対する好感度が上がり続け……
いつか逢ちゃんをも上回る日が来る事を信じている。
はたしてみゃーが逢ちゃんに勝てる日は来るのだろうか……


数時間後、にぃには逢ちゃんに連れられて、ずぶ濡れで帰って来た。

七咲「それじゃ、美也ちゃん、先輩を頼んだよ」
美也「逢ちゃん、任せてよ。にししし……」
橘「だから、その笑い方は辞めろって!」
美也「いいんだもーん」
七咲「クスッ。仲の良い兄妹ですね。それじゃ、先輩、また明日」
橘「ああ。七咲も気をつけて帰れよ」
七咲「はい。では失礼します」
美也「逢ちゃん、また明日ねー!バイバーイ」
七咲「美也ちゃん、また明日!」
パッタン
橘「……さあ、美也、僕は風呂……」
逢ちゃんがドアを締めて帰ったことで安心したのか、にぃにはそのまま玄関で倒れた!
バタッ。
美也「にぃに?どうしたの?」
橘「……」
美也「そんなところで寝たら風邪引くよ?……にぃにってば!」
美也が僕の額にそっと手を当てる。
美也「うわわ……にぃに、すっごい熱あるじゃん!!」
美也「しっかりしてよ、にぃに!!にぃに!!」

にぃにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい



第3話に続く。

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