--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2010-08-09

エピローグ「先輩、花婿修行は厳しいですよ」

12月の始め
警察署
今日も事件に関する電話が絶えず、忙しない署内……
そんななかで……
そろそろクリスマスが近いので……
クリスマス関連の世間話をする同僚もちらほら現れ始めた。
事件の話とは違い、夢があって明るいんだよな……
いや、そうでもないか。
恋愛関係のもつれから事件に発展するケースだって中にはあるんだ。
クリスマスだからってのんびりしていられない!
いつも通り気を引き締めて任務に当たる。

クリスマス……か……
高校時代がすごく懐かしいな。
今の逢との関係はそのクリスマスから始まったんだ……
あの時に逢からもらった誕生日プレゼントの目覚まし時計は……
今も大切に使わせてもらっている。
僕の寝室で、まだ元気に動いている!まるで逢みたいに……

松原「クリスマスか……楽しみだなぁ」
しゅう「え?まっちゃん、彼女でも出来たの?」
松原「ふふふ……分かる?」
しゅう「ええっ!?マジか??」
松原「マジだよ……」
しゅう「へぇ……おめでとう!!」
華村「おい、勘違いするなよ?彼女って言うのはゲームの方だからな」
しゅう「えっ?そうなの?」
華村「そう……来週発売される新作恋愛シミュレーションゲーム……」
華村「この町が舞台で時期はちょうどこの時期だ」
華村「ヒロインは全部で6人、隠しキャラ含めたら8人だ」
松原「しかもヒロインはみーんな美少女だ!!俺好みの彼女たちよ……」
しゅう「は……ははは……駄目だ、こりゃ」
しゅう(こいつらには絶対現実の彼女は出来ないな……)
松原「で、最初に誰を攻略する?」
華村「決まってるだろ?あの子しかいないって!」
しゅう「……勝手に言ってろ」
僕はゲームの話題で盛り上がる二人を残し、一人で自販機へ向かう。

しゅう「ゴクゴク……はぁ」
そういえば、今月は僕の誕生日もあるけど……逢は何をくれるんだろ?楽しみだなぁ
逢は毎年欠かさずに僕に誕生日プレゼントをくれる……
僕も毎年欠かさずに逢に誕生日プレゼントを贈っている……
今年は何をもらえて、来年は何をお返しにあげればいいんだろうか……
そして、今年もクリスマスに逢をどこかに連れて行ってあげようか。
これも毎年欠かさずに行っている七咲家の行事の一つなんだ。
まあ、七咲家って言っても僕と逢だけなわけだが……
そんなことをボーッと考えていたら……
以心伝心したのか、逢の携帯から電話が来た!

しゅう(何だろう?もしかして僕に相談?)
しゅう「もしもし、僕だけど」
しゅう「……え?あなたは誰ですか!?」
しゅう(逢かと思って出たら男だった!?どういうことだ、一体!?)
しゅう「はぁ、なるほど。逢がいつもお世話になってます」
しゅう(なんだ、逢の専属コーチだったのか。びっくりしたよ)
しゅう「……ええっ!?練習中に倒れた!?」
僕が大声を出したら周囲が何事かと、僕を見た……
しゅう「あ……えっと、それで……逢の容態は?」
周囲を見渡した後、小声で電話を続ける。
しゅう「……わかりました。すぐ行きます!」
電話を切り、駆け足で上司にその旨を伝え、僕は早退した。
そして真っ直ぐ逢の元へ向かう!!


病院
逢の病室
しゅう「逢!」
逢「あ……先輩」
しゅう「はぁはぁ……だ、大丈夫?」
逢「はい」
しゅう「まったく……びっくりしたよ。電話、逢からかと思ったら知らない男だったから」
しゅう「あの人、専属コーチなのか」
逢「はい。言ってませんでしたっけ?」
しゅう「うん。聞いてない」
しゅう「だからあの人が出た途端、びっくりして有りもしないこと考えてた……」
逢「有りもしないこと……?例えば?」
しゅう「あんま、おっきい声じゃ言えないけど……逢に何か良からぬことでもしたのかと……」
逢「クスッ。先輩じゃあるまいし、あの人はそんなことしませんよ……ふふふっ」
しゅう「あ、そっか……って、おい!僕が逢にいつそんな事したよ……?」
逢「しょっちゅうじゃないですか!むしろ、しない時の方が珍しいです」
しゅう「はは……否定出来ない……」
逢「ふふっ」
しゅう「それで……本当に大丈夫なのか?」
しゅう「クロールのタイムを測り終えてプールサイドを歩いていたら……」
しゅう「突然お腹を押さえて倒れて……そのままプールに落っこちて、溺れかかったって聞いたけど?」
逢「あ……そこまで聞いたんですね……」
しゅう「また……あの時みたいに、練習のし過ぎでバテたなんてことは……」
逢「それはないです!ちゃんと休んでいるので。先輩も知ってますよね」
しゅう「うん……」
しゅう(でも、たまに寝ようとする逢を無理に引き止めて……なんてことはあるけどね)
しゅう(まさかそれが原因じゃ……だとしたら、また僕のせいなのか!?)
しゅう(僕って奴は……本当に駄目な夫だな)
逢「先輩?何をそんなに落ち込んでいるんです?」
しゅう「ごめん、たぶん僕のせいだから……」
逢「あ……いえ。先輩のせいでは……なくはないですね」
しゅう「え?やっぱりか。また、僕のせいで……」
逢「だからそんなに落ち込まないでください。むしろ嬉しい事なので」
しゅう「嬉しい事?」
逢「はい……3ヶ月……だそうです」
しゅう「はい?何が?」
逢「だから……その……えっと……」
しゅう(3ヶ月って……ええっ!?嘘だろ?そんな……)
しゅう「ねえ、本当に嬉しい事なの?悲しい事じゃなくて?」
逢「はい。そうです」
しゅう(いや、逢のことだ……きっと僕には言いにくい事なんだろう)
しゅう(わざと明るく振舞って……くそう)
しゅう「そっか……そうなのか……」
逢「先輩?どうしたんですか?」
しゅう「だから……そういう事なんだろう?」
逢「ええ、そういう事ですが」
しゅう「はぁ……」
逢「先輩は……何を考えているんです?」
しゅう「だから……余命3ヶ月って……事なんだろう?」
逢「はい??」
しゅう「あの映画みたいにスポーツ少女のヒロインが血液の病気にかかって……」
逢「それ何ていう映画です?」
しゅう「えっと、確か……」
逢「言わなくていいです!!全然違います!!」
しゅう「え?違うの?」
逢「はい。先輩……頭大丈夫ですか?」
しゅう「うう……だったら、正解は何?」
逢「はぁ……分からないんですか?しょっちゅうしてたくせに……」
しゅう「はい??何を??」
逢「もういいです。私一人で育てますので」
しゅう「育てる!?」
しゅう(待てよ……もう一度よく推理するんだ、七咲しゅう!!)
しゅう(3ヶ月……しょっちゅうしてた……育てる……ああ!!そういう事か!!)
しゅう「そうか、そういう事だったのか!!」
僕は逢のお腹に手を当てる。
しゅう「……でしょ?」
逢「はい。正解です。まったく、一体何分かかってるんですか?」
しゅう「ごめん。鈍すぎた。でも、それならそれでどうして最初に言ってくれなかったんだ?」
逢「すみません、いざとなったら恥ずかしくて……」
しゅう「言えなかったんだ……」
逢「はい」
しゅう「じゃあ、もう一度、気を取り直して……どうぞ!TAKE2」
逢「え?あ、はい」
逢「先輩、おめでたです!妊娠3ヶ月だそうです!」
しゅう「逢……お腹の子供、ありがとう。好きだよ……逢」
そう言って僕は逢の唇にキスをする……お約束。
逢「ん……」
しゅう「ん……」
逢「あ……セリフ間違えました」
しゅう「え?」
逢「先輩……じゃなくて……あなた……でしたね」
しゅう「あ、いいよ……別に。気持ちはちゃんと受け止めたから!」
しゅう(そう。僕の脳内ではちゃんと自動変換されてるから問題ないよ、逢)
しゅう「じゃあ、僕もこれからもっと頑張らなきゃな!」
逢「先輩は何を頑張るんです?」
しゅう「そんなの……家事に決まってるじゃないか!」
逢「家事?いいですよ、それは私の仕事なので」
しゅう「よくない!!逢に無理はさせられない!!させたくない!!」
逢「先輩……」
しゅう「僕に出来る事なら何でもする!」
しゅう「だから、くれぐれも無理だけはしないでくれ!」
しゅう「僕をもっともっと頼ってほしい!!」
しゅう「力不足かもしれないけど、必ず逢の力になるって約束する!!」
しゅう「だから……」
逢「……分かりました。仕方ないですね」
しゅう「よかった」
逢「その代わり、覚悟してくださいね!」
しゅう「え?」
逢「私の指導は厳しいですよ、先輩」
しゅう「あ、ああ……心得ております、七咲逢コーチ!!」
逢「ふふっ。返事がよろしい……」

こうして、晴れて七咲家の家族が増えることになった!
生まれて来る子は男の子でも女の子でもどっちでも嬉しい!
だって、この世界で一番愛している逢が産んでくれる子だからね!
そして逢は僕の家事専属コーチとなった。
どんな厳しい指導でもいい!とにかく受けて立ってやる!!
逢を手助けするためなら、僕はどんな努力も厭わない!!
僕の……厳しい花婿修行はここから始まる……

しゅう「もう……平気か?」
逢「はい、平気です」
しゅう「じゃあ、一緒に帰る?」
逢「先輩……お仕事は?」
しゅう「ああ、大丈夫。今日は上司に訳を話して早退したから」
逢「そうですか」
しゅう「このまま帰っていいのかな?」
逢「はい。ここで先輩を待っていただけなので」
しゅう「じゃあ、帰ろうか」
逢「はい」


七咲家
しゅう「ただいま」
逢「ただいま」
しゅう「はぁ。お腹減った……早速何か作るか!」
しゅう「何食べたい?」
逢「野菜炒めにしましょうか。確かお肉と野菜の残りがあったはずです」
逢「ご飯も昨日の余りを冷蔵庫に入れてありますので、温めましょう」
しゅう「さすが!もうこの時点ですでに負けている……」
しゅう「いや!頑張らなきゃ!!いつか追い抜いてやるんだ!!」
逢「はい、そうしてください。クスッ」
しゅう「えっと、じゃあ……始めるか。座ってていいよ」

しゅう「えっと、人参は……」
僕が包丁を持って人参を切ろうとすると……
逢「待った!」
しゅう「え?」
逢「その切り方は違います。人参はせん切りにするんです」
しゅう「逢……座ってていいって言ったのに……」
逢「私は逢ではありません。料理の教官です!」
しゅう「きょ、教官!?」
逢「いいから見ててください!」
逢「まず、横長に置いて3等分くらいになるように垂直に切ります」
逢「3つのうちの1つを縦長に置いて、片方の端を細く切ります」
逢「すると、今切った切り口が平らになりますよね?」
しゅう「はぁ……」
逢「そこを底辺にして人参を縦長に置き直し……」
逢「端から端まで細く切っていきます」
しゅう「後は切ったやつをまた細く切ればいいのか……」
逢「そうです」
しゅう「なるほど!勉強になりました!教官」
(参考にさせていただきました:人参のせん切り)
しゅう(これも経験の違いか……)
逢「じゃあ、次はこのキャベツを」
しゅう「はい」

逢……いや、教官に料理の基本を教わった。
普段なんとなくでやってたけど、意外と奥が深いんだな。
野菜炒めだけで結構勉強になった。
こういうの知ってると面白いんだろうな。
料理だけじゃなくて掃除や洗濯も教わりたくなってきた。

しゅう「いただきます」
逢「いただきます」
しゅう「あ……やっぱりおいしい」
逢「先輩……あんなに下手なのに今までよく自炊できましたね?」
逢「美也ちゃんよりは上手ですが、まだまだですね」
しゅう「はは……あいつと一緒にしないでくれ!」
逢「まあ、でも一度だけ美也ちゃんの方が上手だった時ありましたけどね」
しゅう「あったっけ?」
逢「はい。先輩が記憶喪失になった時です」
逢「美也ちゃんが先輩の実家で作ってくれたカレー、おいしかったですよ」
逢「野菜の切り方とか先輩よりも上手でしたし」
しゅう「ああ、あれは……何でもない」
しゅう(だって、あれはインチキだからな。梅原が手伝ったし)
しゅう(でも、あれで逢と美也は仲直りできたんだから……このことは黙っておこう)
逢「あれは……何です?」
しゅう「え?いや、だから何でもないって」
逢「私に隠し事ですか?」
しゅう「いや、別に。何も隠してないし」
しゅう「あ……それより、水泳の方は大丈夫?しばらく泳げなかったりするよな」
逢「ええ、問題ないです」
逢「泳げはしませんが、フォーム維持のために筋力トレーニングは欠かしません」
しゅう「あまり無理するなよ?そっちは僕手助けできないから」
逢「大丈夫です。先輩が来る前にコーチと話をつけておいたので」
しゅう「そっか。なら大丈夫か」
逢「ご心配、ありがとうございます」
しゅう「そりゃ心配しない方が無理だよ」
逢「そうですね」
しゅう「さてと、皿洗いするか。これくらいは僕でもできる」
逢「はい。じゃあ、よろしくお願いします」

しゅう「まだ2時か……どうする?どこか出掛けるか家にいるか」
逢「たまには家でごろごろするのも悪くはないですね」
逢「久々にお昼を二人っきりで過ごせるので」
しゅう「わかった。のんびりテレビでも見るか」
逢「はい」
僕は逢の右隣に座り、逢の左肩に左手を回す。
しゅう(正直僕は午前中の騒ぎでちょっと疲れていた)
しゅう(だからホッとしたというか……)
僕はテレビをつけた。
ちょうどいいタイミングで日本の恋愛映画の再放送がやっていた。
しかもちょうどあまーい展開の真っ只中!!
しゅう「ああ……だ、抱き合ってる!?」
逢「……」
しゅう「あ、ああ!!み、見た?今の?」
逢「……」
しゅう「逢?起きてる?」
逢「……」
気のせいか見始めた時よりも逢の背中に回した左腕が少し重くなった気がする。
僕の左肩に逢が寄りかかって寝ている。
しゅう(やっぱり僕だけじゃなく逢も疲れていたのか……)
しゅう(そりゃそうだよな。一番疲れていたのは逢だもんな)
逢「……」
しゅう(……やっぱり逢は猫みたいで、可愛いな)
僕は右手で逢の頭を撫でてあげる。
しゅう「よしよし。いつもお疲れ様。ありがとうな」
逢「……」
映画では男女がキスし合っている……
僕もやろうかと思ったが……
しゅう(いや、待て。起こしたらかわいそうだ)
しゅう(このまま起こさないように寝室へ連れて行こう)
僕は逢をお姫様抱っこして逢の寝室へ運び、ベッドに寝かせた。
しゅう「お休み」

さて、どうしよう……すごく暇だ!
そうだ、さっきの料理の復習でもしよう!
僕はインターネットを立ち上げ、料理について調べる。
うわあ……色々あって一度には覚えきれない!!
とりあえず、今夜は何にしよう?
冷蔵庫の中を見る……ほとんど何もない。買い物に行こう。
あの様子じゃ逢はしばらく起きそうにない。
メモを残して……僕は疲れて重い身体を引きずって買い物へと向かう。
これも逢のためなんだ!!
起きたらいきなり料理が出来ているというサプライズを仕掛けよう。


数時間後
七咲家
逢の寝室
逢「ん……あれ?私、どうしてベッドに?」
逢「確か先輩と一緒に映画を見てたはずじゃ……寝ちゃったんだ……」
逢「今、何時……えっ?もう7時??」
逢「まずい、ご飯の支度何もしてない!!」
しゅう「おはよう!!起きてたんだ?」
逢「あ……先輩……すごくいいにおいが」
しゅう「ご飯もう出来てるよ。早く食べよう」
逢「あ……はい」

居間
逢「あ……」
しゅう「どう?カレーに……レバニラ炒め」
しゅう「レシピも肉や野菜の切り方もちゃんと調べて作ってみたよ」
逢「……」
しゅう「逢?……あ、もしかしてレバー嫌いだった?」
逢「あ……いえ」
しゅう「何か調べたら、妊娠中って鉄分不足して貧血になりやすいらしいんだ」
しゅう「それでレバーがいいらしくて」
逢「い、いえ、別にレバーが嫌いなわけじゃないです……」
逢「ただ、びっくりしました……先輩がこんなにおいしそうに作れるなんて」
しゅう「失礼だなぁ。僕はやれば出来る子なんだよ!」
逢「すみません」
しゅう「とにかく、まずは試食してみてください、教官」
逢「……分かりました」
しゅう「いただきます」
逢「いただきます」
しゅう「……」
逢「……」
しゅう「お、お味は……いかがでしょうか?」
逢「……」
しゅう「教官?」
逢「か……」
しゅう「か?辛い?ああ、カレー中辛だから……」
逢「完璧です」
しゅう「え?」
逢「味付けといい、調理法といい完璧です」
しゅう「あ、ありがとうございます」
しゅう「でも、これ調べて作ったやつだから、僕の実力じゃないですが……」
逢「そうなんですか?それは少し残念です……」
逢「次こそは実力で完璧に作れることを期待してます」
しゅう「頑張ります!!教官のために!!」
しゅう(やった!誉められちゃった!!苦労した甲斐があった)
逢「先輩……よく頑張りました。正直、嬉しいです」
しゅう「いや、だから僕の実力じゃないって!」
しゅう「お昼に逢に言われたことを思い出して……」
しゅう「それ以外の部分はちゃんと調べて作ったよ」
しゅう「手際が悪すぎて3時間もかかっちゃった」
しゅう「まだまだだね」
逢「確かに技術はまだまだ未熟ですね。でもそれは仕方ないことです」
しゅう「ははは……ごめん。ご期待に添えなくて」
逢「いえ、別に謝らなくていいですよ……」
逢「むしろ褒めてあげたいくらいです」
しゅう「どうして?だって僕はまだ……」
逢「いえ、技術面ではなく、先輩のその努力を認めます」
しゅう「努力?」
逢「はい。少しでも上達しようというその向上心に感心しました」
しゅう「あ……そういうことか」
逢「私……嬉しいです。先輩が一生懸命努力してくれていると分かり……」
しゅう「努力するなんて当たり前じゃないか!」
しゅう「僕は逢と付き合い出した時から逢のために頑張ろうってずっと思ってた」
しゅう「だけど、記憶喪失になったりして迷惑ばっかりかけて……」
しゅう「何一つ、それらしいことが出来ていなかった」
しゅう「だから……今までお世話になってきた分、一生懸命恩返ししたいって思った」
逢「……」
しゅう「これは恩返しの一つなんだよ」
しゅう「逢がこれからあと半年頑張って僕に最高の贈り物をしてくれるから……」
しゅう「それを全力で支援することが逢に対する最高の恩返しだと思ってさ」
逢「先輩……ありがとうございます。何だか……涙が」
しゅう「泣くなって!僕そんなに感動するようなこと言った?」
逢「泣いてません!失礼ですね!私は泣き虫なんかじゃ……」
そう言って強がっている逢の目からは一筋の涙がこぼれ落ちた。
しゅう「……」
僕は静かに立ち上がり、逢のすぐ目の前に座り直す。
何も言葉を発することなく、逢に胸を貸してあげる。
逢「……」
僕の胸に顔を埋めて静かに涙を流す逢。
しばらくして
しゅう「泣くのもいいけどさ……」
逢「はい」
しゅう「せっかくの温かいご飯が冷めちゃうから早く食べよう」
逢「はい……そうでした」
しゅう「……」
逢「……」
しゅう「自分で言うのも難だけど……案外おいしいな」
逢「そうですね……先輩にしては上出来なんじゃないでしょうか」
しゅう「そ、そうかな?」
逢「はい。レシピを見てその通りに作れるのはすごいと思います」
逢「全員が全員うまくいくとは限らないので」
しゅう「ま、まあね」
しゅう(例えば、美也とか?)
逢「そうでさぁねぇ……この料理だと……技術面は50点ですね」
しゅう「ご、50点……良いのか悪いのか……」
しゅう(てか今、さり気無く森島先輩の真似した?)
逢「でも、先輩の思いやりと努力がすごく感じられるので……」
逢「15点くらい上乗せして……65点……ぎりぎり合格点です」
しゅう「65点……まあ、だいたいそんな感じか」
逢「何ですか?その余裕の表情は?」
逢「本当だったら不合格で補習を行ってもらうところだったんですよ?」
しゅう「ほ、補習だと??法学のゴリラじゃあるまいし……」
逢「言っておきますけど、私は本当はそのゴリラ先生よりも厳しいんですからね!」
逢「でも……負けてしまいました。先輩の思いやりに」
逢「悔しいです、甘く評価してしまった自分が」
しゅう「わかった。補習、頑張るよ」
逢「えっ?」
しゅう「だって、これで終わりじゃないんだ!まだ始まったばかりなんだよ?」
しゅう「毎日が補習……そうだろ?」
逢「はい!その意気です!」

そう……向上心に上限なんてないんだ。
諦めずに頑張り続ければきっとどこまでも伸びることができる!!
好きな人のためならなおさらだ!
僕の花婿修行はあと半年続く。きっと修羅のみちになるだろう。
でも、それ以上に出産は大変なんだ。
下手すれば死ぬことだってある、母親の命を賭けた闘いなんだ!!
僕も命を賭けて逢のために全力を尽くす!ともに闘う!
絶対に諦めない!!頑張るぞ!!



七咲アフターストーリー
エピローグ「先輩、花婿修行は厳しいですよ」
END

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ilovenanasakiai.blog24.fc2.com/tb.php/51-47868423
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Copyright (C) アマガミ・七咲逢をこよなく逢する七咲逢依存症患者の家. All rights reserved. Template by Underground
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。