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2010-07-25

エピローグ「先輩、結婚しましょう」

婚約からついに3年半経った。
僕は立派に刑事さんになり、1年目が経過した。
階級はまだ巡査だけどな。早く出世したいな。
大学の同期の松原正義・華村政治と同じ警察署に配属されている。
その理由は他でもない、学生時代からずっと同棲している七咲逢のためだ。
彼女も今年の4月に大学を卒業した。
学生時代はアスリートを目指すべきか、それともコーチを目指すべきかで散々悩んでいたが……
結局アスリートを目指すことに決めた。
アスリートとして存分に活躍した後、コーチになるのも悪くないんじゃないか……
という僕の助言を受けて決心したようだ。
今ではアスリートとして体格がガッシリして、出逢った当初の彼女とは少し違って見える。


そして今日は6月の中旬。
天気は快晴で、外に出ると汗がじんわりと滲み出てくる暑い日。
今日、この日に僕は結婚するんだ。
相手は言うまでもない。
橘しゅう高校2年生の冬……
母校・輝日東高校の校舎裏で偶然出逢った女の子……
彼女とは最悪な出逢い方をした……
出逢って早々、僕は彼女に痴漢に間違われた……
普通あんな出逢い方しないよな。
ある意味彼女との出逢いは運命だったのかもな。
学校生活を通して徐々に彼女との距離が縮まっていき……
ついには恋人同士となった。
やがて二人とも大学に通い出してからは同棲するようになった。
高校時代にもすでにハラハラドキドキな展開があったけど……
同棲するようになってからはもっとハラハラドキドキな展開があったよな。
特に記憶喪失になった時は本当に彼女には色々とお世話になった。
その感謝の意を込めて、僕は彼女と結婚し、一生彼女に恩返ししていきたいと思う。
な?そうだよな、逢。
七咲逢……僕の一生の宝物。ずっと守っていきたい。
6年半越しの想いがやっと叶うんだ!!

松原「おい、そろそろだってよ?」
橘「……」
松原「おーい!聞いてるのか、しゅうちゃん?」
橘「……」
松原「おいってば!!」
橘「あ、ああ!!ご、ごめん。何?」
松原「聞いてなかったな?そろそろ式が始まるぞ」
橘「あ、もうそんな時間か」
松原「俺、先に行ってるから!遅れずに来いよ。一応主役なんだからな?」
橘「うん……一応って……」

ちなみに挙式は人前結婚式で……
今回司婚者を務める塚原響先輩が手配してくれた高級屋外レストランで行われる。
式場は屋外にあり、式の準備は屋内で行う。
わざわざ屋外にしたのは僕の希望だ。
媒酌人を務めるのは梅原正吉と森島はるか先輩だ。
本来媒酌人は仲人(先輩夫婦もしくは僕の上司・恩師)に依頼するものだと聞いているが……
高橋先生が仕事の都合で来られない上、僕と七咲の希望で、僕の上司ではなく……
僕が記憶喪失になった時にお世話になった梅原と森島先輩にお願いすることになった。


結婚式

司婚者の塚原響先輩と参列者たちが最初に入場する。
参列者は述べ50人程度である。
僕の両親と美也。七咲の両親と郁夫。
松原正義と華村政治。僕の上司・同僚数名。
僕の大学の友人・知人数名。七咲の大学の友人・知人数名。
二人の高校時代の友人・知人数名。

参列者の中には、七咲が輝日東高校水泳部部長だった頃に水泳部に入部し……
その後インターハイで活躍し、輝日東高校水泳部部長となり……
今では七咲の大学の後輩となった向井るりさんの姿もあった。
彼女も着々と頭角を現しているようだ。

塚原「ただいまから、橘しゅう君と七咲逢さんの結婚式を挙行いたします」
塚原「新郎新婦入場!」

屋内で準備を済ませた僕と七咲、それに梅原と森島先輩が入場し、所定の位置につく。
ちなみに席順はこんな感じだ。

塚原「では、新郎新婦の紹介をいたします」
塚原「新郎の橘しゅう君は私と同じ輝日東高校出身の後輩です。学年は1つ下です」
塚原「彼はちょっと変わったところがあるおかしな子だけれども……」
塚原「新婦を誰よりも大切に思っているということはこの私でもよくわかります」
塚原「続いて新婦の七咲逢さんも私と同じ輝日東高校出身の後輩です。学年は2つ下です」
塚原「彼女とは水泳部で一緒でした。私がまだ水泳部の部長を務めていた頃……」
塚原「私の引退が先か、それとも私が彼女に追い抜かれるのか先かとよく焦ったものです」
塚原「私は水泳を辞めて医学部に進学することを決めましたが……」
塚原「彼女は体育大学に進学し、今でも水泳を続けています」
塚原「その一生懸命さを、私は見習いたいと思います」
塚原「彼女が水泳を続けることを選んだ理由は新郎・橘しゅう君の助言だったそうです」
塚原「彼が彼女を生涯支え続けることを約束した……だから彼女は水泳を続けることができたんです」
塚原「そしてそんな彼が不慮の事故で記憶喪失になった時……」
塚原「彼女はその身がボロボロになっても一生懸命彼を支え続けました」
塚原「新郎新婦はお互いに支え合い、今こうして結婚という形に至りました」
塚原「……以上、新郎新婦の紹介をいたしました」
会場からは拍手、時々笑い声が湧き上がった。
中には涙を流す人の姿も。

塚原「続きまして、誓約と証人の儀を行います」
塚原「橘しゅうさん……あなたは七咲逢さんを妻とすることを誓いますか?」
橘「はい。誓います」
塚原「……」
塚原「七咲逢さん……あなたは橘しゅうさんを夫とすることを誓いますか?」
七咲「はい。誓います」
塚原「……」
塚原「みなさまには御異議はございませんか?」
参列者「……」
塚原「……」
塚原「では、ご列席のみなさまを証人にお願いしまして、お二人に『婚姻届』にご署名願います」

塚原先輩が僕の前に婚姻届を差し出す。
橘(こ……これが婚姻届か。当たり前だけど、初めて見た!)
橘(これを書けば、僕は……七咲と……)
緊張の余り、思わずペンを持った手が震えてしまった。
不安になって塚原先輩の顔を見上げる。
塚原「……」
塚原先輩がゆっくりと首を縦に振った。書いていいんだよ、という合図だ。
僕は恐る恐る自分の名前を書いた。『橘しゅう』

続いて、塚原先輩が七咲の前に婚姻届を差し出す。
七咲「……」
やはり、彼女も緊張しているようだ。ペンを持った手が震えている。
僕と七咲は前々からどこか似ているような気がしてたけど……
まさかこんなところまでそっくりだったとはな……。
彼女も不安になって塚原先輩の顔を見上げる。
塚原「……」
塚原先輩が同様にゆっくりと首を縦に振った。書いていいんだよ、という合図だ。
彼女も恐る恐る自分の名前を書いた。『七咲逢』

二人が署名し終わると、塚原先輩が婚姻届を回収し……
列席者の方に向けて披露した。

塚原「誓いの……言葉」
塚原「新郎・しゅう君、新婦・逢さん。誓いの言葉を朗読してください」
しゅう(まずい……緊張してきた!!)
ポン。
しゅう(えっ?)
右隣に座っている媒酌人の梅原がそっと僕の肩を叩いた。
しゅう(あ、ああ。頑張るよ!)
しゅう「……」
逢「……」
二人で顔を見合わせ、読み始めるタイミングを確認した。
しゅう・逢「誓いの言葉」
しゅう・逢「本日私たちはご列席の皆様の前で夫婦になることを宣言いたします」
しゅう「私しゅうは逢を妻とし生涯変わることなく愛し、守り、幸せにすることをここに誓います」
逢「私逢はしゅうを夫とし生涯変わることなく愛し、支え、幸せにすることをここに誓います」
しゅう・逢「私たちはこれからふたりで力を合わせてどんな苦難も乗り越えて……」
しゅう・逢「温かく幸せな家庭を築いていくことを誓います」
しゅう・逢「200X年6月○○日」
しゅう「新郎・しゅう」
逢「新婦・逢」
塚原「……」
塚原「では、指輪を交換してください」
しゅう「……」
逢「……」
僕と逢は立ち上がり、お互いの顔を見合わせる……緊張する。
逢がそっと左手を差し出してくる……僕はそれを左手で受け止める。
逢「あ……」
お互いの手が触れた瞬間、逢の顔がちょっと赤くなった。
僕は右手で逢の左手の薬指に指輪を通した……うまくいった、完璧だ。
次に逢が左手を下ろし、代わりに僕が逢にそっと左手を差し出す。
逢がそれを左手で受け止めて同様に右手で僕の左手の薬指に指輪を通した。
そして僕がそっと左手を下ろすと……
梅原「次に……誓いの……キス!!」
塚原「えっ?」
森島「わぉ!」
会場が一瞬ざわつく……当たり前だ!
本来の予定では誓いのキスはないはずなんだ……梅原がここで勝手に付け加えた!!
塚原「ちょっと梅原君!何のつもり?」
梅原「いいじゃないっすか!結婚式といえばキスが定番です!」
塚原「あ、あのねぇ……キリスト教じゃないんだから!」
しゅう(おいおい、梅原!!)
逢「……」
梅原「さあさあ!早く早く!!」
森島「むむむ……二人は一体どうするのかしらねぇ……」
塚原「はるか!」
しゅう(今までだって何度もキスして来たんだ!!)
しゅう(ここでできなきゃ……男じゃない!!)
逢「えっ……」
僕は高校3年生の創設祭……
ベストカップルコンテスト同様……
いきなり逢に迫り、そのまま……
しゅう(僕は……逢のことが大好きなんだ!!)
しゅう「んん……」
逢「んん……」
梅原「あ……あ」
梅原「まさか本当にやるとは!?」
塚原「えっ?冗談のつもりだったの?」
梅原と塚原先輩が小声で話す。
森島「わぉ……オーキードーキー!!」
しゅう「……」
逢「……」
しゅう「あ……いきなり……ごめん」
逢「いえ……いいんです」
塚原「う…うんっ!!」
塚原先輩が軽く咳払いする。
塚原「では、祝杯」
塚原「お二人のご結婚を祝して、乾杯をお願いします」
梅原「よし、きた!!全員、起立!!」
会場の全員が立ち上がる。
梅原「二人ともおめでとう!!」
森島「かんぱーーーーーーーーーーい!!」
参列者「かんぱーーーーーーーーーーい!!」
チャリーン、カチャン。

そして、そのまま披露宴へと突入する。
しゅう「おい、梅原!!さっきはよくも!!」
逢「私びっくりしましたよ。何で突然?」
梅原「悪く思うな。俺からのビッグサプライズだ!!」
塚原「あのねぇ……梅原君。勝手に付け加えないでくれる?」
梅原「反省してます……でも俺は悪くねぇ!!」
塚原「はぁ」
しゅう「それにしても……屋外って意外と暑いんだな」
しゅう「しかもこんな暑い格好だからなおさら……」
逢「先輩はまだマシです。私なんかウエディングドレスなのでもっと暑いです!」
逢「それに参列者の方々も暑い格好してますし」
しゅう「それもそっか」
逢「だいたい、何でわざわざ屋外を選んだんです?」
逢「しかもこんなに暑い日に……」
しゅう「天気は僕のせいじゃないよ」
逢「でも屋外を選んだのは先輩のせいですよね」
しゅう「うっ」
逢「はぁ」
しゅう(逢が少しガッカリしている。ここで何か気を利かせた一言を言わないと!!)
しゅう「……なぁ、逢」
逢「はい、何ですか?」
しゅう「ウェディングドレスってさぁ……白くてきれいだよな」
逢「あ、はい……そうですね」
しゅう「白はとても眩しく光輝く色……」
しゅう「それに白い太陽光が当たればもっときれいに輝いて見えるじゃないか」
逢「……」
しゅう「この快晴の空の下で挙式すれば……」
しゅう「白いウェディングドレスはさらに輝きを増して、着ている人を輝かせてくれる」
しゅう「一生に一度しかない結婚式……だから僕は逢に精一杯輝いてほしい!別嬪さんでいてほしい」
逢「先輩……」
しゅう「輝いてる逢こそ僕の自慢の嫁だからな」
逢「先輩!」
僕に抱きつく逢……
参列者たちの視線を釘付けにするが、そんなことお構いなしだ!!
しゅう「逢……今まで何もしてやれなくてごめんな」
逢「そんなことないです!」
しゅう「大学に入学して早々帰省したあのゴールデンウィーク……」
しゅう「逢の家であの話を聞いた時から何かしてやれないかとずっと思ってた」
しゅう「ずっと、自分の自由を犠牲にし、家族のために懸命に頑張り続けた逢……」
しゅう「そう、輝くことを忘れていた逢に……精一杯輝いてもらいたかったんだ!!」
しゅう「今日、この結婚式という最高の舞台で今までにないくらい最高の輝きを放ってほしかったんだ!!」
しゅう「だからわざわざ屋外を選んだんだよ。暑いとわかっていながら」
しゅう「でも、それはすべて逢のためなんだ」
逢「先輩……クスッ」
逢「私のためにここまでしてくれるしゅう先輩こそ私の自慢のお婿さんです」
しゅう「逢……ありがとう」
逢「いえ、私の方こそありがとうございます」
当然ながら参列者たちはポカーンとしている。
中にはマジ泣きする人も……
しゅう「……」
逢「……」
しゅう「あ、でもよく考えたら……」
逢「はい」
しゅう「日焼けしたら逆に黒くなって輝けないじゃないか。僕としたことが!」
逢「そう……ですね。先輩、ちゃんとよくそこまで考えてください!」
しゅう「……ごめん」
逢「冗談ですよ、クスッ。日焼け止めをすでに塗ってあるので、何も問題ありません」
しゅう「う……逢は相変わらず意地が悪いなぁ。何だかしてやられた気分だ」
逢「先輩?今の……駄洒落ですか?私の名前を使うなんて……」
しゅう「違うよ!真面目な話だって!」
逢「そういうことにしておきますっ」
しゅう「逢の意地悪!!」
美也「でも、日焼けはしないけどさ~」
しゅう「うわあ、美也!お前いつの間に!?聞いてたのか??」
美也「お兄ちゃんこそ、こんな大声で話してるから丸聞こえだよ?」
しゅう「あ……」
僕は周囲を見渡した……みんな聞いてる!?
さっきまで会話に夢中で気付かなかった。
美也「日焼けはしないけどさ、汗で逢ちゃんのメイク、ちょっと崩れてるよ?」
しゅう「あ……」
逢「えっ?」
美也「あ~あ、せっかくの別嬪さんがぁ~」
美也「お兄ちゃん、肝心なところで気が利かないんだから!」
しゅう「う、うるさい!!」
塚原「七咲、メイク直しに行くわよ」
森島「私も手伝う!!」
逢「あ、はい」
しゅう「くそう……どうしてそのことに気付かなかったんだ……」
松原「でも、よく言ったな!普通あんなこと人前じゃ恥ずかしくて言えないって!」
しゅう「まっちゃん……」
華村「お前、やっぱすごいよ」
しゅう「華村……」
梅原「よぉよぉ!この色男さん!!」
しゅう「う、梅原!」
梅原「あの中学時代のクリスマスから確実に進歩したな」
梅原「はぁ、俺も頑張らないとな」
しゅう「うん。梅原もいいお嫁さん見つけろよ」
しゅう「まっちゃんも華村も」
梅原「大将!!」
松原・華村「しゅうちゃん……」

その後、逢はメイク直しを終えて戻って来た。
時間が経つにつれてだんだん暑さが和らぎ……
披露宴は和やかな雰囲気で無事終わった。

続いて二次会が別会場で行われ、それも終え……
僕と逢は新しい家に二人っきりで帰って来た。
学生時代に同棲していたアパートからすでに引越していた。


しゅう「ただいま」
逢「ただいま」
しゅう「ここが……僕たち夫婦にとっての新たな出発点となるのか」
しゅう「何だか緊張するなぁ」
逢「はい。私も緊張します」
逢「でも、よく考えてみれば……私たちはすでに4年間同棲してたわけですよね?」
しゅう「うん」
逢「その延長線上って考えれば、案外緊張しないんじゃ……」
しゅう「いや、延長線上なんかじゃない。やっぱり、これは新たなスタートなんだ」
しゅう「今までは恋人同士という関係で同棲していた」
しゅう「そしてこれからは……夫婦だ!」
逢「はい、そうなりますね」
しゅう「さらに……僕は今までとは違う。だって……僕は……」
しゅう「七咲しゅうなんだから!!」
逢「……はい」
しゅう「僕は今まで通り橘家の人間として生きるよりも……」
しゅう「七咲家の婿養子となり、七咲家を支えていきたい!」
しゅう「だって僕と逢は逢の両親と生き方が似てるしな!」
逢「ええ。本当に何から何まで私たちは似た者同士です。クスッ」
しゅう「七咲しゅう……うん、いい響きだと思う」
しゅう「これから僕は七咲しゅうとして精一杯生きていく……」
しゅう「逢……これからもずっと……一生、よろしくな!」
逢「はい……あ……」

僕はそっと逢にキスをした……誓いのキスを……改めて……ね。
これからもずっと、ずーーーーーっと、大好きだよ、逢!




七咲アフターストーリー
エピローグ「先輩、結婚しましょう」
END

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