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2010-07-05

第22話「先輩、一緒に輝日東に帰りましょう」

夕方
新居・居間
七咲「ただいま。さぁ、先輩に美也ちゃん。どうぞ」
橘「お、お邪魔します」
美也「お邪魔しまーす。へぇ、広いんだねぇ」
七咲「覚えていないかもしれませんが、ここが先輩と私の家です」
橘「え?二人暮らし?君と?どうして?」
七咲「え?どうしてと言われましても……うーん」
美也「正直に話した方がいいんじゃない?」
七咲「そうだよね。うん。わかった」
美也「お兄ちゃん、とりあえずここ自分の家なんだから、もっとくつろげば?」
橘「え?くつろいで……いいの?」
美也「いいの!ほら座る!」
橘「あ……うん」
何が何だかわけがわからないけど……
とりあえず、ここは僕と七咲の家らしいので……
とりあえず、まずはくつろぐことにした。
七咲「それで……あの……先輩」
橘「あ……うん」
七咲「落ち着いて、聞いてください」
橘「……うん」
橘(怖いな。何を言われるんだろう?)
七咲「実は……先輩と私は恋人同士なんです」
橘「ええっ?嘘だろ?」
七咲「本当なんです」
橘「……信じられない」
美也「お兄ちゃん、これ見て」
橘「アルバム?……あ、ここにいるのって?」
七咲「はい。先輩と私です」
橘「これはいつの写真なんだ?」
七咲「2年前の輝日東高校のベストカップルコンテストです」
橘「ベストカップルコンテスト?何それ?」
七咲「輝日東高校では毎年クリスマスイヴに創設祭が開祭されます」
七咲「その創設祭にはベストカップルコンテストという企画があります」
美也「当時3年生だったお兄ちゃんと2年生だった逢ちゃんが一緒に出て優勝したんだよ?」
橘「そうなのか?」
美也「みゃーはその場にはいなかったけど……後でウメちゃんに聞いたんだ」
橘「ウメちゃん?」
美也「梅原正吉。通称ウメちゃん」
七咲「本人は嫌がっているみたいですが……美也ちゃんはそう呼んでいます」
橘「なるほど」
美也「相当恥ずかしいことしたんだよ、お兄ちゃん」

回想
第8話「先輩、今日は創設祭ですね」より
橘「待ってくれ!」
七咲「えっ?」
観客「おお?」
タタタ…ガバッ。
七咲「えっ??」
橘「僕は…七咲のすべてが好きだー!!」
橘「七咲のことが…大好きなんだーーーーーーーー!!」

橘はステージ上で七咲を思いっきり抱きしめてそう叫んだ!!
七咲「………」
観客「………」
アナウンス「………」
塚原「ふっ。彼やるわね」
森島「わぉ…大胆ね」
その場にいた塚原先輩以外のすべての人が唖然とする…
観客「ブラボー!!」
アナウンス「…!!す、素晴らしい!まさかの…大胆不敵な公然告白です!!」
橘「……」
観客からは歓声が湧き上がる!!
橘「よかった…」
七咲「よかったじゃありません!先輩、恥ずかしいです…」
そう言いながら七咲も僕の肩に手を回してくる。
観客「お!抱き合ったぞ!!いいぞ、もっとやれ!!」
観客「ちくしょう!羨ましいぜ!!」
観客「彼かっこいい!!」
塚原「七咲の好きなところを聞かれて、緊張のあまり何も言えず…」
塚原「やむを得ず、思い切った行動に出た…ってところかしら」
塚原「彼ならやると思ったわ」
森島「ひびき冷静すぎるわ!絶対おかしいって!」
橘「七咲…」
七咲「橘先輩…」

橘「えっ……お、覚えてない」
美也「ええっ?よくもあんな恥ずかしいことをそう簡単に忘れられたね」
美也「みゃーだったら記憶を失ってもこればかりは衝撃的過ぎて覚えていそうだけど」
七咲「美也ちゃん……無理もないよ」
七咲「だって先輩は恥ずかしいことを平気で人前でできる変な人だから」
美也「……そだね。そういえばそんなお兄ちゃんだった。はぁ」
橘「僕が変な人?何のことだかさっぱり」
美也「とにかく!これで本当だってわかったよね?」
橘「……何が?」
美也「ええっ、もう忘れたの?あきれた」
美也「お兄ちゃんと逢ちゃんが恋人同士だってこと」
橘「あ、ああ。何となくだけど、わかった」
七咲「それで、話を先に進めます」
橘「うん」
第11~13話より
七咲「えっと、それから去年のゴールデンウィークの話になりますが……」
七咲「先輩と私は同棲してお互いに近い大学に通いたいということになって……」
七咲「私の両親に直々に許可を得るために、先輩が私の家に来ました」
橘「……」
美也「そ、そうだったの!?」
七咲「え?美也ちゃん、先輩から聞いてなかったの?」
美也「だって、お兄ちゃん意地悪で教えてくれなかったもん」
美也(突然気絶させられてお寿司をごちそうになっているうちにすっかり忘れてた)
美也(そういう真面目な理由なら正直に言ってくれればよかったのに。バカにぃに)
七咲「そして両親の許可を得て、晴れて同棲することになりました」
橘「なるほど。そうだったのか」
七咲「こんな感じの説明でわかりましたか?それとももうちょっと……」
橘「ううん。だいたいわかった。でも、やっぱり思い出せない」
七咲「いえ。焦って思い出そうとしなくてもいいです。まだこれからですから」
美也「ああ……みゃーお腹空いた。逢ちゃん、そろそろご飯にしようよ」
七咲「わかった。じゃあ、先輩の大好きなカレーを作るね」
美也「あ、カレーならみゃーも手伝う!」
橘「?」
七咲「いいよ、美也ちゃん。私一人で十分だから」
美也「でも、逢ちゃん今日は色々あって疲れてるでしょ?みゃーも手伝うから」
七咲「じゃあ、お言葉に甘え……」
橘「だめ!!お前は手伝うな!!」
美也「え?」
七咲「先輩?」
橘「あ……いや。何故か今そう思った。理由はよくわからないけど」
美也「さてはみゃーが料理下手とか言いたいんでしょ?馬鹿にしないでよ!!」
美也「みゃーだってカレーくらいはおいしく作れるんだから!」
橘「……ごめん」
七咲「……」



美也「お待たせ~」
七咲「お待たせ……しました」
橘「ああ」
美也「あれ?逢ちゃんさっきよりも余計に疲れてない?大丈夫?」
七咲「う、うん。大丈夫」
七咲「……まったく、誰のせいで疲れたのか」
美也「ん?今何か言った?」
七咲「あ……ううん。何でもない」
橘「いただきます」
美也「いっただっきまーす。……おいしい!さっすが、みゃーと逢ちゃんなのだ!にししし」
七咲「……」
七咲(はぁ。いつもの倍疲れた)
七咲(美也ちゃんたら料理の基本すらなっていなくて……)
七咲(美也ちゃんの無謀を止めるのに必死だった……)
七咲(やっぱりさっきの先輩の態度……もしかしたら何か覚えている?)
七咲(美也ちゃんが料理が下手だってことを覚えていて咄嗟に出た行動?)
美也「どうしたの?逢ちゃん顔色悪そうだけど?食べないの?」
七咲「あ、ううん。いただきます」
橘「ん?」
橘(これはきっとカレー作ってる最中に何かあったんじゃ?)
七咲「先輩。どうです?おいしいですか?」
橘「うん。どこかで食べたことのあるような味がする。よくわからないけど」
七咲「そうですか」
美也「……」

カレーを食べ終わって、僕が風呂に入っている間……
七咲と美也は二人で夕飯の後片付けをしている。
七咲「……」
美也「……ねぇ、逢ちゃん」
七咲「ん?どうしたの、美也ちゃん」
美也「もしかして……怒ってる?」
七咲「え?」
美也「だって、カレー作ってる時くらいから逢ちゃんずっと顔色悪そうだから」
美也「もしかしたら、それみゃーのせいなのかな?」
七咲「……」
美也「実は料理上手じゃないのに無理やり手伝って、余計逢ちゃんに負担をかけたから」
七咲「そんなことない!」
美也「嘘!!絶対にみゃーのせいだよ。みゃーが……みゃーがいけないんだ」
七咲「……」
美也「病院を出る時、逢ちゃんが言ってくれたこと、すごく嬉しかった」

回想
第21話「先輩、これから一緒に頑張りましょう」より
七咲「ねぇ、美也ちゃん。ちょっといい?」
美也「どうしたの、逢ちゃん」
七咲「お願いがあるんだけど。あのね」
七咲「いきなり先輩と二人っきりだとお互いに気不味いと思う」
七咲「それで。先輩が慣れるまでしばらく美也ちゃんに一緒に住んでもらいたいの」
七咲「お願い」
美也「うん。うん。わかったのだ!」
七咲「ありがとう」

美也「あの時、みゃーも二人の力になれるって思ってすごい嬉しかった」
美也「だけど、来て早々、力になるどころか余計迷惑かけた……」
七咲「迷惑だなんて……そんな」
美也「今夜はもう遅いからここに泊まって行くけど、明日になったら輝日東に帰るね」
七咲「明日だなんて!もっとそばにいてほしいのに」
美也「ありがとう。でも、みゃーがいない方がお兄ちゃんも思い出しやすいと思うよ」
橘「二人とも、おふ……」
美也「だって、みゃーは……二人にとって邪魔だから」
七咲「!!」
橘「ん?」
僕はその場に足を止め、遠くから二人の様子を伺う。
美也「悔しいけど、私は逢ちゃんには何一つ勝てないよ」
美也「だから力になるどころか、足手まといにしかなれない」
七咲「美也ちゃん……」
美也「それにさ。今浪人生だから帰って真面目に勉強しないと」
美也「というわけで、美也は明日の朝、輝日東に帰ります」
美也「今日はありがとう、逢ちゃん」
七咲「……」
七咲は今にも泣き出しそうな顔をしている。
美也「泣かないで。せめて最後くらい笑顔で。ね」
七咲「美也ちゃん!」
二人は抱き合う。
そこには深い、深い友情が確かにあった。
でも、何故だろうか、二人の間に少しだけ距離ができた気がする。
橘「……」
美也「さてと。片付けも終わったことだし、みゃーはさっさとお風呂に入って来るね」
七咲「……」

その夜
ベッドが2つしかないので、美也は七咲のベッドで一緒に寝ることになった。
七咲の寝室
七咲「……」
美也「……」
七咲「ねぇ、美也ちゃん。起きてる?」
美也「……」
美也は狸寝入りしている。
七咲「寝ちゃった……のかな。はぁ」
美也「……」
七咲(美也ちゃんが、まさかあんなことを言うなんて)
七咲(先輩のことも美也ちゃんのことも、すべて私のせい)
七咲(本当に何やってるんだろう、私は)
美也(ちょっと……きつく言い過ぎたのかな?)
美也(逢ちゃん、落ち込んでいなければいいけど)
美也(はぁ。気不味い。このまま何も話さずに輝日東に帰りたい)
美也(早く、朝が来てほしい)

橘しゅうの寝室
橘(あの二人……夕飯前はあんなに仲良かったのに、どうしてだよ?)
橘(どうして突然気不味い雰囲気になってるんだよ?)
橘(元はと言えば、その原因を作ったのは僕なんだ!)
橘(僕のせいで二人を仲違いさせてしまったんだ!)
橘(うう……何だか頭が痛くなってきた。眠れない)
橘(それに喉も渇いた。ちょっと台所に行こう)

居間
橘(ん?さっきのアルバムか。出しっ放しじゃないか)
橘(ちょっと見て行こう)

そこにはコンテストで優勝を決めて喜ぶ僕と七咲の姿があった。
別の写真には塚原先輩や森島先輩、それに見たこともない人たちが写っている。
この、七咲が着ている衣装、結構可愛くて似合ってるじゃないか。
どうして僕は覚えていないんだ!?
どうしてこの写真の二人はこんなにも嬉しそうな顔をしているんだ!?
この頃に戻りたい……。
早く記憶を取り戻したい……。
いけない。
こんな暗いことばかり考えていたら、さっきよりも頭痛がひどくなってきたみたいだ。
もしかしたら、僕はちょっとだけ思い出しかけているのかもしれない。
でも、頑張って思い出そうとすると頭痛がそれを邪魔する。
もしかしたら、思い出しちゃいけないのかな?
そのくらい、怖い記憶だって言うのか?

とりあえず、早く台所で水を飲んで寝室に戻ろう。


翌朝
新居・居間
美也「逢ちゃん、おはよ……」
七咲「美也ちゃん、おはよう」
橘(やっぱりこの二人の間にはまだ少し距離があるみたいだ……)
美也「……」
七咲「……」
橘(二人は一言も言葉を交わすことなく朝飯を食べている)
橘「あ、あの……」
美也「お兄ちゃん、どしたの?」
七咲「先輩、どうかしましたか?」
橘「あ、いや。何でもない」
橘(僕には……二人に返す言葉が見つからない)
美也「じゃあ、そろそろみゃーは行くね」
橘「どこに?」
美也「輝日東に……帰るんだよ」
橘「どうしてそんな急に!?」
美也「だって、私がいない方がお兄ちゃんは記憶を取り戻しやすいから」
橘「そんなこと……あるものか!?」
美也「……」
七咲「先輩……」
橘「だいたい何なんだよ、二人とも」
橘「昨日の夕飯前はあんなに仲良かったのに……」
橘「今じゃあいさつ以外に言葉を交わさなくなった」
橘「僕の……せいなんだな?」
美也「違う!」
橘「僕がこんなことにならなければ二人はずっと仲良くいられたはずなんだ」
橘「すべて……僕の……」
七咲「それは違います!だって……」
ピンポーン。
橘「あ……松原たちが来たみたいだ。じゃ、僕は行くね」
美也「行ってらっしゃい……」
七咲「行ってらっしゃい……」
僕は少し後ろめたさを感じながらも家を出た。
美也「お兄ちゃん……」
七咲「……」

橘しゅうの大学
松原「ほら、ここが俺らの大学だ」
華村「1限は必修科目だ。教室は5階」
橘「……」
松原「ちょっとまだ時間あるし、キャンパス内をぐるぐる回ろうか」
橘「うん」

華村「……んでな、法学の講師がゴリラに似てるから、お前がゴリラってあだ名付けたんだぜ」
橘「……」
松原「そうそう。ここが学食で、ここのラーメンはマジでうまいんだぜ!」
華村「自販機も結構色んな種類の飲み物が売られていて……おい?どうした?」
橘「……」
松原「もしかして……七咲との間に何かあったんだろ?」
橘「……」
華村「そうなのか!?俺らも力になりたい。聞かせてくれ」
橘「実は……」

松原「そっか。美也ちゃんは料理が下手……メモメモ」
華村「おい……まだあいつ狙ってんのか?いい加減諦めろ」
松原「ええっ?……って!話題が違うって」
松原「どうやって仲直りさせればいいんだろうな」
華村「直接言ったんじゃ余計傷つけるだけだしな」
橘「だから難しいんだ。僕の記憶さえ戻れば……」
松原「でもさ、しゅうちゃんも七咲も悪くないと思うぞ」
橘「えっ?」
松原「単に妹が料理が下手だったってことが原因なんだろ?」
松原「七咲はお前の妹を傷つけたくなくて嘘をついてまでかばおうとした」
松原「でも、妹にはバレバレで、妹は責任を感じて身を引くことにした……」
松原「そんな妹を哀れに思った七咲。だからお互いに気不味い雰囲気になったんじゃないか?」
橘「そうかもな。でも、どうすればいいんだ!?」
華村「そうだなぁ……料理さえ上手くなればな……」
橘「料理だけじゃない。あらゆる面で美也は七咲に劣っているらしい」
橘「本人がそう言ってたんだ。だからそう簡単には」
華村「じゃあ、しょうがないからほとぼりが冷めるのを待つか」
松原「その間に美也ちゃんが努力してくれれば丸く収まるんだが」
橘「うーん」
松原「って!やべ!あと5分だ。急ぐぞ」
華村「おう!」
橘「うん」


その夜
橘しゅうの寝室
美也が帰って僕と七咲はまた二人っきりになった。
でも、昨日のことが原因でお互いに気不味くて、ほとんど口を利かずに夜を迎えた。
橘「ほとぼりが冷めるのを待つ……か」
僕は何故だかわからないけど、それではだめな気がした。
よく時間がすべてを解決してくれるって言うけど……
そんなのは嘘だ!!
二人を再び直接逢わせて仲直りさせないと!!
だけど……大学が……くそっ。
うう……また頭痛が……
早く、眠ろう。

橘「う……うう……く、苦しい」
橘「誰なんだ、キミたちは!?」
僕は悪夢を見てうなされている。
僕の夢には……
黒髪ロングで頭が良さそうな女の子、ちょっとぽっちゃりした女の子とその友達……
髪の毛がもじゃもじゃした女の子とその友達の女の子などなど……
見たことはあるけど誰だかわからない女の子たちが登場して彼女たちが頻りに僕の名前を呼んでいる。
でも、僕は彼女たちが誰だったのか思い出せなくて……すごく苦しい。
七咲「先輩。先輩!」
橘「あ……七咲か」
僕は七咲の呼びかけで悪夢から現実に帰って来た。
七咲「大丈夫ですか?今、うなされていましたよね?」
七咲「私の部屋にも先輩のうめき声が聞こえてきました」
橘「う、うん。大丈夫。……ちょっと怖い夢を見たんだ」
橘「誰だかわからない、でも見たことはあるような女の子たちが……」
橘「僕の名前を呼んでて、思い出せなくて怖くて……」
七咲「先輩。もし、ご迷惑でなければ、先輩が寝付けるまで私がそばにいます」
橘「え?」
七咲「いい……ですか?」
橘「……」
七咲「……」
橘「うん。そうしてもらえるとありがたい」
七咲「はい。では、私はここにいますから、安心してお休みください」
橘「ありがとう」
(イメージソング=ゆかな「そばにいてあげる」
その後、七咲のおかげかぐっすり眠ることができた。
起きたらいつの間にか七咲はいなくなっていた。
たぶん僕が眠ったのを確認して自分の寝室に戻ったのだろう。


翌朝
橘「おはよう」
七咲「おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」
橘「うん。おかげさまで」
七咲「そうですか。ならよかったです」
橘「……」
七咲「今日はパンでいいですね?焼いて来ますね。あ……」
フラッ。
七咲が一瞬よろめいた。
橘「危ない!」
ガシッ。
僕は無我夢中で、倒れそうになった七咲に駆け寄って行き、後ろから七咲の両肩を支えた。
七咲「あ……」
橘「だ、大丈夫?寝不足じゃない?無理しない方が……」
七咲「あ、いえ。大丈夫です」
橘(きっとまた僕のせいなんだ。僕なんかのために七咲は寝不足だったんだろう。くそぅ)
七咲「それよりも早く食べないと遅刻しますよ」
橘「あ、うん」

橘しゅうの大学
松原「おい?それマジかよ?やべぇじゃん」
橘「そうなんだ。何か、眠ろうとすると悪夢に襲われるんだ」
橘「そんな僕を心配して、僕が寝付けるまで七咲は僕のそばにいるんだ」
華村「で。そのせいであいつは寝不足なんだな?」
橘「うん」
松原「……やっぱりさ、大学なんかサボって、さっさと帰省した方がいいんじゃねぇ?」
松原「じゃないとお前も七咲も毎晩寝不足できつくなるぞ?」
華村「そうだそうだ。早く記憶取り戻せよ。大学の講義のことは俺らが引き受けるから」
橘「でも……」
松原「それにさ。お前と七咲のためだけじゃない」
松原「七咲と美也ちゃんを早く仲直りさせた方がいいんじゃねぇ?」
橘「う……それもあるか」
橘「わかった。今夜相談してみる」

その夜
橘しゅうの寝室
しかし、結局七咲に相談する勇気が湧かなかった。
事態は平行線を辿る一方かと思われたが……
橘「う……うう……」
まただ!また僕は悪夢に襲われている。
七咲「先輩……」

もう、限界かもしれない。
このままでは先輩も私も生命がいくつあっても足りない。
早く先輩の記憶を元に戻さないと!!
早く輝日東に帰らないと!!
大学の講義と愛する人……私は一体どっちが大事なの!?
考えるまでもない。……決めた!私は決めた!
大学の講義はしばらくサボって輝日東に帰る。
大事な大事な橘先輩のために。
先輩とともに、思い出の場所へ、私は帰る。

先輩、行きましょう!
一緒に輝日東に帰りましょう!




第23話に続く。

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