--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2010-06-29

第19話「先輩、海に行きましょう」

七咲との同棲を始めてから約4ヶ月経った。季節は夏。
ちなみにゴールデンウィークはちゃんと帰省して……
高橋先生及び七咲のご両親に近況報告をした。
今年の夏休みは僕も七咲も色々予定があって帰れそうもなかったので……
ゴールデンウィークでしっかりと近況報告をしておいた。
で、話を戻すと……
天気予報によると、今週の日曜日は真夏日になるという。
そんな蒸し暑い日が続く8月のある日……

新居
橘「ただいまー。あー暑かった。アイス買って来たよ」
七咲「おかえりなさい。ご苦労様です」
橘「帰りに溶けるといけないから氷をたくさん入れて来たよ」
七咲「……大丈夫みたいですね。今のところ溶けていません」
橘「うん……?」
七咲「どうかしました?私の顔に……何かついてますか?」
橘「ぶっ……」
七咲「せ、先輩!?大丈夫ですか?い、今ティッシュ持って来ます!!」
橘(七咲……何ていう格好をしてるんだ??)
橘(暑いからって水色のノースリーブでしかも鎖骨が見える薄着か!?)
橘(かがめばかなり際どい所まで見えるぞ!?)
橘(そりゃ……鼻血だって出るよな。出ない方が無理だし)
七咲「先輩、どうぞ」
橘「ありがとう」
橘(よし、ここは一つ作戦だ)
橘「うっ、口に血が流れてる!何か吐き出せるものを持って来て!」
七咲「わかりました」

七咲「スーパーの袋でよければ!」
橘「ありがとう。ついでに両手がふさがってるから、袋を固定してて」
七咲「はい」
橘「ああ、違う。もっと下」
七咲「こうですか?」
橘「惜しい!もっと下だよ」
七咲「ここですか?」
橘(くそう!七咲の胸元、見えそうで見えない)
橘「もっと下!!」
七咲「はい。……ん?」
橘「どうした?」
七咲「先輩、さっきからどうして上向いているんです?」
橘「え?」
七咲「普通、口の中の血の塊を吐き出したいなら下を向きますよね」
七咲「なのに先輩は前かがみになりながらずっと上を向いていた」
七咲「どういうつもりです?まさかとは思いますけど?」
橘「い、いや。別にそんなことはないよ」
七咲「……」
橘「嫌だなぁ。僕としたことが向きを間違えるなんて」
橘「この馬鹿みたいな暑さで頭がおかしくなったんだな。ははは」
七咲「まったく。本当にえっちな先輩ですね」
七咲「罰として今日の先輩のお昼ご飯は抜きです」
橘「そんなぁ……僕は何も悪いことをしていない」
七咲「いいえ。お昼、ご飯は抜きです。そうめんなので」
橘「そんなぁ……え?そうめん??やった!!」
七咲「じゃあ、先輩の鼻血も止まったみたいなので、早速茹でますね」
橘「うん。よろしく。あ……アイス仕舞っておかないと。溶けちゃう」



ズルズル……
ズルズル……
橘「ああ……。生き返る!!やっぱ夏は冷たいそうめんに限るよな」
七咲「はい。特にこの部屋みたいにエアコンがない環境だと余計にありがたみを感じます」
橘「エアコンって高いからな。節約のために扇風機を使うしかないんだ」
橘「僕がもっと頑張って大金持ちになれば話は別だけど」
七咲「いえ。私はこれで十分ですよ。暑いのも寒いのも部活で慣れてますし」
七咲「それに先輩が無理して怪我でもしたら洒落になりません」
橘「もうその話はいいって!もっと明るい話しよう」
橘「そうだな……例えば……」
TV「天気予報です。今週は全国的に晴れの陽気となるでしょう」
TV「特に日曜日は高気圧が日本の上空に位置するため、真夏日となるでしょう」
TV「お洗濯物がよく乾き、海沿いの地域では海水浴がおすすめです」
TV「以上。天気予報でした」
橘「海水浴……これだ!!」
橘「なぁ、今週の日曜日に何か予定ある?」
七咲「いえ。特には」
橘「じゃあ、海水浴にでも行かない?」
七咲「海水浴ですか!?……別にいいですけど」
橘「やったぁ!!」
七咲「まさか……先輩、やましいことは何もないですよね?」
橘「や、やましいこと!?何それ?」
橘(やましいこと……例えば七咲の水着姿とか?いや、もう何度も見てるし別に)
橘(待てよ。そういえば七咲の競泳以外の水着姿って一度も見たことないぞ)
橘(別にいいって言ってたけど、まさか海で競泳水着を着て泳いだりしないだろうか?)
橘「不安だ……実に不安だ」
七咲「何が不安なんですか?」
橘「え?あ、いや。海に行くのはいいけど、僕が泳げるかなぁって不安で」
七咲「それでしたら私に任せてください。先輩に泳ぎ方の指南をしますので」
橘「そ、それは頼もしい。是非ともご指南いただこう!」
七咲「言っておきますけど、私の指南は厳しいですからね!」
七咲「しっかりと付いてきてくださいね。返事は?」
橘「はい。七咲先生!」
橘(ふぅ。何とか誤魔化せたはいいものの、はたして……)



海水浴の日
海水浴場
橘(さすがに真夏日だけあって今日は海水浴客で混んでるな)
橘(うるさい場所が苦手な七咲を連れ出しちゃったけど、本当によかったのかな?)
橘(そして何よりも不安なのは七咲の水着だ)
橘(まさかの競泳水着だったらどうしよう。その時は僕、帰ろうかな)
橘(神様、お願いします!どうか、七咲に……七咲に……)
七咲「先輩、お待たせしました!」
橘「な、七咲……おおっ……」
七咲「どうですか?似合いますか?」
橘「ぶっ……また鼻血が……」
七咲「だ、大丈夫ですか!?」
橘「う、うん。何とか」
橘(予想だにしなかった!まさかの黒のビキニ!?)
橘(部活で鍛えられた七咲のきれいなボディラインが……)
橘(よりいっそうきれいに見える。黒のビキニが引き立てている!)
七咲「やっぱり私には似合いませんよね。他のをレンタル……」
橘「待って!すごく似合うと思う!!」
七咲「えっ?本当ですか??」
橘「うん」
橘「その水着のおかげで、部活で鍛えられた七咲のきれいなボディラインが……」
橘「よりいっそうきれいに引き立って見えるよ!」
七咲「あ……ありがとう……ございます」
橘「それと……ごめん。僕が悪かった」
七咲「え?」
橘「てっきり七咲はいつも通りの競泳水着で来ると踏んでいたんだ」
橘「そしたらまさかこんなにかわいい水着で来るとは思わなかった」
橘「本当にびっくりしたよ。おかげでまた鼻血が」
七咲「そうですか。やっぱり美也ちゃんに聞いて正解でした!」
橘「え?美也に?」
七咲「はい。この前先輩の部屋を掃除してたら、イケナイ本を見つけてしまって……」
橘「な……何!?」
七咲「美也ちゃんに電話してちょっと愚痴をこぼしました」
橘「美也に……だと?」
橘(あいつ、余計なことしゃべってないだろうな?)
七咲「そしたら『お兄ちゃんはああいう水着が好みなんだよ。』」
七咲「『逢ちゃんが着たらきっと鼻血を出して喜ぶかもね。にししし。』」
七咲「と言われました」
橘「う……」
橘(あいつ余計なことを……)
橘(でも、そのおかげで今日は七咲の黒ビキニを見れたわけだし……)
橘(美也、上出来だぜ!さすがは僕の妹)
七咲「それで、講義終了後、先輩に内緒で水着を買いました」
橘「ああ。体育大学だし、学内にスポーツ用品店あるもんな」
橘「それで……ちなみにさ」
七咲「はい」
橘「そのイケナイ本は……どうなったの?」
七咲「そうですね……翌日のゴミ出しはいつもよりゴミが多くて大変でした」
橘「そ……そっか。ご苦労様でした」
七咲「クスッ」
橘(じゃあ、まさか僕のお気に入りの『ローアングル探偵団』がなくなった原因って!)
橘(七咲には内緒で買ってたから、なくなったとき、どこいったか聞けないでいたんだ)
橘(僕の……夢が……儚く……散った。あ~~~~~)
七咲「そんなことより。先輩、早く海に入りましょう」
七咲「一応日焼け対策はしましたが、ここ暑くて日焼けしそうです」
橘(うう……僕のお気に入りを『そんなこと』……だと?)
橘(まぁ、いい。黒ビキニで許してやろう)
橘「うん。じゃあ、入ろうか」


ザッバーーン
橘「くはぁ……気持ちいい!生き返る!」
七咲「潮の香りが何とも言えませんね!」
橘「この辺は人多いからもっと沖に行かないか?」
七咲「そうですね。あっちはどうでしょう?」
橘「うん。よさそうだね!」
七咲「じゃあ、あっちまで競走しましょうか?」
橘「臨むところだ。現役の水泳部に負けないからな!」
七咲「へぇ。先輩は確か泳げないとか言ってませんでしたっけ?」
橘「う、うるさい!ま、負けないからな!」
七咲「は~」
ザブーーン。
橘「あっ!ずるいぞ!待て!は~」
ザブーーン。

橘(は、速い!追いつけない!!さすが現役の水泳部!!)

七咲「はぁ~。先輩、こっちですよ~!」
橘(ま、待て。やばい、息が苦しい。あともう少し)

七咲「ふふっ。やっぱり私の勝ちでしたね」
橘「はい。負けを認めます。さすがは水泳部様」
七咲「先輩が私に勝とうなんて100年早いですよ」
橘「それは言い過ぎだ。ひどい」
バチャッ。
橘「つ、冷たい!!よくも僕の顔に水をかけたな!しかえしだ!」
バチャッ。
七咲「ふふっ。どこを狙ってるんです?」
橘「外したか」
七咲「では今度は私の番。は~」
ザブーーン。
橘「ど、どこ行った!?」
僕は周りをグルグル見渡す。
七咲「ここです……よっ!」
ザバーーン!
橘「ぐお!」
僕の背後の水面下から、潜水した七咲が飛び出して来て……
僕の背中の上に七咲が負ぶさった。
そして七咲は右手で僕の後頭部を押さえて、そのまま僕の顔を水に漬けた。
橘(く、苦しい……けど、背中にあたる2つの出っ張りの感触は!?)
七咲「どうです?降参しますか?するなら両手をバタバタさせてください」
橘(くそう。息が苦しいから降参したいけど、背中の感触をもっと味わっていたい)
橘(どうする!?どうすればいいんだ、僕は)
橘(だけど、このまま、七咲に乗っかられたまま死ぬのも……)
橘(これはこれでアリなんじゃないのか?むしろ幸せかも)
橘(いや、ダメだろ。ここで死んだら僕は……)
ザバァ……
橘「えっ?」
七咲「まったく。先輩は諦めが悪いのでちっとも降参しませんね」
七咲「しかたないので、私が折れることにします」
七咲「下手したら窒息しかねない場面だったので」
橘「ごめん。つい調子に乗ってしまった。おかげで死なずに済んだよ」
七咲「それはそうと、泳ぎ方の指南はいいんですか?」
橘「うーん。それはまた今度にしようか。もっと遊びたい気もするし」
七咲「では、そうしましょうか」
橘「うん」
グ~~。
橘「あ……」
七咲「クスッ。そういえば、もうそんな時間なんですね」
橘「いったん上がって海の家で昼飯にしよっか」
七咲「そうですね」



七咲と海の家で昼食を取って、また海に戻った。
ちなみに、僕はソース焼きそばを、七咲はカレーを注文した。
おいしかったな。
橘「さてと、また元気よく泳ぐか!」
七咲「はい!」



七咲「先輩、そろそろ引き上げますか?」
橘「ええっと……あの時計だともう4時か。早いなぁ」
橘「今日はもう満足に泳げたし、また今度来よう」
七咲「はい。では私は更衣室に……」
橘「ん?あれ……何だ?」
七咲「先輩?どうかしたんですか?」
橘「ほら、あの沖の方に何か見えるんだけど……僕、視力イマイチだからな」
七咲「えっ?ええっ?あ、あれは!!」
橘「どうしたの、慌てて?」
七咲「先輩、大変です。小さな男の子が沖に流されています!!」
橘「えっ?何だって!?それはやばいじゃないか!?どうするんだ!?」
七咲「私が泳いで行って来ます!先輩はここに待機しててください」
七咲「は~」
ザッブーーン。
橘「お……おーい!七咲!……行っちゃった。にしても速いなぁ」
橘「あ……もう辿り着いた。よし、そのまま連れて来るんだ」

橘「どうした、七咲。あそこから帰って来ないぞ。何かあったんじゃないか?」
橘「うん。そうに違いない。よし、僕も行く!は~」
ザッブーーン。


七咲「んしょ!よいしょ!……ダメだ。ちっとも動かない」
男の子「……」
七咲「まずい。この子、唇が紫色になってる。チアノーゼが出てるんだ」
七咲「このままじゃこの子は死んじゃう!お願い、動いて!」
橘「七咲!どうしたんだ!?」
七咲「あ、先輩。いい所に。この子の足がそこの岩の隙間に挟まって取れないんです」
橘「何だって!?あ……確かに」
七咲「おまけにこの子、呼吸してなくて唇が紫色に」
七咲「早く陸に運んで応急処置しないと生命の保障が!」
橘「わかった。なぁ、七咲」
七咲「はい」
橘「何分くらい潜水できる?」
七咲「1分以上は余裕です」
橘「じゃあ、そっちは任せた。僕がこの子を全力で引き上げる」
橘「だから七咲には足の方を任せた!」
七咲「はい!」
橘「よし。じゃあ、いくぞ!」
七咲「は~」
ザッブーーン。
僕は男の子の顔が上向きになるように、後頭部を僕の胸に乗せて……
両手で男の子の両脇をしっかり押さえて……
そのまま全力で男の子の身体を後ろかつ上に引いた。
一方、七咲は……
七咲(足先が外側を向いている。道理で引っ張っても取れないわけか)
七咲(足先をこう、まっすぐにすれば……)
橘「おっ。やった!抜けたぞ!!」
ザバーーン。
七咲「早く陸へ」


橘「ど、どう?」
七咲「脈は……ある。でも、呼吸がない。こうなったら人工呼吸!」
七咲「でも、その前に。先輩!」
橘「何?」
七咲「この子の保護者を探して来てください」
七咲「きっと近くにいるはずです」
橘「わかった」
七咲「この前の救急救命学の講義が役に立つかどうか、やってみるしかない!」
七咲「まずは、脈と呼吸の確認。よし!」
七咲「次に、自分だけで何とかしようとせずに、人を呼んでもらうこと。よし!」
七咲「人工呼吸、いきます!」
七咲(先輩、そっちは頼みます!)
橘「皆さん、聞いてください!!たった今、沖で男の子が溺れているのが発見されました」
橘「年齢は7歳くらい。身長は120cmくらい」
橘「黒のスクール水着を着ています」
橘「お子さんをお連れの方で、心当たりのある方は……」
女性「ねぇ、ちょっと。お兄さん」
橘「はい」
女性「その男の子、今どこにいるの?」
橘「あちらで彼女が応急処置を施しています」
女性「あ!たっちゃん!!」
橘「もしかしてあなたの?」
女性「ええ。私の大事な一人息子です」
女性「たっちゃん!たっちゃん!しっかりして!!」
七咲「は~~~ふ~~~~~~」
ピュ~~~~~。
七咲「うっ。冷たい」
男の子「こ、ここは、どこ?」
七咲「よかった。意識を取り戻した」
女性「たっちゃん!」
男の子「ままぁ!ままぁ!」
女性「たっちゃん!!大丈夫だった?」
男の子「怖かったよ、ままぁ」
橘「あ、その子の足に傷が」
七咲「ごめんなさい。沖にあった岩の隙間に足が挟まっていたので……」
七咲「無理を承知で全力で引き抜きました」
橘「ごめんなさい、大切なお子さんにお怪我を」
女性「いえ。いいんです。溺れ死ぬよりはマシです」
女性「お二人とも、本当にありがとうございました」
女性「ほら、たっちゃんもこの方たちにお礼言って」
男の子「お兄ちゃん、お姉ちゃん。ありがとう」
橘「どういたしまして」
七咲「もう溺れないように気を付けてね」
男の子「うん。じゃあね!」
女性「失礼します」

橘「あはは……感謝されちゃった。いいもんだな」
七咲「ぐすっ。ぐすっ。よかった。本当によかった」
橘「七咲」
七咲「この前の救急救命学の講義が役に立ちました」
橘「そっか。あーでも。何か……何か悔しいんだよな」
七咲「何がです?」
橘「人工呼吸!あの子、さっき七咲に人工呼吸してもらっただろ」
橘「あんな小さいのに七咲の唇を……」
七咲「何言ってるんですか?先輩とはいつもキスしてるじゃないですか」
橘「でも、何か悔しい。なぁ、もし僕がさっきの男の子の立場だったら……」
橘「七咲は迷わず僕に人工呼吸してくれるか?」
七咲「え……嫌です」
橘「即答か!悲しいな」
七咲「だって、先輩にそんな危ない場面が訪れるなんて思いたくないので」
橘「あ……そっか。なら納得」
七咲「じゃあ、帰りましょうか」
橘「うん」
橘(七咲の……あの唇が……一人の幼い男の子の生命を救った)
橘(あの紫色の唇がね……って!紫色?)

回想
七咲「おまけにこの子、呼吸してなくて唇が紫色に」
七咲「早く陸に運んで応急処置しないと生命の保障が!」

橘「待った!」
七咲「え?」
橘「ちょっと海の家で休んでいこう」
七咲「いきなりどうしたんです?」
橘「七咲。鏡見てみろよ。唇が紫色になってる」
七咲「え?本当ですか?」
橘「たぶんだけど……」
橘「さっき沖まで全力で泳いで行って、潜水して、その後人工呼吸してたから……」
橘「七咲も酸欠になってるんじゃないか?」
七咲「そう、言われてみれば……少し身体がフラつきます」
橘「それに、その右手の甲の傷。さっき岩で思いっきり擦ったんじゃないか?」
七咲「はい。救命に夢中で気づきませんでした」
橘「それの手当てもあるし……海の家でゆっくり休んでから帰ろう」
橘「どっちにしても今夜は夕飯作れるだけの体力が残ってないから外食になるだろうし」
七咲「はい。そうします」
橘「よーし、そうと決まったら!僕はチャーハンでも注文しようかな!」
七咲「じゃあ、私もそれにします!」
二人で海の家まで競走した!


橘「そういえばさ、チアノーゼって何なの?」
橘「さっき七咲が、男の子の唇が紫色だとか言ってたけど」
七咲「簡単に言えば呼吸困難になって、血液中の酸素が減って……」
七咲「二酸化炭素が増えることです」
橘「うんうん。でもそれでどうして唇の色が変わるの?」
七咲「じゃあ、先輩に問題です。唇の赤い色素は何だと思います?」
橘「唇の赤い色素……身体で赤い部分って言ったら血液しかないよな」
七咲「次の問題です。動脈と静脈の違いは?」
橘「動脈は酸素が多くて赤いのに対して、静脈は二酸化炭素が多くてドス黒……」
橘「わかったぞ!そういうことか!」
七咲「つまり?」
橘「唇は血管が集中しててしかも浅いところを通っているから赤く見える」
橘「でも、血液中に二酸化炭素が増えたら紫色に見える!」
橘「それがチアノーゼっていう現象なのか!把握」
七咲「そういうことです!」
橘「詳しいなぁ」
七咲「いえ。医療系や体育系では知ってて当たり前ですよ」
橘「そっか。そうなのか」
橘「……おっ、七咲の唇、元の赤に戻ってきた。よかった」
七咲「じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
橘「あ、待て。口元にラーメンのスープが跳ねてる!」
七咲「え?」
橘「……」
七咲「ん……」
橘「これでよし。あんな小さな子には負けてられない!」
七咲「もう……先輩!いきなりキスをしてまたチアノーゼになったらどうするんです?」
橘「その時はまたキスをすればいい。人工呼吸をね!」
七咲「あ……その手がありましたか……」
橘「さてと。すっかり暗くなったな。帰ろうか」
七咲「はい」

こうして七咲とハラハラドキドキな1日を過ごした。
この夏、一番の思い出となった。
小さな男の子の生命を救えたし、来てよかったな。



第20話に続く。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ilovenanasakiai.blog24.fc2.com/tb.php/37-8a95bd5a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Copyright (C) アマガミ・七咲逢をこよなく逢する七咲逢依存症患者の家. All rights reserved. Template by Underground
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。