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2010-06-24

第16話「先輩、私卒業します」

10月上旬
橘しゅうのアパート
七咲と電話している
橘「……」
七咲「……」
橘(七咲の奴……妙に焦らすなぁ。早く聞きたいのに)
七咲「……あのですね。えっと……」
橘「……うん」
橘(ごくり)
七咲「えっとですね……」
橘「う……うん」
橘(どうしたんだ!?……まさか!?)
七咲「……」
橘「そっか。そりゃ残念だったな」
七咲「えっ?」
橘「大丈夫。推薦は落ちてもまだ一般があるって!」
橘「次も応援してるから」
七咲「あの……先輩?」
橘「ぼ、僕はべ、別にか、悲しくなんか……ないんだからな!!」
七咲「先輩?さっきから……何を言ってるんです?」
橘「うん。大丈夫だ。落ち着け、橘しゅう」
七咲「もしもーし?せんぱーい??」
橘「うん。というわけだ。七咲も頑張れよ」
七咲「あの……言ってる意味がよくわかりません」
橘「だから!つまりは……ダメだったってことだろ?」
七咲「はい??」
橘「つまり!推薦入試は不合格だったってことなんだろ?」
七咲「誰もそんなこと言ってません。勝手に決め付けないでください」
橘「え?じゃあ、まさか?」
七咲「はい。合格でした!」
橘「ご、合格……だと??」
橘(マ、マジ……かよ……)
橘「おめでとう、七咲!!」
七咲「はい。ありがとうございます!!」
橘「でも、合格ならわざわざ焦らす必要なかったんじゃないか?」
橘「おかげで変な先入観を持ってしまった」
七咲「すみません。合格の文字を見た時、嬉しさの余り、一瞬言葉が……」
橘「出なかったのか」
七咲「はい」
橘「そ、そっか。そうだよな。とにかく、おめでとう!!」
橘「そうだ!せっかくだから塚原先輩にも報告しろよ」
七咲「はい。そうします」
橘「もう親御さんには報告したのか?」
七咲「いえ。先輩に一番最初に報告したくて……」
七咲「玄関で郵便屋さんを待ち伏せて、私が真っ先に合格通知を受け取りました」
橘「そりゃどうも。僕はもういいから、早く親御さんに報告してやれよ」
七咲「はい。そうします」
橘「じゃあ、一旦電話切るよ」
七咲「はい。失礼しました」

橘「そっかぁ。合格かぁ。いいいよっしゃああああああああああああああああ!!」
僕は近所迷惑を考えずにとにかくはしゃぎまくった。
案の定、後で隣人から苦情が殺到した。

その数分後……
今度は塚原先輩と電話している。
塚原「橘くん、おめでとう。七咲から聞いたわよ」
橘「塚原先輩。ありがとうございます」
塚原「七咲は羨ましいなぁ。こんなにも応援してくれる彼氏がいて」
橘「何をおっしゃるんです?塚原先輩にもきっとそんな彼氏がいずれ見つかりますって!」
塚原「あらあら。お世辞をどうも」
橘「お世辞じゃないですから!」
森島「ひびきちゃんにも彼氏ができるのかね~」
塚原「はるか!?」
橘「えっ!?そこに森島先輩もいらっしゃるんです?」
森島「受話器貸して。もしもし、橘くん?お手!」
橘「え?ワン!」
森島「グー!ベリーグーよ!」
塚原「はるか……」
森島「私よくひびきん家に遊びに来るのよ」
森島「そしたらさ~、逢ちゃんから電話がかかってきてびっくりしちゃった」
橘「ああ、例の合格報告ですね!七咲は本当によく頑張りましたよ」
森島「いやあ、それほどでも。照れるなぁ」
橘「って!」
塚原「何ではるかが照れてるのよ……」
森島「それでさ、今度また4人で集まらない?こっちに」
橘「え?4人って、僕と七咲と塚原先輩と森島先輩ですよね」
森島「そうそう」
橘「え?お二人は僕のアパートから近いんですか?」
森島「うん。だって同じ都道府県だから」
橘「へぇ。それで先輩方はいつなら都合がよろしいんですか?」
森島「そうでさぁねぇ……私はいつでも。ひびきは?」
塚原「今度の日曜日なら空いてるわ」
森島「……だそうよ」
橘「わかりました。で、集まって何するんですか?」
森島「えーわかんないの?」
橘「はい」
塚原「はるか、貸しなさい。七咲の合格祝賀パーティよ」
橘「合格祝賀パーティ……いいですね!やりましょう!!」
塚原「七咲は私が誘っておいたわ。来るって言ってた」
塚原「はるかが手配した切符は明日七咲家に届くから……」
塚原「七咲の旅費の心配はいらないわ」
橘「え!?そこまでして下さるんですか?」
塚原「ええ。だって私のかわいい後輩であり……」
塚原「教え子でもある七咲の合格祝賀パーティだもの」
塚原「このくらいしてあげないとね」
橘(そっか。水泳部で塚原先輩の指導を受けた七咲は……)
橘(塚原先輩の教え子ってことになるのか)
橘「あの…何から何までありがとうございました!!」
塚原「お礼はいいから。じゃあ、今度の日曜日ね。また逢いましょう」
橘「はい」


日曜日
12時
集合場所
七咲「塚原先輩、お久しぶりです」
七咲「今日はこのようなパーティを開いていただき、ありがとうございます」
塚原「七咲、お久しぶり。合格おめでとう。スポーツ推薦に受かるなんてやるじゃない!」
七咲「いえ。それほどでも」
塚原「彼ともうまくいってるみたいで、安心したわ」
橘「え?ああ。当然ですよ!僕しか七咲の相手はいませんから!」
七咲「えっ?」
七咲は少し照れている。
橘「だって……他の男じゃ……」
七咲「……!!」
橘「七咲の意地悪に付いていけませんから!!」
七咲「……!?」
塚原「……」
塚原先輩はちょっと微笑んでいる。
七咲「……はい?それ、どういう意味ですか?」
甘い展開を密かに期待していた七咲は、期待外れな展開に少しがっかりしているようだ。
橘「え?いや、そのまんまの意味だよ」
橘「他の男じゃ七咲にしてやられっぱなしで……」
七咲「……橘先輩のバカ!!」
橘「うおお……待て待て!!誤解するな!!落ち着け!!」
七咲「いいえ。今日という今日は絶対に許しません」
塚原「クスッ。喧嘩するほどなんちゃらってやつね」
塚原「それにしてもはるか、遅いわね。何してるのかしら」
橘「寝てるんじゃないでしょうか。まだお昼ですし」
七咲「森島先輩なら考えられますね」
森島「ごめーん。着替えに手間取った!」
塚原「噂をすれば影」
橘「遅いですよー!何してたんですか?」
森島「だから言ったじゃない。着替えに手間取ったって」
七咲「森島先輩。遅刻です!」
森島「あ、逢ちゃん!合格おめでとう!!」
七咲「ありがとうございます」
塚原「じゃあ、全員揃ったから行きましょう」
塚原「はるかと2人で予約した日本料理のお店にね」
森島「あ、今日は私たちの奢りだから、お金の心配はしなくていいよ」
橘「はい!楽しみです。ありがとうございます」
七咲「私もです!ありがとうございます」
森島「グー!いいお返事ね」


12時半
日本料理のお店
塚原「それじゃ。七咲の合格祝賀パーティを始めるわ。はるか」
森島「うん。じゃあ、みんな。乾杯!!」
橘「乾杯!!」
七咲「乾杯!!」
塚原「乾杯!!」
全員ジュースで乾杯する。
ちなみに森島先輩は先月誕生日を迎えて一人だけ20歳だが……
塚原先輩に止められてジュースで我慢している。
橘「そういえば、先月の22日って森島先輩の20歳の誕生日でしたね」
七咲「あ!森島先輩。20歳のお誕生日、おめでとうございます!!」
橘「おめでとうございます」
森島「ありがとう。2人とも」
塚原「そう。だからはるかに乾杯をやらせたの」
塚原「このパーティは七咲の合格祝賀パーティであるのと同時に……」
塚原「はるかの成人祝賀パーティでもあるからね」
橘「そうだったんですか」
森島「だったら、お酒呑んでもいいじゃない!ひびきのいけず!!」
塚原「バカね。はるか以外は全員未成年なのよ」
塚原「私だって来月やっと成人になるんだし」
塚原「それに高校生が1人いるから悪いお手本は見せられないわ」
七咲「さすが、塚原先輩。森島先輩も少しは塚原先輩を見習ってください」
森島「逢ちゃんにまで言われるとは……世知辛い世の中じゃのぅ」
森島先輩は独りで落ち込んでいる。
塚原「ねぇ。それはそうと、よく同棲を七咲の親御さんが許可したわね?」
橘「……」
七咲「……」
塚原「もし、差し支えなければ、私に説明してくれない?」
橘「……」
七咲「……」
僕と七咲はお互い無言で顔を見合わせる。
そして
「塚原先輩なら話してもいいだろう?」
「そうですね!」
と心の中で会話し、お互いこくりと頷いた後……
橘「わかりました。すべてお話します」
僕がそう言って、七咲家の25年間の出来事について塚原先輩に説明した。
塚原先輩は言葉を発することなく、親身になって話を聞いてくれた。
森島先輩はその横でボロボロ涙を流していた。
僕は食事の席でこんな重い話をしていいのだろうかと迷いつつも話を進めた。
七咲も塚原先輩同様、静かに話を聞いていた。
橘「だから……僕は……こんなに重い過去を背負っている七咲を……」
橘「絶対に幸せにするって、七咲の親御さんに誓ったんです」
橘「口で言うのは簡単ですが、それでも僕は覚悟を決めて……」
橘「七咲を信じて……この修羅の道を突き進むことにしました」
橘「例え……この先……何があっても」
橘「七咲がそばにいてくれれば、僕はすべてを乗り越えられる気がします!」
橘「いえ、絶対に乗り越えてみせます!!決して諦めません」
橘「こんな僕を好きになってくれた七咲を……絶対に、絶対に守ってみせます!!」
七咲「……」
塚原「……」
森島「だでぃばなぐーん、ぎみえらいよぉ。がっごいいよ」
森島先輩はもはや何を言ってるのかわからない泣き崩れている。
塚原「決めた」
七咲「えっ?」
塚原「私も、二人に協力させてもらうことにした。いいわよね、はるか?」
森島「うん……もぢろんよ」
橘「え?本当ですか?」
塚原「ええ。だって二人は私の大事な後輩たちだからね」
塚原「それに七咲に対してこんなにも必死になっている橘くんを初めて見たから」
塚原「余計なお世話かもしれないけど、よろしくね」
七咲「いえ。とんでもないです。余計だなんて思っていません」
七咲「こちらこそよろしくお願いします」
塚原「ほーら、はるか。いつまでも泣き崩れているんじゃないの!」
塚原「何か言ったらどう?」
森島「うん」
森島先輩は自慢のダッくんタオルで涙を拭いた。ちょっとだけ場違いな気もするが……。
森島「二人とも、よろしくね」
橘「よろしくお願いします」
七咲「よろしくお願いします」
塚原「私たちも七咲の両親を助けた輝日東の人たちみたいになれたらいいわね」
塚原「頑張りましょう」
森島「それにしても……」
森島先輩が突然僕の目の前にやって来る。
橘「えっ?」
森島「キミも隅に置けないな!このこの!!」
橘「うおおお……森島先輩、勘弁してください」
僕は座ったまま森島先輩に後ろに押し倒されて、ほっぺたをつつかれている。
森島「いいなぁ!いいなぁ!逢ちゃんにはこんな素敵な彼氏がいて!!」
森島「羨ましいぞぉ!!」
七咲「え?森島先輩って彼氏いらっしゃらないんですか?」
七咲「大学でもモテると思ったのに意外」
塚原「100人」
七咲「え?」
塚原「大学入学から今までに、はるかに告白して振られた男子の数」
橘「え?ひゃ、100人!?うわ…100人の男が呆気無く散った……」
塚原「教員延べ30人、男子学生延べ60人。その他、街頭の男10人」
七咲「街頭の男!?え……それって……」
塚原「ナンパね」
橘「うわ……何てこった。ナンパまでされたのか……」
塚原「しかも、私がそばにいたのに、無視してはるかにだけ話しかけるんだもの」
塚原「まったく、失礼しちゃうわ」
塚原先輩がボソッと呟いた。
森島「え?今何か言った?はるかがどうとかって……」
塚原「何でもない。それより、もう彼を離してあげたら?」
森島「嫌よ!!……ねぇ、橘くん」
橘「え?は、はい。何でしょう?」
森島「私と……付き合わない?」
橘「……はい?」
七咲「え?」
塚原「何でそうなるの?」
森島「だって!さっきの壮大な告白を聞いちゃったらねぇ……」
森島「ねぇ、いいでしょう?」
橘「え……そう言われましても……無理……」
森島「ねぇ、いいでしょう?ねぇってば!」
塚原「あーあ。聞く耳持たず。三角関係の修羅場か」
七咲「や、やめてください。そんなの!!」
橘「だから、無理だと……」
森島「い・い・で・しょ?」
橘「う……」
橘(この体勢じゃ逃げられない……助けて!!)
塚原「はるか。もう許してあげなさい。彼困ってるじゃない」
森島「仕方ないわね。わかった。ごめんね、意地悪して」
森島先輩が僕から離れる。
橘「ふぅ。一時はどうなるかと」
森島「ああ、今のは冗談だから気にしないで」
塚原「いや、私には100%本気に見えたけど」
七咲「ええ。私もです。終いには怒り出すところでした」
森島「ええ!?か、勘弁してください、お代官様!!」
橘「誰がお代官様ですか!?」
塚原「時代劇の見過ぎね。じゃあ、気を取り直して」
七咲「そうですね」

こうして僕、七咲、塚原先輩、森島先輩の4人で……
森島先輩の成人祝賀パーティ兼、七咲の合格祝賀パーティを行った。
この後は普通に食事して、4人それぞれの世間話をした。
それにしても、塚原先輩、森島先輩は本当にいい人たちだと思った。
助けてくれるって言ってくれた時、僕はすごく心強い味方を手に入れたと思った。
来年は七咲もこっちで暮らすことになるので、またこうして4人でいつでも逢えるだろう。
先輩方、いつまでも僕たちをよろしくお願いしますね。



そしてついにその時が来た……
3月3日
輝日東高校卒業式
1週間ほど前に七咲の両親から直々に電話があって……
卒業式の日はどうしても仕事で来られないということで……
急遽僕が七咲の保護者として卒業式に参加することになった。
果たしてこれでよかったのだろうか?
まあ、僕は本来美也の保護者でもあるので、別にいっか。
僕はこの日だけ美也と七咲、二人の保護者を務めることになった。
とりあえず、式直前に七咲から渡されたビデオカメラで……
卒業式の一部始終を撮影した。
「にししし」とか笑いながらいつもの如くガキっぽい美也に対して……
背筋を伸ばして凛としてすごく大人っぽい七咲。
まったく、同じ卒業生でも何でこんなに差があるんだろうか。
僕は兄として凄く恥ずかしい……。

式が終わり……
3年B組
女子1「あ。あれ、例の逢ちゃんの彼氏じゃない?」
女子2「一昨年の創設祭。ベストカップルコンテストの伝説の二人」
橘(ま、まだ覚えていたのか!?しかも伝説って何だ!?)
男子1「なぁ、あれ橘のお兄さんだろ?」
美也「え?誰が?」
男子2「ほら、あれだよ。あの校内にエロ本隠してそうな顔してる奴」
美也「ああ!そう言われてみれば!」
橘(おい!美也……お前そこはちゃんと否定しろよ)
美也「知らないよ。あの人誰?」
男子1「え?あいつお前のお兄さんじゃないのか?」
美也「あんな恥ずかしい人がお兄ちゃんなわけないよ」
男子2「それもそっか!」
橘(おい!僕から言わせれば、いつまでもガキっぽい美也の方がよっぽど恥ずかしいよ!)
女子1「ねぇ、逢ちゃん!あの人……」
七咲「違うよ」
女子2「え?」
七咲「だって、あんな恥ずかしい人が私の彼氏なわけないじゃない。クスッ」
橘(ガクッ。おい!二人してその態度か!?……がっかりだ)
橘(僕は……もう……帰らせていただきます)
僕が教室を出ようとするとタイミング良く七咲たちの担任の先生がやって来た。
橘(くそ……逃げ遅れた)
その後……僕は……七咲たちのクラスメイトからの熱烈な視線を浴びながら……
担任の先生の話を聞いていた。
美也の奴……後で覚えておけ!ちなみに七咲は無条件で無罪放免とする!

ホームルームが終わり、3年B組の生徒たちは次々と教室を出て行く。
美也は僕を無視してさっさと教室を出て行ってしまった。
あんにゃろう!つくっづくっ憎ったらしい妹だな……。
一方七咲は、涙を流しながらクラスメイトに別れを告げた後……
校舎裏で待っている水泳部一同の元へ向った。
僕も付いて行くことにしたが、一緒には行かず……
七咲が行った後でこっそりと陰から様子を伺うことにした。

12時
校舎裏
水泳部新部長「七咲前部長、卒業おめでとうございます」
水泳部一同「おめでとうございます」
七咲「ありがとう。みんな」
向井「ぐすっ、ぐすっ。七咲しぇんぱい。私……私……」
七咲「向井さん。泣かないで!」
向井「でも、私悲しくなんかないのに、変ですね。涙が……止まらない」
1年男子「おい、向井。泣くなよ!!別れが辛くなるだろうが!!」
向井「だって。七咲先輩は私の憧れの先輩だったから!!」
向井「余計別れるのが辛い」
七咲「……」
橘(そうだよな。彼女が一番七咲に世話になった部員だったしな)
橘(そりゃ涙が止まらないのは当然だよ)
橘(2年前の七咲も塚原先輩に対してあんな感じだったし)

回想(2年前)
水泳部新部長「塚原前部長、卒業おめでとうございます」
水泳部一同「おめでとうございます」
塚原「ありがとう。みんな」
七咲「ぐすっ、ぐすっ。塚原先輩」
塚原「七咲。泣かないの!」
七咲「でも!私塚原先輩には人一倍お世話になったので」
1年男子「おい、七咲。泣くんじゃねぇよ!!別れが辛くなるだろうが!!」
七咲「そんなこと言われたって!塚原先輩は私の憧れの先輩だったから!!」
七咲「余計別れるのが辛い」
塚原「……」

橘(さて、2年前の塚原先輩の立場になった七咲はどうするのかな?)
七咲「いいよ。思いっきり泣いて」
向井「え?いいんですか?」
七咲「確かに私も目の前で泣かれたら別れが辛くなる」
七咲「でもね。泣きたい時に泣かないと損をすると思う」
七咲「それに自然に出る涙は……凄く輝いているから!凄く綺麗だから!」
七咲「泣いたらみっともないなんてことはない!」
七咲「涙の数だけ、その人の人生が輝いて見える!」
七咲「そう思わない?」
向井「はい!七咲先輩!!ぐすっ、ぐすっ」
1年男子「お、俺は絶対に泣かないからな!男の子だし!!」
1年男子「べ、別に汚い人生になったって構わないさ!なぁ、お前ら!」
1年男子「そ、そう、だな」
と、言いつつも男子の目からも隠しきれなくなった涙が溢れ出てきた。
七咲「クスッ」
橘(結局、2年前の塚原先輩と同じこと言ったな?)
橘(でも、とてもいい言葉だと思う。塚原先輩らしい)

こうして、七咲は約1時間もの間、水泳部員たちと涙のお別れをした。
最後に水泳部員たちの感謝の気持ちのこもった色紙と花束が七咲に贈呈された。
これでもう輝日東高校に思い残すことはない。


13時
輝日東高校正門
七咲「橘先輩、お待たせしました」
橘「もういいのか?」
七咲「はい。もう何も思い残すことはありません」
橘「そっか」
七咲「私も……塚原先輩みたいな優秀な部長になれたでしょうか?」
橘「ああ。なれたよ。最後のセリフとかそのまんまだったしな」
七咲「え?先輩、どうして塚原先輩のセリフをご存知なんですか?」
橘「え?いや……その……何でだろう?」
橘(しまった!)
七咲「まさかまた覗きですか?」
七咲「塚原先輩との別れが惜しくて泣き崩れていた私を見てしまったんですね?」
橘「えっと……とりあえず、腹減ったな。何か食いに行こうか?」
七咲「ああ!やっぱり見てしまったんですね!?よくも私の恥ずかしい所を……」
橘「あー腹減った。走るかー!!」
七咲「誤魔化しても無駄です!!待ってください、橘先輩!!」

満面の笑みで追いかけっこをする僕と七咲。
これから二人は夢のキャンパスライフ……
そして夢の同棲ライフへと全力で走っていく。
待ち伏せている幾多のハードルを力を合わせて跳び越えて……
二人は明るい未来へと全力で向かっていく。
果たして、この二人に幸せは訪れるのだろうか?


第10~16話「橘しゅう大学生活編」…完!


そして第17話~「同棲編」に続く。

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