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2010-06-20

第13話「先輩、夢に向けて頑張りましょう」

4月30日
夕方
橘家・美也の部屋

結局僕と七咲はお昼過ぎまでうたた寝していたらしい。
まったく、びっくりしたよ。
だって起きたら午後1時だったんだもんな。
それに僕が目覚めた原因はそばで寝ていた誰かさんのかわいい寝息だったしな。
ふと目を開けると目の前に誰かさんのかわいい寝顔があって…
いたずら半分にその唇にそっとキスをしたら、びっくりしたらしく…
「はっ!この変態!!」
パーン!!
と、いきなり頬を引っ叩かれた…。いてててて…まったく、ひどいよ。
せっかく童話みたいに王子様のキスで目覚めさせてあげようと思ったのに。
僕は変態じゃなくて王子様なのに…。

まあ、それはいいとして。
僕は七咲家でお昼ごはんをごちそうになった後…
寝ぼけた頭でまっすぐに実家に帰って来た。
しかし、誰もいない。
まったく、美也たちはいつまで遊んでんだよ?
僕は今すごく暇だから、退屈しのぎに美也の部屋を物色中だ。

橘「おお!こいつは…あの美少女漫画の最新刊じゃないか!」
橘「読みたかったんだ。美也サンクス。……どれどれ?」
橘「ふむふむ……ふはははは!これはウケる!!」

橘「ああ、面白かった。えっと次は…」
ガチャッ。
橘「ん?」
美也「……」
橘「おお!美也じゃないか!久しぶり!お帰り!」
美也「……にぃに。何してるの?」
橘「へ?」
美也「だから!私の部屋で何してるの?」
橘「何って……」
橘(まずい…何か言い訳しないと!!そうだ!!)
美也「答えて!みゃーの部屋で何してるの!?」
橘「はぁ……久しぶりに逢った実の兄に対してその態度かよ?」
美也「え?」
橘「僕はさ、向こうで独りぼっちでさ、寂しかったんだよ」
橘「そんな時に実家にいるかわいい妹の顔を思い出して涙を流して…」
橘「また逢いたいなってずっと思ってたんだ」
橘「そして、今ここに帰って来た。でも、誰もいない。寂しい」
橘「だからさ、こうして部屋に入って、温もりを感じていたかったんだよ」
橘「それがいけないって言いたいのか?」
美也「にぃに……」
橘「美也……僕はお前に逢いたかったんだよ。ずっとな」
美也「にぃに……!!」
橘「美也……僕のかわいい妹。好きだよ、美也」
美也「にぃに!!みゃーも……にぃにのことが大好きだよ」
橘(よし……いい雰囲気だ。作戦大成功!!)
橘(このまま抱きつけば!!)
橘「美也ぁぁぁぁ!!」
美也「にぃにぃぃぃ!!……ん?はっ!隙あり!!」
バコッ!!
橘「ぐお……」
バタッ。
美也「はぁはぁ……この…バカにぃに!!変態!!」
橘「うう…何だよ、いきなりお腹にチョップを食らわせるなんて……」
橘「僕が何をしたって言うんだ??」
美也「嘘つき。にぃにの嘘つき!!」
橘「え?」
美也「本当は……みゃーなんてどうでもいいんでしょ?」
橘「え?そんなこと……」
美也「そうだよね!みゃーなんて……どうせ逢ちゃん以下だもんね」
美也「向こうで寂しくなったにぃには、真っ先に逢ちゃんのことを思い浮かべたはずだから」
橘「う……ち、ちが……僕は……」
美也「言い訳しても無駄だよ。ちゃーんと証拠はあるんだからね」
橘「え?証拠?あるなら出してみろよ!」
美也「……にぃにの身体から漂ってくる、そのいい臭いは何なの?」
橘「はっ!?こ…これは…」
美也「逢ちゃんの家のシャンプーの香りだよね?」
橘「!!」
美也「前に逢ちゃんから同じ臭いがしてたよ」
橘「……」
美也「おそらくみゃーの推理はこうなのだ」
美也「向こうで独りぼっちで寂しかったにぃには…」
美也「逢ちゃんの顔を思い浮かべ…また逢いたくなった」
美也「そして昨日帰省した。でも、うちには誰もいない」
美也「それをいいことに、逢ちゃんを適当に口説き…」
美也「家に泊めてもらうことに成功した」
美也「逢ちゃんと一晩中いちゃいちゃして…いつの間にかうたた寝していた」
美也「お昼過ぎに目覚め、逢ちゃんにいたずら半分でキスしたら頬を引っ叩かれた」
美也「お昼ごはんを逢ちゃんの家でごちそうになって今さっき帰って来た」
美也「そして暇だからってみゃーの部屋を物色していた」
美也「どう?どこか違うところでもある?」
橘「……」
橘「あるね。悪いけど……僕は七咲にいたずらなんてしてない!証拠はあるのか?」
美也「じゃあ、その頬の手形は何?」
橘「え?手形?そんなものあるのか?」
美也「鏡貸してあげるから見て」
橘「うん」

橘「うお……まだ残ってたのか!?」
美也「その手形こそ動かぬ証拠だ!!容疑者・橘しゅう!!」
橘「よ…容疑者だと??何の容疑だ?」
美也「強制わいせつ罪」
橘「おい!!そんなことしてないぞ!!」
美也「いいから署まで来るのだ!!」
橘「待て…七咲を口説いたってどういうことだよ……」
橘(向こうが勝手に来いって言ったんだから……)
橘「僕は悪くない!!それに僕は日本警察の卵だぞ!!」
美也「名探偵橘美也。またしても見事に事件解決」
橘「め…名探偵だとぉ??」
橘(まったく、美也といい七咲といい……)
橘(どうして女の子はこんなに勘が鋭いんだよ)
美也「ちょっと待ってて。そこ動かないで!」
美也「今通報するから」
橘「おいおい!通報って何だよ……」
橘「僕は何も悪いことしてないぞ!」
橘(このままじゃかなりまずい。何とかしないと!そうだ!!)
橘「落ち着け、美也。まんま肉まんでどうだ!?」
美也「却下。それ前奢ってもらった」
橘「ダメか…。じゃあ、アイス!!」
美也「それもダメ。第一、おやつに釣られて犯罪を見逃す探偵がどこにいるの?」
橘「それもそうか」
橘(くそう……打つ手がねぇ!!)
橘(癪だけど……困った時の梅原頼みだ。よしっ!!)
橘「…」
ボコッ。
美也「あ……」

作戦第一段階成功。
気付かれないように背後から美也のお腹にチョップを食らわせ、気絶させる!

橘「美也が気絶している隙に……!!」
橘「もしもし、梅原か?事情は聞かないでくれ!!」
橘「とにかく今すぐに寿司の出前を頼む。ただでな」
梅原「おいおい、ただって何だよ。こちとら商売なんだから……」
橘「今すぐにはお金用意できないんだ。後で必ず返すから……頼む!!」
橘「お前しか頼れる奴がいないんだ!!」
梅原「そっか。わかったぜ、大将。引き受けた!!」
橘「ありがとう、梅原。あとそれと……」
梅原「ああ。わかった」



梅原「へい、お待ち!何が何だかわけわかんないが、まあとにかく頑張れよ、大将!!」
橘「ああ。ありがとうな、梅原。お前はいい奴だ。僕の永遠の友」
梅原「え…永遠の友。水臭ぇな。やめてくれよ」
橘「あははは…」
梅原「あははは…ほんじゃあな!」
橘「おう」

作戦第ニ段階成功。
梅原に電話して東寿司の出前をとってもらう。
店名がバレないように店名を入れないでくれと梅原に予め頼んでおいた。
もちろん僕は今代金を払えるだけのお金を持っていない。つまり梅原に借金したんだ。
梅原はいい奴だ。お金は必ず返す!!約束するよ!!
おっと、こんな大事なことを忘れちゃいけない。梅原を待つ間に証拠を隠滅しておいた。
証拠とは無論、僕の身体から漂う七咲家のシャンプーの臭いと、頬に着いた七咲の手形だ。
シャワーを浴びてこれらを隠滅しておいた。

作戦第三段階…これがラスト。
美也を起こし、寿司を食べさせる。
するとあいつは喜んで寿司を食べ、さっきまでのことは自然に忘れる。

……完璧じゃないか!!
これぞ橘しゅうの完全犯罪。
悪いが美也。お前には絶対に隠し通さなければならないことがあるんだ。
七咲や親御さんと約束したからな、七咲を必ず守ると。
そのためには……お前とだって戦ってやるんだ、橘美也!!
僕の決心は固いぞ、覚悟しておけ。

橘「おい、美也。起きろよ」
美也「ああん…にぃに?みゃーはどうして寝てたの?」
橘「長旅で疲れたんだよ。ぐっすり寝てたからな」
美也「え?そだっけ?さっき何かしてたような……」
橘「それよりも、そんな美也のために寿司の出前を頼んでやったぞ」
美也「出前??ど、どこの?」
橘「えっと……馬井寿司だ!!」
美也「ああ、馬井寿司かぁ!やったぁ」
橘「もちろん、僕の自腹だぞ。感謝しろよ」
橘(正確には借金だが……)
美也「にぃに……ありがとう」
橘「いいって。早く食べな」
美也「うん。……おいしい!!」
橘「そっか。よかったな」
美也「でも、何か忘れてる気がする……何だっけ?」

こうして僕の策略により…
僕と七咲の秘密は守られたのである。
策士・橘しゅう、見参。


翌日、高橋先生に逢いに輝日東高校に行った僕は…
大学生活についての話をした後…
一昨日、七咲家で話したことを高橋先生に報告した。
高橋先生は一つも驚くことなく「そう。やっぱりね」と、冷静に返答した。
教師経験の長い高橋先生はさすがに気づいていたみたいだ。
僕と七咲の関係…さらには七咲の家庭の事情。
僕の話を聞いて、うんうんと頷いていた。
そして、応援してるから!と僕にエールをくれた。
僕と七咲の夢は、二人だけの夢じゃない。
応援してくれているみんなの夢だ。
だから、応援してくれている高橋先生のためにも…
僕は精一杯頑張ろうと思う!
高橋先生、ありがとうございます。僕、頑張りますから!


ゴールデンウィークが終わり、僕は再びアパートへ戻った。
その日は午前中から部活がある七咲に駅まで見送りに来てもらうために…
朝早い電車に乗ることにした。
次にいつ逢えるのかわからないからと不安そうな顔をする七咲に…
大丈夫、またいつか絶対に逢えるから。その時までにたくさん稼いでおくよ。
と、言って安心させてあげた。
アパートに戻ってから早速アルバイトを始める準備に取り掛かる。
駅やコンビニにあるアルバイト情報誌を片っ端から調べる。
それと同時に七咲が来年通う大学のオープンキャンパスにも行ってみた。


5月中旬
橘しゅうのアパート
七咲と電話している。
七咲「本当ですか?おめでとうございます」
橘「ありがとう。頑張って働くから七咲も水泳頑張れよ」
七咲「はい」
橘「それはそうと……資料はもう届いた?」
七咲「はい。体育大学の案内ですね?」
橘「そう、それ」
七咲「入学条件は全国大会入賞以上の実力……だそうです」
橘「うん。つまり去年6位の七咲なら今年も入賞できるはず!」
橘「だから頑張れば入学できるよ」
七咲「ええ。何とか頑張ってみます!」
橘「あ、だけど。頑張りすぎてぶっ倒れるなよ」
橘「僕は助けに行けないからな」
七咲「それを言うなら先輩こそ気を付けてくださいね」
七咲「私、面倒見きれませんから」
橘「はいはい。お互い様ってことで」
七咲「そうですね」
橘「ご両親はまだ起きてるの?」
七咲「ええ。代わりますか?」
橘「ううん。いいや。邪魔しちゃ悪いから伝えておいてほしい」
七咲「わかりました。それじゃ、お休みなさい」
橘「うん。お休み」


翌日
橘しゅうの大学
松原「ふあ~あ。だり。5月病か?」
華村「俺もだ。学校とかチョーだりー」
橘「よぉ!梅原に花園!おはよう!!今日もいい天気だな」
二人「は?」
松原「梅原に……」
華村「花園??」
二人「誰だ、それ!?」
橘「あ……名前間違えた。松原に華村だったっけか?ごめんごめん」
二人「おいおい……」
橘「それより、もたもた歩いてると遅刻するぞ?お先に」
二人「あ……ああ」
松原「……変な奴」
華村「しゅうちゃん何であんなにテンションたけーんだ?」
松原「さあな。あいつ、ゴールデンウィーク直後からずっとあんな調子だな」
松原「前までは俺らと一緒によく遅刻してたのに」
華村「七咲……」
松原「は?七咲がどうかしたのか?」
華村「たぶん俺の勘だけど。帰省中にその七咲って奴と何かあったんじゃないか?」
松原「え?そうなのか?あ……そっか。そういえばあいつ前に……」


回想
入学式翌日
松原「輝日東高校水泳部には因縁があるんだ…」
華村「俺たちの高校は…輝日東高校のせいで入賞できないんだよ、いつも」
橘「は?知るか。お前らが悪いんだろ?」
松原「何なんだよ…あの塚原に七咲っていうバケモンは!!」
橘「は?今バケモンっつった?」
橘「…おい。お前ら…」
松原「う…俺、何かまずいことでも言いました?」
橘「お前ら…僕の彼女をバケモンって言ったな!?それに塚原先輩まで!」
橘「絶対に許さない!」
華村「う…しゅ、しゅうちゃんからモノ凄い殺気が…」
松原「えっ?あの七咲って…お前の彼女なの??」
橘「…しまった!」


松原「……なーんてことがあったよな。なるほど」
華村「うん。しゅうちゃんって非常にわかりやすい奴だな」
松原「おい、それよりも講義とっくに始まってるみたいだぞ。急げ!」
華村「あ……ああ」


夕方
橘しゅうのアルバイト先
橘「いらっしゃいませ!!」
橘(週3日、1日5時間のバイトか。こんなんじゃ足りない気もするけど……)
橘(でも、初めてのバイトだからな。無理はいけない)
橘(慣れてきたら、そう、夏休みとかに増やせばいいんだ)
橘(七咲が頑張るなら、僕も負けていられない!!)

輝日東高校・プール
七咲「はぁはぁ……。ど、どうだった?」
3年「うん。ちゃんとタイム、改善してる!」
七咲「よかった」
七咲「橘先輩には絶対に負けたくない」
3年「うん?今何か言った?」
七咲「ううん。何も。じゃあ、交代」
3年「うん……」


お互い、夢を叶えるため、邁進する僕と七咲。
二人の…決して揺らぐことのない決意。
それはお互いを愛し合い、信じているからこそできること。
例え、逢えなくたって、信じあう心がある限り…
僕たちはどこかで必ず繋がっている!!
寂しくなんかないさ!なぁ、七咲。


美也「あああ!!やっと思い出したぁ!!にぃにを通報しなくちゃ!」
美也「って!もう遅いよぉ!!!」
美也「逃ーげたなー!!このバカにぃにーーーーーーーーーー!!!」


第14話に続く。

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Re: 面白かったッスよ

コメントありがとうございます。
ちょっと何の雑誌のパクリだと言われているかはよく分からないんですけど……
一応元ネタは存在します。
このページ(http://ilovenanasakiai.blog24.fc2.com/blog-category-13.html)に
書いてある通り、僕はアマガミ全クリ後、CLANNADも全クリしています。
CLANNADの泣きゲーっぷりに感動して、アマガミの七咲逢スキBESTにも
アフターストーリーをつけてみようかと思い立ちました。
CLANNAD本編のアフター+智代アフターを参考に書き上げました。
これが最初の作品なので、色々と未熟なところがあるかと思いますが、
楽しんでいただけたら幸いです。

> 間違ってたら申し訳ないんですけどこの流れは某週刊誌MのタイトルS作者K・S(名・性)から少しパクってません?
> 違ったらすいません
> 土下座する勢いで謝らせていただきます
> まあこの流れは自分は大好きですよ
> あとアマガミは先週からアニメを見て始めました
> やっぱり七咲が一番カワイイですよね
> はやく七咲の回になってほしいですよ

Re: 面白かったッスよ 追伸

追伸
お!アマガミを始められたんですね??
アニメが宣伝効果になってくれてよかった。
そうですね、七咲が一番ですよ!!
なのにアニメでは完全脇役の脇役扱いで正直萎えてますw
七咲の回が来たら一緒に興奮しましょうか!!
twitterやってるんで、よかったらどうぞ。
http://twitter.com/NanasakiShu
一緒にtwitterで盛り上がりましょう!!

> 間違ってたら申し訳ないんですけどこの流れは某週刊誌MのタイトルS作者K・S(名・性)から少しパクってません?
> 違ったらすいません
> 土下座する勢いで謝らせていただきます
> まあこの流れは自分は大好きですよ
> あとアマガミは先週からアニメを見て始めました
> やっぱり七咲が一番カワイイですよね
> はやく七咲の回になってほしいですよ

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