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2010-06-12

第9話「先輩、ご卒業おめでとうございます」

それから…
僕は受験戦争で辛い1月、2月を乗り越え…
今日3月3日を迎えている。
今日は輝日東高校の卒業式の日。
大学受験はどうなったかと言うと…


回想
大学センター試験前日
放課後
丘の上公園
橘「いよいよ明日が本番か。とうとう僕も受験するのか」
七咲「時間が経つのって本当に早いですね」
七咲「この9ヶ月間、色々なことがありましたが…」
七咲「なんだかあっという間という感じでした」
橘「うん。そうだな。色々あったよ。例えば…」
橘「4月の二者面談で高橋先生からひどい成績だと言われて落ち込んでいたら…」
橘「七咲と偶然廊下ですれ違って、そこから一緒に勉強することになって…」
七咲「先輩の受験勉強の息抜きに、私が先輩をデートに誘ったら…」
七咲「先輩、風邪引いていたから断ればよかったのに、無理しちゃって…」
橘「うう…だからそれはだな…」
七咲「いいですよ、もう。別に気にしてないので」
橘「七咲と一緒に相合傘をしたこともあったっけ。懐かしいな」
七咲「ええ。懐かしいですね」
橘「でも、やっぱり一番いい思い出は夏休みと創設祭かな」
橘「水泳部の県大会とベストカップルコンテスト」
七咲「よく…ないですよ」
橘「えっ??」
七咲「だって、先輩のせいでどちらも恥ずかしくて最悪な思い出になりました」
橘「えっ??さ…最悪!?そ、そんなぁ…」
七咲「クスッ。冗談ですよ。とにかく…色々ありましたね」
橘「…」
七咲「…」
橘「…なあ、七咲」
七咲「はい」
橘「僕は明日、うまくいくと思うか?」
橘「センター試験で高得点を採らなければ、一般入試は絶望的なんだ」
橘「だからすごく不安なんだ」
七咲「…」
橘「…」
七咲「そう…ですね。でも、きっと大丈夫ですよ」
橘「うん…」
七咲「先輩、もっと自信を持ってください!」
七咲「先輩がどれだけ頑張ったかは、ずっとそばにいた私が一番よく知っています!」
橘「七咲…」
七咲「それに…橘先輩には私がついています。橘先輩は独りではありません」
七咲「私が水泳部の地方大会、全国大会で実力を出し切れたのは…」
七咲「あの県大会の時の恥ずかしい橘先輩が私の中にいたからなんです」
橘「えっ?」
七咲「例え離れていようとも、先輩はどこかで必ず私を応援してくれている…」
七咲「そう思ったら不安が一気になくなり、緊張しなくなりました」
七咲「なので先輩も同じように、私がずっとそばにいると思って…」
七咲「明日は頑張ってください!」
橘「そう…だな。うん、頑張るよ!」
橘「僕の18歳の誕生日に七咲がくれたこの腕時計を七咲だと思って頑張る!」
七咲「橘先輩、受験が控えているというのに腕時計を持ってないと言っていたので…」
七咲「ぜひ誕生日プレゼントに…と思いました。どう…ですか?」
橘「うん、この腕時計かっこいいよ。さすが、七咲。気が利いてるな」
七咲「いえ、別に…当然のことをしたまでです」
橘「ううん、それでも嬉しいよ」
七咲「…」
橘「…」
七咲「あの、先輩」
橘「うん?」
七咲「そろそろ…帰りましょうか。早く勉強をした方が」
橘「うん、そうだな。帰ろうか」
七咲「はい」


大学センター試験当日
橘(うう…周りが頭良さそうな人たちばっかりだ…)
橘(大丈夫かなぁ?)
橘(いや。きっと大丈夫だ。僕には七咲がいる!)
橘(そうだ!僕には七咲という素晴らしい彼女がいるんだ!)
橘(この点で他の受験生には優っているぞ!!)
………
橘(センター試験終わった!なんだか楽勝って感じだったぞ)

僕の手応え通り、センター試験では志望校の合格基準を遥かに上回る高得点を採った!
そのことを七咲に報告し、二人で喜び合った!
でも、あまりにも浮かれる僕を見て、七咲はちょっと呆れていたな。
「これからが本番なので気を引き締めてください」ときつく言われてしまった。

センター試験の翌日辺りから3年生は受験生のみ自宅待機となり…
僕は家で勉強することとなった。
でも、大丈夫だ。僕は独りじゃない。七咲がいる!
七咲の影を感じながら勉強すればいいんだ。

そしてそれから1ヶ月後…
遠方にある志望校で一般入試を受験した。
またしても七咲の影を感じながら受験したので実力を出し切ることができた。
無論、合格だ。


二つの受験を乗り越えて現在に至る。
今日3月3日の輝日東高校卒業式を終えれば…
僕は晴れて4月から大学生になることができる。
でも、それは…七咲と離れ離れになることを意味している。
嬉しい半面、寂しいという気持ちもある。


卒業式直後
3年A組
高橋「みんな、卒業おめでとう」
高橋「私は3年間、このクラスの担任でいられたこと…本当に誇りに思うわ」
高橋「楽しかったこと、嬉しかったこともあれば…」
高橋「逆に辛かったこと、悲しかったこともあったわね」
高橋「本当に…本当に……」
高橋先生の目からは涙が溢れてくる…
高橋「私は…」
高橋先生の声が震えている…
梅原「おいおい、泣くなよ、麻耶ちゃん…」
絢辻「高橋先生、頑張って」
棚町「そうよ、今いいところなんだから続けて!」
棚町「ほら、あんたも何か言いなさい」
橘「えっ?僕??」
棚町「そうよ」
梅原「大将…」
橘「えっと…頑張って…ください」
梅原「おいおい、もっと気の利いたことをだな…」
高橋「みんな、応援ありがとう」
高橋「私は…このクラスの皆が好きよ。大好きよ」
梅原「うお…みんな聞いたか?麻耶ちゃんが…俺のこと好きだって…」
棚町「誰もそんなこと言ってないでしょ、梅原くん」
高橋「あなたたちが卒業しても、私はあなたたちの担任の先生よ」
高橋「またこの学校に遊びに来て、元気な姿を見せてね」
高橋「本当に、3年間ありがとう」
クラスメイト全員が温かく拍手する。
絢辻「高橋先生、3年間ありがとうございました」
皆「ありがとうございました」
絢辻「これ…花束と色紙です。このクラスを代表して私が贈ります」
絢辻「どうか、お受け取りください」
高橋「ありがとう。絢辻さん、みんな」
クラスメイト全員が温かく拍手する。


3年生廊下
桜井「あ、しゅう」
橘「おお、梨穂子か」
桜井「卒業おめでとう」
橘「ああ、梨穂子こそ卒業おめでとう」
橘「梨穂子は卒業したら、そのままKBT108に所属するんだっけ?」
桜井「そうだよ。しゅうは…どうするの?」
橘「ああ…梨穂子にはまだ話してなかったっけ」
桜井「だって全然逢わないから」
橘「ああ、それもそうだな。僕は私立大学の法学部に行くんだ」
橘「将来刑事さんになるのが夢でな」
桜井「へぇ。刑事さんか。かっこいいね」
橘「うん。でも梨穂子はアイドルだろ?そっちの方が羨ましいよ」
桜井「そんなことないよぉ!毎日忙しいんだから」
??「いいわね…桜井は」
桜井「あ…香苗ちゃん!」
橘「伊藤さん!卒業おめでとう」
伊藤「橘くんも、卒業おめでとう。刑事さんか。いいねぇ」
桜井「香苗ちゃんはどこ行くんだっけ?」
伊藤「え?知らなかったの。そっか。最近めっきり桜井と話せる機会減ったしなぁ」
橘「アイドルって忙しいのか」
伊藤「私は私立大学の文学部だよ。教員免許でも取ろうかなと思って」
桜井「将来学校の先生にでもなるの?」
伊藤「わかんない。とりあえず何か資格取ろうと思って」
橘「へぇ。資格かぁ」
桜井「あ、じゃあ、午後から仕事だからそろそろ行くね。またどこかで逢えるといいね」
橘「ああ。またどこかでな」
伊藤「それじゃ私も行く。またね!」
橘「うん、またね」
橘(僕もそろそろ校舎裏に行かなくちゃ。七咲が待っているはずだ)


校舎裏
橘「お待たせ」
七咲「橘先輩、卒業おめでとうございます」
橘「ありがとう」
七咲「…」
橘「…」
二人「あの…!」
二人「あ…」
七咲「ふふっ。あはは…」
橘「あははは…」
七咲「まさか…言うタイミングが被るなんて…あはは…」
橘「そうだな…あははは…」
橘「七咲…2年間ありがとうな。おかげでこの学校にいい思い出がたくさんできたよ」
橘「出逢った当初の七咲に痴漢だと勘違いされたことや…」
七咲「勘違い?いえ、あれは立派な痴漢でしたよ」
七咲「橘先輩にスカートの中の水着を覗かれましたし」
橘「だから、あれは違うんだって!もう」
七咲「そういうことにしておきます。クスッ」
橘「うう…」
橘「他には…ここで七咲がわざとスカートをめくって見せたこと…」
橘「日曜日の夜の小学校に忍び込んだこともあったなぁ」
七咲「あの時の先輩、本当にかっこよかったです。ちょっと見直しました」
橘「あ、ありがとう。え、えっと、他には…」
橘「放課後のプールに飛び込んだこと、ポンプ小屋でキスしたこと…」
橘「そしてクリスマスの温泉デート…たくさんいい思い出があったなぁ」
七咲「…」
橘「…」
七咲「橘先輩は年上なのに頼りないです。でも、時折年上として頼りになってくれる…」
七咲「あの放課後のプールでの出来事がまさにそれでした」
七咲「本当に…ぐすっ」
七咲の目からは涙が溢れる…
七咲「本当に…嬉しかったです。ありがとうございました」
橘「七咲…」
七咲「先輩…」
僕は泣いている七咲をそっと抱き寄せた。
七咲は僕の胸に顔を埋めて泣いている…
これで一生逢えなくなるわけではない…またいつか逢える。
でも、七咲に思いっきり泣かせてあげようと思った。
こうして卒業式に思いっきり泣くのも輝日東高校でのいい思い出になるからな。
七咲「ぐすっ、ぐすっ」
橘「あ、あのさ」
七咲「はい」
橘「まだ…住むとこ決めてないけど、決まったら七咲に連絡するよ」
橘「僕の住所を七咲に教えて、時々連絡取り合って逢おうかと思ってな」
七咲「先輩…」
橘「だって…これで逢えなくなるわけじゃないんだ」
橘「お互い生きていれば、この先例え何年経とうとまた逢えるさ」
橘「僕はそう信じているよ」
七咲「はい。私もそう思います」
橘「えっと…あ、そうだ」

橘「これ…七咲にあげるよ」
七咲「お守り袋…ですか?」
橘「そのお守り袋の中を開けてみてよ」
七咲「はい」

七咲「あ…ボタン」
橘「そう、僕の制服の第2ボタンだ」
橘「それを僕だと思って…僕がずっと見守っていると思って、七咲も頑張れよ」
橘「離れ離れになっても僕らの心はいつも繋がっている」
七咲「…はい。ありがとうございます」
七咲はお守り袋を右手で強く握り締め…左手で右手の拳を包み込み…そのまま両手を胸に当てる
そして何かを祈るように顎を引いて拳を見つめ、そっと目を瞑る。
七咲「………」
橘「…」
七咲「…これでよし」
橘「えっ?何が?」
七咲「橘先輩も私も共に健康でいて、またいつか必ず逢えるように祈りました」
橘「そっか」
橘「…じゃあ、そろそろ帰ろうか」
七咲「はい」
??「ええっ!?もう終わりかよー!」
橘「えっ!?」
七咲「えっ!?」
橘「梅原!薫!お前ら…」
七咲「梅原先輩に棚町先輩…いつからそこに!?」
梅原「へへーん、ずっとここにいたのさ」
棚町「あんたらを待ち伏せしてたのよ」
梅原「桜井さんと伊藤さんに橘を足止めしてもらってな!」
橘「何!?梨穂子に伊藤さんだと…。ちっとも気付かなかった」
棚町「ちなみに、野次馬はあたしたちだけじゃないみたいね」
橘「えっ!?」
七咲「ええっ!?」
田中「あ…あははは…こんにちは、橘くんに七咲さん」
橘「田中さんまで!どうしてここに!?」
田中「薫に…無理やり」
棚町「ちょっと、恵子!」
橘「やっぱりな…」
七咲「先輩、他のクラスの人までいるみたいです…」
橘「えっ!?本当だ!!」
梅原「橘に七咲…お前ら、よくも創設祭のステージでいちゃいちゃしやがって!」
梅原「へへ…罰が当たったんだな。いい気味だ」
橘「…!!まさかさっきの七咲とのやりとりを全部見られていたのかー!!」
橘(まずいぞ。僕が痴漢だと思われて、通報されてしまうじゃないか!!)
七咲「そ、そう…みたいですね…」
周囲「ざわざわ…」
橘(まずい!とりあえず…逃げるか)
橘「走るぞ、七咲!」
僕は戸惑う七咲の手を強く握り締め、そのままダッシュした!
七咲「えっ!?あ…先輩!?」
梅原「待て、こら!!」
棚町「あたしから逃げようったってそうはいかないんだから!」


僕は…七咲の手を引いてそのまま校門を飛び出した!
そして全力疾走していく。どこまでも…どこまでも…。
向かう先は…もちろん未来だ!
僕と七咲は…これからも…未来に向かって全力で走り続ける!
途中挫けることが何度もあるだろう。
七咲とうまくいかなくなることだってあるかもしれない。
でも、そんなことはあって当然なんだ。人間だし。
幾多の困難を乗り越えてこそ真の幸せが訪れる。
大丈夫、きっとうまくいくさ!
だって僕と七咲だからな。
息の合った二人でならきっと乗り越えていける!
七咲、これからもよろしくな!


第1~9話「高校生活編」…完!


そして第10話~「橘しゅう大学生活編」に続く。

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