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2010-05-30

第7話「先輩、兄弟っていいですね」

17時
輝日東駅
七咲「……」
どうしよう…七咲まだ起きないよ。
とりあえずバスからお姫様抱っこで下ろしたけど…
七咲の分の運賃も僕が代わりに払っておいたけど…
七咲「……」
問題はこの後どうするかだ。
実を言うと僕は七咲の住所も電話番号も知らない。
誰かに聞くのも難だしな…このお姫様抱っこの状態じゃ。
…となれば、しかたがない。
タクシーで僕の家に連れて帰ろう。
歩きで行けない距離でもないけど…ついでに七咲は軽いけど…
炎天下を全力疾走した僕にはそんな体力は残ってない。
よし、そういうわけだからタクシーを呼ぶ。

橘家
美也の部屋
入ると向かって右の隅に美也のベッドがある。
ベッドは縦向きで、部屋のドアとは反対方向に頭を向けて寝る。
そのベッドに七咲を寝かせた。
七咲「……」
これでよし…と。
制服のまま美也のベッドに寝かせるのは気が引けるけど…
脱がすわけにもいかないしな。そんなことしたら変態だ。
七咲「……」
ん?七咲の奴、よく見ると額に汗をかいているじゃないか!
そりゃそうだな。今日は真夏日だったし。
しかもこんな制服を着ていれば暑いに決まってる。
それになんだかこの部屋も少し暑いなぁ。
よし、水枕とタオルでも持って来よう。
……
水枕をセットした。次はこのタオルで汗を拭いてあげよう。
七咲の額の汗を拭き取る…少し視線をずらすと首筋も汗をかいている。
首筋も…拭いた方が…いいよ…な?でも、襟をめくると…結構際どいぞ…
学校のプールで何度も見ている…そして今日の大会でも見た、七咲の首筋。
でも、これから襟をめくって見るのとでは訳が違う…
なんだか…こっちの方が…すごく…エッチだ。
下手すれば…下手してめくり過ぎたら…下着まで…見えてしまう…
いいのか、本当にいいのか、橘しゅう?
相手はまだ16歳の少女だぞ??本当にこんなことしていいのか??
うう…心臓がバコバコ言っている…
今日の爆走以上に心臓の鼓動が早い気がする…
うう…どうしよう…と、とりあえず…落ち着け、落ち着くんだ、橘しゅう!!
お前は何も悪くない!!
ただ…彼女のためを思って汗を拭いてあげようとしているだけじゃないか!
そうだ、何も悪くなんかない!!むしろいいことじゃないか!!
よし、覚悟を決めたぞ!!
僕は悩みに悩んだ末、実行することに決めた!
タオルを持った右手と、襟をめくる左手を恐る恐る七咲の首筋に近づけていく。
そうっと、そうっと、起こさないように襟をめくる。
汗で光っている七咲の首筋。なんだかすごく眩しくて、すごく興奮する。
それに…ちょっといい匂いだ。
その首筋にタオルを優しく当てがい、汗を拭きとっていく。
七咲「……」
よし、気持ち良さそうに眠っているぞ。今のうちだ。
僕はその作業に次第に慣れていき、どんどん汗を拭き取っていく。
次、ここ(鎖骨の辺り)を拭いたら終わりだ…そう思って油断した途端!
ぺらっ。
ん?………水色。
………水色?
あ、しまった!!ついうっかりしてめくり過ぎた!!
迂闊にも七咲の下着を見てしまったのだった!!そうか…七咲は…水色だったのか。
いやいやいや、そうじゃない!!!!僕のバカ、何やってんだよ!!
これはやらない約束だっただろ?誰との?そんなの…僕とだ。僕しかいないじゃないか。
もういい、汗を拭いてあげる作業は終わりだ。

あ、忘れてた!七咲の家に連絡しておかないと!
親御さんが心配するはずだ。
でも、連絡先がわからないな…どうすればいいんだ!?
うーん…何かメモとかなかったか…?
あ!そういえば前に一度七咲に聞いたことがあったっけ。
確か、僕の部屋の引き出しに!!

あった!
まったく、僕って奴は。七咲の連絡先くらい覚えておけよ…
よし、電話しよう。
でも、七咲の両親は共働きだからこの時間はいないはず。
郁夫はいそうだけど、あいつは無口だから電話に出てもな…
ま、いいや!だめもとで電話してみよう!
……呼び出し中
う…誰も出んわ…なんちゃって。
………ガチャ。
お!?出たぞ!
橘「もしもし、七咲…」
アナウンス「只今、留守にしております」
なんだ、留守番電話かよ…誰もいないのか。
電話を切った。
くそう、なんでこんな時に誰もいないんだよ!
これじゃ七咲を家に送り届けても意味がないぞ。
ん?待てよ…留守番電話!その手があった!!
……………
アナウンス「只今、留守にしております。発信音に続いてご用件をお話しください」
ピー
橘「もしもし、七咲さんのお宅でしょうか?」
橘「僕は…」
彼氏…じゃまずいよな。
橘「逢さんの知り合いで、輝日東高校3年A組の橘しゅうと申します」
橘「…………というわけで今逢さんは僕の家にいます」
橘「まだ起きそうにないので、もしかしたら帰るのは明日になるかもしれません」
橘「あの…変なことは決してしません!約束します!!」
橘(もう…しちゃったけどな。七咲の親御さん、僕は嘘をつきました)
橘(大切な娘さんに……本当にすみませんでした!!)
橘「それで、あの、お手数ですが、迎えに来ていただけるとありがたいです」
橘「僕の住所は………」
よし、電話はした。これでひと安心だな。

えっと…他に何かすることはあったかな?
とりあえず、七咲が起きたらお腹が空いているはずだ。
ちょっと冷蔵庫を見て来よう。
………
なんでこんな時に限って何もないんだよ!?
七咲を独りにして買いに行くわけにもいかないしな。
あ、カップラーメンはあったかな?
……
お!あるある!食材はなんとかあるみたいだ。よかった。
とりあえず、七咲が起きるまでそばにいてあげよう。
………
再び美也の部屋に行き、勉強机の椅子をベッドサイドへと運び、それに座る。
そしてしばらくの間、眠っている七咲をじっと見つめる。
七咲「……」
それにしても…かわいい…寝顔だよな。寝息もかわいい。
あのクールな七咲とは思えないくらいにかわいい。
時刻は今19時を回っている。
大会が終わってから約3時間の間、七咲は眠り続けている。
こんなにかわいい七咲を見ていたら…なんだか…僕まで眠くなってきたよ。
僕だって炎天下を爆走したんだからな。そりゃ疲れてて当然だ。
でも、僕は寝ないぞ!七咲が起きるまで起きていないと。

でも…こんなにかわいい七咲を見ているとあまーい気分になってきた。
いや、だめだ!寝ちゃいけない!!起きろ、僕!!
………
橘(………)
七咲「……」


翌日
0時
橘(………)
七咲「……ん?」
橘(………)
七咲「んん?あれ?身体が…重い。どうして……ええっ??」
橘(………)
七咲「先輩の変態!!」
ドタン!
僕を床に突き飛ばした!
橘「いてえええええええええええええええええええ!!」
橘「あれ?僕は…どうして床で寝てるんだろ?」
七咲「この変態!」
ドカッ!
橘「いてて!やめろ、蹴るな、七咲!」
橘「僕は何も悪いことしていないぞ!」
七咲「はい??先輩、自分が何したかまだわからないんですか?」
橘「何って…何をだよ?」
七咲「先輩はさっき私のお腹の上に顔を埋めて寝ていたんですよ?」
橘「…ん?あれ?そう…だったっけ?」
七咲「そうです!」
橘「うーん、よく覚えてないな」
七咲「もう…いいですよ」
橘「え?」
七咲「先輩、今までありがとうございました。これから警察に行きましょう」
橘「は?ええっ?何がいったいどうなって??」
七咲「先輩はバスの中で私が眠ったのをいいことに…」
七咲「家に連れ帰ってエッチなことをしたんです!この変態」
橘「え?ち、違う!そんなんじゃない!!」
七咲「別れましょう。そして先輩は刑務所で反省してください」

そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!

七咲アフターストーリーBAD・END
第7話「先輩、別れましょう」



……
………
いや、そんなの絶対に嫌だ!!!!
ここはどうにか引き留めて事情を説明しないと!!

橘「待ってよ、七咲!!僕の話を聞いてくれ!!」
七咲「……」
橘「お願い、聞くだけでもいいから!別れるかどうかはそれを聞いてからにしてくれ!」
七咲「…わかりました。聞くだけですよ」
橘「ありがとう」
僕は七咲にこれまでの経緯をすべて話した。
もちろん、汗を拭いたことは内緒だ。
七咲「そう…だったんですか」
橘「七咲が起きるまで僕も起きていようと思ったんだけど、」
橘「僕も疲れていたからいつの間にか眠っていたんだな」
橘「本当にごめん!」
七咲「いえ…先輩は悪く…ないですよ。悪いのは事情も知らずに大騒ぎした私の方ですから」
七咲「それより…怪我…してないですか?」
橘「あ、うん。なんとか」
七咲「本当に…すみませんでした!!」
七咲「美也ちゃんのベッドや水枕まで用意してくださった先輩にあんなひどいことを」
七咲が涙ぐみながら謝っている。
橘「いや、七咲だって悪くないよ」
七咲「え?」
橘「そりゃびっくりするよな。起きたら違う場所にいて、」
橘「しかも誰かが自分のお腹に顔を埋めて寝ているんだからな!」
橘「七咲じゃなくても相手を蹴り飛ばしたくなるって!」
七咲「先輩…」
橘「だからさ、結局誰も悪くはないんだよ」
七咲「先輩!!」
七咲が抱きついてくる。
橘「逢…よく…眠れた?」
七咲「はい、おかげさまで」
橘「そっか。ならよかった」
七咲「先輩…大好きです」
橘「僕もだ、逢」
約5分間ぎゅっと抱きしめ合う二人。
橘「あ、そうだ」
七咲「はい?何です?」
橘「七咲はずっと寝てたけど、お腹空いてない?」
七咲「そう…言われてみれば。でも、こんな夜中ですし…」
橘「さっき調べたらカップラーメンがあったよ。それでいいかな?」
七咲「あ、はい。構いませんよ」
橘「じゃ、居間に行こうか」
七咲「はい」

橘家・居間
橘「じゃあ、僕はトンコツで」
七咲「じゃあ、私はクスッ、このしょうゆラーメンにします」
七咲「先月先輩と一緒に行った遊園地のファラオを思い出しました」
橘「ああ!そういえば、七咲がしょうゆラーメンになったなぁ!」
七咲「はい。先輩が私を食べようとした、あのファラオです」
橘「う…まだ恨んでいたのか」
七咲「はい、当然です」
橘「それじゃお湯入れようか」
七咲「はい」
お湯をカップラーメンに注ぐ間…
橘(でもな、せっかく二人っきりになれたのにカップラーメンってのはな…)
橘(なんか、こう、とびっきりの出来事は起きないかなぁ…)
橘(例えば急に停電になって七咲に抱きつかれたりとか…ん?停電??)
橘(そうか、わかったぞ!!)
注ぎ終わった。
橘「七咲、ちょっと待ってて!いいものがあるんだ」
七咲「え…あ、はい」
橘(確かこの引き出しにしまってあったはずだ!…あった!)
七咲「先輩、カップラーメンできましたよ」
橘「じゃあ、ちょっとそこの電気を消してくれないか?」
七咲「え?どうしてです?」
橘「消せばわかるって」
七咲「はい」
電気を消す
七咲「でも、これじゃ真っ暗で何も見えませんよ」
橘「そう思うだろ?でも…!」
シュッ。
七咲「それは…マッチ?…あ!」
アロマキャンドルに火が灯る!
辺りがかすかに明るく、アロマな感じになる!
橘「アロマキャンドルさ。普通に食べるんじゃいまいち盛り上がりに欠けるからね」
七咲「それ…どうしたんです?」
橘「去年のクリスマス前、美也が商店街で見つけて興味半分に買って来たんだ」
七咲「美也ちゃんが?」
橘「うん。あいつには似合わないだろ?」
七咲「先輩、今の発言、美也ちゃんに言いつけますよ?」
橘「ああ、ごめんごめん」
七咲「きれい…ですね」
橘「なんだか…不思議な感じがするよ」
七咲「じゃあ、いただきます」
橘「いただきます」
ズルズルズル…
橘「うまいなぁ!腹ペコだったんだよな」
七咲「先輩。もっと静かにゆっくり食べてください」
七咲「これじゃせっかくの雰囲気が台無しですよ」
橘「あ、ああ、ごめん。そうだよな」
七咲「はい、気をつけてください。クスッ」
橘「……」
七咲「……」
しばらくの間、無言でアロマキャンドルを見つめながらカップラーメンをすする二人。
橘「……」
七咲「先輩」
橘「ん?」
七咲「こうしているとなんだかあの時を思い出しませんか?」
橘「あの時?」
七咲「私の、今年の誕生日です」
橘「ああ!」
七咲「先輩が私を学校で待ち伏せて、一緒に帰る約束をして…」
七咲「私が先輩と一緒に下校している間に、美也ちゃんが商店街でケーキを買って…」
橘「この家で3人で七咲の誕生日パーティをやったんだよな」
七咲「ええ」
橘「美也の奴、僕の金だからと言ってわざと大きいケーキを買って来て…」
橘「しかも、協力した見返りだとか言って一番大きなケーキを食べたんだよな」
七咲「え?あのケーキって先輩のおごりだったんですか?」
橘「そうだよ。登校前に美也に相談を持ちかけて、僕の財布を渡しておいたんだ」
橘「いや、違う。正確には僕の財布を奪われた…だな」
橘「本当は美也に二人で出し合って買おうって言ったのに、あいつときたら…」

回想
美也「ええ!?みゃーは貧乏だもん。そんなお金ないよー」
橘「頼む!そこをなんとか!七咲のためなんだ!それに七咲はお前の友達だろ?」
美也「そんなこと言われたってみゃーにそんなお金はないんだからね!」
橘「ほぉ」
美也「な、何よ?」
橘「まんま肉まんに、棒アイスに、タネウマクンタオルに…」
美也「う…」
橘「昨日はポロッキーを買ってたかなぁ。僕はすべて知ってるんだぞ!」
橘「美也…」
美也「う…な、何、にぃに?」
橘「僕にはすべてお見通しだ!美也、お前は…嘘つきだ!!」
美也「うう!…知ってたんだ、にぃに」
橘「ああ。すべてな。だから、美也はケーキを買えるお金を持っているはずだ」
橘「さあ、出してもらおうか」
美也「うう…こうなったら…」
橘「ん?何をする気だ?」
美也「はぁ。にぃに…みゃーはあきれたよ」
橘「え?」
美也「にぃには逢ちゃんの彼氏なんでしょ?」
橘「あ…ああ」
美也「だったら、自分でケーキを丸ごと一個買ってカッコイイとこ見せればいいのに!」
橘「う…」
美也「何でみゃーに頼るの?情けないよ」
橘「それも…そうだな」
橘(美也にしては珍しくまともなことを言っている…けど…)
橘(そうだよな、僕が馬鹿だったよ)
橘「美也、ごめんな。お前のおかげで目が覚めたよ」
美也「にぃに…」
橘「ケーキ代、全額渡すから…放課後に買ってきてくれ」
僕が財布を取り出した途端!
美也「にしし…隙アリ!!」
バッ!
橘「え?お、おい!!何をするんだ!?」
美也「にぃにの財布はみゃーが預かったのだ!」
橘「おい、返せ!どろぼう!」
美也「いやだもーん。えっと、どれどれ?うっわ!たっくさん入ってるー!!」
橘「こら!見るな!」
美也「2000円もあるー。これなら特大のケーキを買えるね!」
橘「やめろ!そんなデカいの買って来るな!僕の残金が!」
美也「にぃにが一日にお金を使うのって、自動販売機のジュースくらいでしょ?」
橘「何!?」
美也「朝飯、夕飯は家だし、お昼休みは校舎裏で逢ちゃんの手料理を食べているんでしょ?」
橘「!!なぜ、それを!?」
美也「ふふふ…みゃーにはすべてお見通しだよ」
美也「あ、いいこと思いついた。飲み水を学校の水道水にして…」
美也「雑誌とか無駄使いしなければ、お金を使わなくて済むね」
橘「く…」
美也「それに逢ちゃんへの誕生日プレゼントはもう買ってあるから大丈夫だしね」
美也「だから…にぃにはケーキを買えるお金を持っているはずだよ」
橘「僕のセリフをそのまま返したな…くそう」
橘(お宝本を買おうと思ってためた金をよくも…!)
美也「じゃあ、みゃーは学校行って来るのだー。にぃにも遅刻しないでよ」
橘「くそう…。まんまとやられた」


橘「…なーんてことが」
七咲「え?でも美也ちゃん、私の前ではお金を出し合ったって…」
橘「それはだな、足りない120円を払っただけだよ」
橘「後でお金足りなかったって文句言われたよ」
橘「まったく…困った奴だよ」
七咲「そういえば、あのケーキあれからどうなったんですか?」
七咲「3人とも食べ切れなくなって最後残りましたよね?」
橘「ああ、あれなら美也が無理して残り全部食べて、お腹壊したよ」
七咲「え?大丈夫だったんですか?美也ちゃん…」
橘「1時間トイレに籠りっきりだったな。あれが天罰ってやつか」
橘「あの時の美也はかなり調子に乗ってたからな。いい気味だ」
七咲「クスッ、兄弟っていいですね」
橘「よくないよ。特に美也みたいな奴は」
七咲「先輩。いくら恨んでいる相手だからと言って…」
七咲「人の不幸を喜ぶのはいけないことですよ」
橘「え?あ、うん」
七咲「…」
七咲が無言で僕に近づいて来る。
橘「え?」
七咲「そんないけない先輩にも天罰が必要ですね。えい」
橘「うお…」
七咲が…天罰と称して…僕の唇に…キスをしてきた!
七咲「ん!」
橘(七咲!?一体どういうつもりなんだ?)
七咲「んん!!」
橘(七咲が…柔らかい唇を思いっきり押し付けてくる…)
橘(しかも、七咲は両膝立ち、僕はあぐらの姿勢…)
橘(七咲に前から押されて…今にも後ろに倒れそうないきお…)
ドタッ
七咲「んんん!!!」
橘(言ってる傍から後ろに倒れてしまった!)
橘(七咲が上、僕が下っていう感じで寝転がってそのままキスをする…)
七咲「んんんん!!!!」
橘(まずい…息が…苦しい!!七咲、離してくれ!このままだと萌え死にしそうだ!!)
七咲「ん……はぁはぁはぁ…」
橘「はぁはぁはぁ…苦しかった…」
七咲「私もです。ふふっ」
橘「七咲、何でいきなりキスを?しかも今までより長くて強かった」
七咲「だから…これが先輩への天罰ですよ」
橘「天罰?」
七咲「先輩、さっき美也ちゃんのこと悪く言っていましたよね?」
橘「だって、あれは美也が勝手に…」
七咲「それは違うと思いますよ」
橘「え?違うって…何が?」
七咲「私、美也ちゃんの本心がわかりました」
七咲「実は私あの店のケーキ、郁夫の誕生日によく買っていたんです」
七咲「でも、うちは貧乏なのでいつも安いケーキしか買えませんでした」
橘「…」
七咲「そして、美也ちゃんが買って来てくれた高いケーキを食べた時」
七咲「すごくおいしくて感動しました」
橘「…」
七咲「それで…さっきの先輩の話を聞いていて、私思ったんです」
七咲「美也ちゃんは、私がまだ食べたことのない高いケーキを買って」
七咲「私に食べさせようとしていた」
七咲「そしてそれを先輩のカッコイイところにしようとしていたんじゃないかって」
橘「え?つまり…」
七咲「はい。先輩の財布を奪って、全額払ってでもあのケーキを買う必要があったんですよ」
七咲「先輩から私への最高の誕生日プレゼントにするために」
橘「そう…だったのか。あいつ…余計な気を遣って…」
橘「それならそうと、言ってくれればよかったのに。喧嘩せずに済んだのに」
七咲「仕方ないですよ。美也ちゃんも先輩に似て恥ずかしがり屋なので」
七咲「正直に、そのことを言えなかったんだと思います」
橘「そっか」
七咲「だから、そう考えると美也ちゃんが大きいケーキを食べたのは…」
橘「正真正銘、協力した見返りだったんだな」
七咲「はい」
橘「僕、今日美也が旅行から帰って来たらそのことを謝るよ」
七咲「私もそれがいいかと思います」
橘「それにしても僕って最低な兄貴で最低な彼氏だな」
橘「美也の思いやりに気付かず、勝手に美也のことを恨んで…」
橘「果ては七咲に言われるまで気づかないなんてな。はぁ」
七咲「はい、先輩は本当に最低なお兄ちゃんで本当に最低な彼氏ですよ」
橘「うう…傷つくなぁ」
七咲「でも、私はそれでいいと思います」
橘「え?」
七咲「先輩には最低な方がお似合いです。クスッ」
橘「七咲ー」
七咲「だって…そうでないと…さっきの天罰を与えることができませんでした」
橘「え?」
七咲「私はしっかり者の先輩よりも、馬鹿で最低な先輩の方が好きですよ」
橘「逢…」
七咲「先輩…あの時のケーキ、ごちそうさまでした。ありがとうございました」
再びキスをする。
橘(逢…逢…)
七咲(先輩)

こうして真夜中に七咲と誕生日の思い出について語り合った。
アロマキャンドルが成す最高のムードの中で…
僕と七咲は横になったまま、しばらくの間キスをし続けた。
お金は失ったけど…代わりにお金じゃ買えない大切な何かを手に入れた。
美也、すべてはお前のおかげだ。
僕の妹にしてはすごくいい奴だ。
今日旅行から帰って来たら、真っ先にお礼を言って謝ろう。



あれから何時間眠り続けただろうか…
気づいたら朝になっていた。
アロマキャンドルもすでに溶けてなくなっていた。
七咲とほぼ同時に目覚め、お互いの寝ぼけた顔を見て、笑い合った。
今日は美也が2泊3日の旅行から帰って来る日だ。
そして七咲は午後から水泳部の反省会で学校に行くらしく、
起きて早々、七咲を見送った。
結局七咲の親御さんは迎えに来なかった。
帰宅直後に電話してきた七咲によると、
親御さんは仕事が長引いて帰りが夜遅かったらしい。
それに疲れていたからすぐに寝てしまったそうだ。
郁夫もなんとか残り物のおかずを食べたそうだ。
七咲が親御さんに事情を説明し、今回の件は無事何事もなく終わった。
僕の努力(留守電)はいったい何だったんだよ…もう。
僕はまだ頭がボケている。
昨日はいったい何があったんだろう?
あれは夢だったのか?
よくわからない。
さて、朝飯を買いに行かなくちゃな。


七咲との夢のような3日間は終わった。
今年の夏休み一番の思い出となった。
まだ8月上旬だけどね。
七咲からパワーをもらって、受験勉強を乗り越えられそうな気がした!
まさにこれからが本番だ。よし、頑張ろう!

第8話に続く。

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