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2011-12-09

エピソード特別編「oneday two love stories 2nd:犬好きのイケメン」

次の日の昼休み

橘「お待たせ」
七咲「あ、先輩はB定食ですか」
橘「七咲はA定食なんだな」

今日は珍しくテラスで食べた。

七咲「A定食のカレーライスか、B定食のパスタで迷いました。パスタも食べたかったのですが……」
橘「あ、実は僕もカレーライスが……。よかったら少し交換する?」
七咲「はい」

七咲が少し遠慮してパスタを持っていった。

橘「それだけか?もっと食べていいよ」
七咲「いえ、それでは先輩の分が」
橘「交換だから、もっといいよ」
七咲「ありがとうございます」

今度は僕が少し遠慮してカレーライスを持っていった。

七咲「先輩こそ、もっと食べて下さい」
橘「いや、部活やってない僕はこのくらいがちょうどいいんだ」
七咲「……」

七咲がカレーライスをスプーンいっぱいにすくって……

七咲「先輩。あーん」
橘「あーん……もぐもぐ。おいしい!……って、遠慮したのに」
七咲「プレゼントです。受け取って下さい」
橘「ありがとう」

お互いランチを食べ進めたところで七咲が周りを確認し……

七咲「早速本題に入りましょう」
橘「ああ、そっか。報告しなきゃな」
七咲「で、誰なんです?」
橘「うん。中多さんによると……」
男子生徒「ちょっといいかな?」
七咲「えっ??」
橘「ん?」

見知らぬ男子生徒、それもイケメンがいきなり話しかけてきた。

男子生徒「キミ、絢辻さんと同じクラスの人だよね?」
橘「えっ??」
七咲「知り合いですか?」
橘「いや、まったく」
男子生徒「ああ、ごめん。こういう時はまず自分から名乗るってもんだよね」
男子生徒「僕はこの春3年B組に転校してきた、犬好忠生(いぬよしただお)です。よろしく」
橘「転校生なんだ……」
七咲「転校生?じゃあもしかして噂の??」
犬好「噂?何のことだい?」
七咲「私たちのクラスで上の学年にイケメンの転校生が来たって噂になっているんです」
七咲「あ、私は2年B組の七咲逢です」
橘「僕は3年A組の橘しゅうです」
犬好「イ、イケメン??やだなぁ。僕はイケメンなんかじゃ……」
橘(く、悔しいけど、僕よりはいい顔してると思うぞ)
犬好「ところでつかぬ事をお聞きしますが……」
七咲「は、はい」
橘「何だ?」
犬好「お二人のご関係は?」
橘「えっ??」
七咲「えっと……」
橘「カ……ん」
七咲「た、たまたま相席してるだけです!!」

カップルって言おうとした僕の口を逢が即座に塞いだ。
当然の反応だな。

犬好「そうなのかぁ。仲良さそうなカップルに見えたんだけど残念だなぁ」
橘(なんであんたががっかりしてるんだ!?)
犬好「定食交換したりして……いいなぁ」
橘(だからなんであんたが羨ましがる!?イケメンのくせに!)
犬好「僕もあーんとかされたいなぁ」
犬好「いや、むしろ、“待て”って言われてちゃんと待ったらエサをもらえる……みたいな?」
犬好「うーん、それよりも……」
橘「あの、妄想はそこまでにして下さい」
七咲「で、彼に何の用事なんですか?」
犬好「ああ、そうそう。何だっけ?」

ズサァ!

橘「おいっ!」
七咲「もう……」
犬好「いや、冗談。あはは……ごめん」
犬好「実は僕、絢辻さんと話したいんだ」
橘「……」
七咲「……」
犬好「……」
橘「それだけ?」
七咲「他には?」
犬好「以上」

ズサァ!

七咲「呆れました」
橘「話したいなら話せばいいのに」
犬好「でもクラス違うし、僕意外と人見知りしてて……」
橘「意外と?」
七咲「そうなんですか?」
犬好「うん」
橘「その割にはよく違うクラスの僕らに話しかけたよなぁ」
橘(ちゃっかり行動まで観察してるし)
七咲「同じクラスの人には相談しなかったんですか?」
犬好「いや、絢辻さんのクラスの人の方がよく知ってるだろ」
橘「まあな。でも絢辻さんは有名人だからなぁ」
犬好「有名人?」
七咲「ええ。去年の創設祭の実行委員長だったので、みんな知っているはずです」
犬好「そうだったのか」
橘「頭良くてスポーツも得意で美人で、キャリアウーマン!みんなの憧れの的だよ」
犬好「そ、そうなんだ……」

僕はパックのジュースを口に含んだ。

犬好「美人かぁ……七咲さんよりも?」
橘「ブーーーーーー」
七咲「先輩!」
橘「ケホケホ。いきなり何言うんだよ!ジュースを噴いちゃったじゃないか!」
犬好「おかしいなぁ。キミたち、たまたま相席しただけなんだろ?何でジュースを噴くんだ?」
橘「そ、それは……」
犬好「それは?」
橘「う……」
七咲「……」

七咲が見つめてきた。

橘「あまりにも愚かな質問をするからだよ!」
犬好「愚か?」
橘「後で絢辻さんを見てみろ!七咲とは比べ物にならないくらい美人だぞ?きっと鼻血出すぞ!」
七咲「……!」
犬好「ほぉ……」
橘「さっきも言ったけど、たまたま相席しただけなんだ。僕は絢辻さんの方がいいに決まってる!」
七咲「!」
橘(う……七咲、怒りを我慢している!)
犬好「……まぁ、そうだね。実は僕、絢辻さんに一目惚れしたんだ」
橘「……へぇ」
犬好「それで、どうしても絢辻さんと仲良くなりたいって思ったんだ」
橘「そうならそうと最初から言ってくれよ」
犬好「ごめん。恥ずかしくて言い出せなかった」
橘「そうだなぁ……絢辻さんと仲良くなりたいならクラス委員にでも立候補してみたら?」
犬好「クラス委員?」
橘「各クラスのクラス委員は時々集会を開くんだ。その時にでも!」
犬好「そっか!ありがとう!」
橘「お役に立てて何よりだ」
犬好「あ、でも……」
橘「ん?」
犬好「僕、夏休み前にはまた転校するんだ」
橘「えっ??来たばっかなのに?」
犬好「うん。両親がアメリカに転勤になって、3ヶ月間だけここでお世話になるんだ」
橘「へぇ……。一人暮らし?」
犬好「母の弟、つまりおじさんの家に居候している。おじさんの娘と一緒に」
橘「娘、何歳?」
犬好「7歳」
橘「へぇ……。そりゃかわいいだろうな」
犬好「僕に似て人見知りする」
橘「あれ?おじさんと娘の二人暮らし?」
犬好「うん。おばさんは事故で死んだって聞いた」
橘「そうなんだ……。ごめん」
犬好「ううん、いいよ」
橘「まぁ、転校大変だろうけど、頑張って!」
犬好「ありがとう!!七咲さんもありが……いない!!」
橘「あれ?消えた」
犬好「ごめん。僕が余計なこと言ったもんだから」
橘「気にしなくていいよ。頑張って」
犬好「うん!」

七咲は怒ってすでにいなくなっていた。
後で謝罪しなきゃな。
それにしても転校生の犬好か……。
転校早々絢辻さんを攻略するのは至難の業だと思うが……、まあ、頑張ってほしい。
僕よりも断然イケメンなんだから余裕だと思う!

犬好「絢辻さんと話すにはどうしたらいいんだろう?」
犬好「……そうか!」

次の休み時間

犬好「えっと、次は移動教室。理科室ってどこだ?」

転校したてで理科室の場所が分からない犬好。
辺りをキョロキョロしている。

??「何かお困り?」
犬好「えっ?……絢辻さん」
絢辻「あら、私のこと知ってるの?」
犬好「そりゃもう!!去年の創設祭の実行委員長だったって聞いてるし、一回見かけたことあるから」
絢辻「知ってたんだ。ありがとう」
犬好「いや、どういたしまして」
絢辻「それよりあなた、転校生なんでしょ?」
犬好「うん。B組の犬好忠生。よろしく」
絢辻「改めて、A組の絢辻詞よ。よろしく」
犬好「いやあ、嬉しいな。絢辻さんとお話できて嬉しいな」
絢辻「……そう?変な人」
犬好「絢辻さん、ありがとう!」
絢辻「まだ何もしてないけどね……」
犬好「そんなことない!!話してくれただけでも……」
絢辻「もしかして転校早々、場所が分からなくて困っているの?」
犬好「……えっ?あ、うん」
絢辻「確かB組は次の授業、理科だったわね。こっちよ」

絢辻さんが理科室まで付いて行くことに。

犬好「わざわざ付いて来てくれるの?場所教えるだけでいいのに」
絢辻「いいの。そんなに遠くないから連れて行ってあげる」
犬好「……」
犬好(絢辻さんに連れて行ってもらえるなんて!!)
絢辻「この角を右に曲って……」
犬好(こ、こんな贅沢していいのか!?)
絢辻「で、ここが理科室よ」
犬好(いいんだよ!!絢辻さんにどこまでも連れて行ってもらいたい!!)
絢辻「道覚えたわね?」
犬好(もう僕のご主人様は絢辻さんしかいない!!僕は……僕は……絢辻さんの飼い犬になるんだ!!)
犬好「いよっし!!」

犬好は突然満面の笑みでガッツポーズした。

絢辻「聞いてた?」
犬好「……えっ?」
絢辻「私の説明ちゃんと聞いてた?」
犬好「……う、うん、もちろんさ!」
絢辻「……聞いてなかったようね」
犬好「う……」
絢辻「あなたのために一生懸命説明したんだからちゃんと聞きなさい。まったく」
犬好「ごめんなさい。ありがとうございます」
絢辻「それじゃ、また何か分からないことがあったら遠慮なく聞いて」
犬好「うん!」
絢辻「じゃあ、また」

犬好は幸せを噛み締めながら理科室に入っていった。

桜井「転校生の犬好君だよね?」
犬好「うん」
桜井「私、桜井梨穂子。よろしく」
犬好「僕は犬好忠生。よろしく」
伊藤「よかったら、私たちと一緒にやらない?あ、私は伊藤香苗。桜井の友達」
犬好「よろしく」

同じクラスの梨穂子と香苗さんとも友達になれたようだ。


次の日の休み時間

伊藤「でね、桜井ったらおっかしいんだよ」
桜井「そ~んなことないよぉ!」
犬好「あはは」
女子生徒「犬好せんぱ~い!」
女子生徒「これ、受け取って下さい!」

後輩と思われる女子生徒が犬好にプレゼントを渡していた。

犬好「ありがとう」
伊藤「人気者だね。羨ましいな」
犬好「そ~んなことないよぉ!」
桜井「私の真似?似ってな~い」

その様子を遠目で見ていた僕。

橘「転校早々人気者か。すごいな」
梅原「お前、あいつのこと気になるのか?」
橘「ああ、ちょっとな」
マサ「3年B組、犬好忠生」
マサ「家族構成は父、母と三人暮らし。つまり一人っ子」
マサ「その両親が3ヶ月間だけアメリカに転勤になった影響で、あいつも3ヶ月間だけこの学校にいる」
マサ「輝日東に母の弟の家があって、居候している」
マサ「ちなみに母の弟の妻は交通事故で死亡。現在は7歳の娘と二人暮らし」
橘「うん。本人から聞いた」
梅原「お前、あいつと話したのか?」
橘「うん。他愛もない会話だ」
マサ「じゃあ、これは知ってるか?母の弟はこの地で刑事をやっているって話だ」
マサ「泣く子も黙る輝日東署の有名な刑事だって話だ」
橘「へぇ。すごいな」
ケン「見て分かる通り、前の学校でも相当モテたらしいぞ」
ケン「なんたって、普通の男子生徒の三割増しイケメンだからな」
ケン「ラブレターとかプレゼントとか、置き場所に困るくらいもらってたって話だ」
橘「へぇ。すごいな……って!どっからそんな情報を仕入れた!?」
マサ「へっへっへ!」
ケン「俺たちの情報網をナメんなよ!キリッ」
梅原「ちなみに、あいつ、名前の通り、相当な犬好きだって話だ」
梅原「野良犬を見かけるとついついエサをやりたくなるらしい」
梅原「下校途中であいつが野良犬にエサをやっているところを見かけた生徒もいるらしい」
橘「へぇ」
棚町「あ、それ、あたしも見た」
橘「薫」
棚町「何か、犬に“おすわり”とか“待て”とか“お手”とか言ってた」
橘「エサやるだけじゃなくてしつけもするのか!大したもんだな」
マサ「ここだけの話、あいつ、時々ポロッと呟くらしい。“僕も犬になりたい”」
橘「ええっ!?」
橘(あ、そういえばそんなこと言ってたな)
棚町「犬になりたい?どゆこと?」
梅原「棚町には分からないだろうな~」
ケン「男ってのはな、男ってのはな、女にしつけられたいっていう願望があるものさ!」
マサ「そうさ!女のことを“ご主人様”と呼び、自分は“ご主人様”の飼い犬になる!」
梅原「これがどんなに幸せなことか!」
ケン「“ご主人様”に逆らうと叱られて、踏まれて、痛い!」
マサ「でも、それがいい!!“ご主人様”に踏まれてこそ立派な飼い犬!」
梅原「ああ!僕は、一生“ご主人様”のオトモをします!!どこまでも連れて行ってくだせぇ!!」

ドM発言に花を咲かせる梅原とマサとケン。

棚町「……それ、ただのドMじゃん。だっさ~い。あんたもそう思うでしょ?」
橘「ま、まあな……」
棚町「さて、次の授業行かなきゃ」
橘「ああ」
マサ「うあ、一蹴された……」
ケン「何も言うな」
梅原「そうさ。この快感が分からない奴ぁほっとけ」
橘「……」

こうして、犬好のことが色々分かった。
要するに……ドMなんだな。
もしかして絢辻さんに近付いたのも飼い犬になりたいから?
……いや、違うだろ。



3rdへ続く

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