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2011-12-09

エピソード特別編「oneday two love stories 1st:現れた謎のイケメン」

それは、高校3年生の春の出来事だった。
あまりに突然過ぎてびっくりした。

ある日の2年B組の教室

美也「ふわ~~~。や~~っと日本史の授業が終わったよぉ」
中多「美也ちゃん、眠そうだね」
美也「眠いよ、紗江ちゃん。夕べは発売されたばっかりの漫画を読んでて、つい夜更かししちゃったから」
中多「そ、そうだったんだ……」
美也「すっごい面白いんだよ!!紗江ちゃんに貸してあげようか?」
中多「うん。読みたい」
女子A「ねぇ、聞いた?」
女子B「どうしたの?」
女子A「上の学年に転校生来たんだって!!」
女子B「うっそぉ?マジで?男?女?」
女子A「男!!すっごい、びっくりするくらいのイケメンなんだって!」
女子B「イケメン!?逢いたい!!」
女子A「んじゃ、見に行こう?」
女子B「うん!!」
美也「上の学年って、お兄ちゃんの?……くっだらな~い」
中多「美也ちゃん、興味ないの?」
美也「みゃーはまんま肉まん以外には興味ないのだー」
中多「……え、えっと、次は移動教室だよ」
美也「うん」

七咲「……転校生?」

同じ日の3年A組の教室

梅原「いよっす、大将」
橘「……眠いから寝る」
梅原「何だよ、つれねぇな」
橘「昨日はお前から借りたお宝本を読んでて、夜更かししたんだよ」
梅原「お?どうだった?」
橘「最高だな!」
梅原「だろだろ?……って、そうじゃない」
橘「ん?」
梅原「隣のクラスに転校生来たんだよ。知ってっか?」
橘「女子か?」
梅原「残念。男子だ。それもかなりのイケメンらしいぜ」
橘「野郎か。興味ない」
梅原「あのハナヂ王子よりもイケメンで、ハナヂ王子も嫉妬してるらしい」
橘「ああ、森島先輩がどうとか言ってた花園聖治か。どうでもいいや」
梅原「……ま、転校生が女子だとしてもお前には関係ないか」
橘「どういう意味だ?」
梅原「言わせんなよ、恥ずかしい」
橘「……」
梅原「……ああ、七咲、かわいいよぉ!いやん、先輩、素敵ですぅ!」
橘「……ぐーぐー」
梅原「……狸寝入りか。照れんなって」

一方、その頃……

七咲「転校生……くしゅっ」
七咲「……何だろう?一瞬寒気がした」

放課後

美也「や~~~っと今日一日が終わったね~」
中多「今日は用事ないから一緒に帰る?」
美也「うん。あ、みゃートイレ寄ってく」
中多「じゃあ、正門で待ってるね」
美也「うん」

美也がダッ君ハンカチで手を拭きながらトイレから出て来た。

美也「さて、紗江ちゃんが待ってる。行かなくちゃ」

その時、少し開いていた廊下の窓から隙間風が吹き、ハンカチが飛ばされた。

美也「あ!」

美也が飛んで行くハンカチを追いかけ、取ろうとした時……

男子生徒「ん?」
美也「あ……」

足元に落ちたハンカチを男子生徒が拾った。

男子生徒「これ、キミのかい?」
美也「は、はい」
男子生徒「……」
美也「……」

男子生徒が美也にハンカチを渡した。
美也は何故か顔を少し赤らめ、無言になった。

中多「忘れ物しちゃった……えっ?美也ちゃん?」

忘れ物を取りに戻って来た中多さんが少し離れた場所から二人を見ていた。

男子生徒「……かわいいね」
美也「えっ?」
男子生徒「それじゃ、僕はこれで失礼するよ」
美也「あ……あのっ」

男子生徒はすでに去った後だった。

美也「う……何この気持ち」
中多「美也ちゃん?」
美也「……何なの」
中多「美也ちゃん」

美也はボーッと何かを考えながら、背後の中多さんに気付かずに前進した。

美也「……あ、そうだ!紗江ちゃんを待たせていたんだ!」
中多「ひっ!」

美也は急に思い出し、急に後ろに向き直った。
当然中多さんはびっくりして後退りした。

美也「紗江ちゃんいたんだ~。び~っくりした」
中多「み、美也ちゃんこそ……」
美也「正門じゃないの?」
中多「ちょっと忘れ物しちゃって……」
美也「……見た?」
中多「えっ?」
美也「今の見た?」
中多「えっ?何を?」
美也「紗江ちゃん。ちょっと来てもらっていい?」
中多「えっ?どこ?」
美也「来れば分かる」
中多「……?」

その後、美也は中多さんを保健室に連れて行き、拷問したようだ。

美也「……」
中多「……」
美也「ねぇ、紗江ちゃん。この気持ちは何だと思う?」
中多「えっ?……わ、分からない」
美也「……だよねぇ」
中多「美也ちゃん。そろそろ帰ろう?」
美也「そだね~」

橘家で……

美也は居間でテレビを見ながらぼんやりとしている。

美也「……はぁ」
橘「美也。風呂だぞ」
美也「……」
橘「美也。聞いてるのか?」
美也「……」
橘「美~也!!」

美也に近付いて耳元で叫んだ。

美也「わわっ!び~っくりした。なんだ、にぃにか」
橘「なんだとはないだろ?どうしたんだよ?」
美也「どうもしないよ。それより何?」
橘「風呂」
美也「分かった。入るよ」
橘(おかしなやつ……)

翌日の学校

先生「ここはこういう心情を表しているんですね~」
美也「……」
先生「で~はここを、そうだなぁ?聞いてなさそうな橘!」
美也「……」
七咲「美也ちゃん」
先生「橘、起立!読んでみなさい……って、教科書も出さずに何やってるんだ?」
七咲「美也ちゃん!当てられてるよ!」
美也「……ふぇ?な、何、逢ちゃん?」
先生「橘!早く教科書を出しなさい!」
美也「え、えっと……次の問題を解け。5人中3人を選ぶ方法は何通りあるか」
先生「はぁ?」
七咲「美也ちゃん!今現代文!」
美也「え?あ!」

美也は焦って引き出しの中を探り始めた。
周りは笑っている。
事情を知っている中多さんも苦笑い。

先生「橘!後で補習のプリントを渡す!七咲。代わりに読みなさい」
七咲「はい」
七咲(美也ちゃん、どうしたんだろう?昨日まではこんなことなかったのに)
七咲「……触れ合う手。真っ赤に染まる頬」
七咲(まさか!……でも、考えられる。私だって去年は……)
先生「はい、よろしい。今日の授業はここまで。橘は職員室に来なさい」

美也「ふぇぇ。補習プリントだよ~」
中多「美也ちゃん……」

橘「やっとお昼だ!」
橘(早く校舎裏に向かおう。今日は七咲と食べるんだ)
七咲「先輩」
橘「あれ?七咲。これから向かうところなのに」
七咲「ちょっとお話があるんです。場所を変えましょう」
橘「校舎裏じゃなくて?」

橘「で、屋上か」
七咲「先輩」
橘「うん」
七咲「単刀直入に聞きます」
橘「な、何だよ、怖いな」
七咲「美也ちゃん、昨夜はどんな様子でした?」
橘「えっ?昨夜?」
七咲「はい」
橘「……そうだな。何かぼんやりしてた」
七咲「ぼんやり?」
橘「まんま肉まん、ほとんど口にしてなかったし、変だった」
七咲「具合悪そうでした?」
橘「いや、ぼんやりしてるだけだったけど……何でそんなこと聞くんだ?」
七咲「美也ちゃん、授業中ずっとぼんやりしていました」
橘「夜更かししたんじゃないか?」
七咲「でも、夜更かしした時はちゃんと教科書を出していました」
七咲「それに、現代文の授業は指名されてちゃんと答えられなかったら補習があるんです」
橘「いつもは眠くてもちゃんと警戒しているのか」
七咲「はい」
橘「確かにそれは変だ」
七咲「それで私、思ったんです」
橘「うん」
七咲「美也ちゃん、ひょっとして……恋わずらいなんじゃないですか?」
橘「……恋わずらい?」
七咲「誰かに片思いして、ずっとその人のことを考えてぼんやりしているんです。夜も眠れないほど」
橘「……本当に?」
七咲「はい。私にも似たような……な、何でもありません」
橘「知ってるよ。別に隠さなくていい」
橘「だけど美也が恋わずらい?ありえないな」
七咲「えっ?」
橘「あいつはよく言ってる。“みゃーはまんま肉まん以外には興味ないのだー”」
七咲「でもそれは建前で、実際は……」
橘「きっとまんま肉まんに恋わずらいなんだろう」
七咲「先輩。真面目に考えてあげて下さい」
橘「あのなぁ、僕は受験生なんだぞ?一緒に勉強しようって言ったのは誰だよ?」
七咲「でも、妹ですよ?」
橘「妹だろうと関係ないよ。ていうかむしろ妹だからこそ手を出さない」
七咲「どうしてですか?」
橘「妹の恋だぞ?兄貴の出る幕じゃないだろう。余計なお世話だ」
七咲「そうですか……。そうですよね」

七咲が少し落胆しているのが分かる。
よほど美也のことが心配なんだろう。

七咲「あ……」

七咲を抱いた。

橘「心配してくれているんだな?ありがとう」
七咲「いえ……」
橘「協力するかどうかは分からない。でも……一目見てみたいな」
七咲「一目?」
橘「うん。あの鉄壁の美也を惚れさせた相手を。どんな奴なんだろう?気になるな」

七咲を離した。

橘「美也が恋わずらいになったのは昨日の放課後で間違いないな?」
七咲「はい。それまでは普通でした」
橘「じゃあ、もしかしたら目撃者がいるかもしれない」
七咲「目撃者?本人に聞かないんですか?」
橘「美也が簡単にしゃべってくれる相手なら苦労しないよ。七咲もそうだったし」
七咲「そうですね。目撃者を探しましょうか?」
橘「うん。……って言ってもその時間に美也の周りに誰がいたんだろう?」
七咲「手当たり次第聞いたら不審がられますからね」
橘「七咲。心当たりないか?美也の周りによくいる人。友達とか」
七咲「友達、ですか。美也ちゃん、友達多いので……」
橘「うー」
七咲「……あ!中多さん!」
橘「ん?」

偶然屋上に中多さんが現れた。
どうやら独りのようだ。

中多「あ、七咲さん。橘先輩」
七咲「……知り合いですか?」
橘「前に何回か話したことあるんだ」
中多「何か、私に用ですか?」
橘「えっと、美也って今どうしてる?」
中多「美也ちゃん……ですか?」
七咲「美也ちゃん、昨日から変だけど、何か知ってる?」
中多「えっ?昨日?」
橘「兄として、あいつが心配なんだ。知ってること、何でもいいんだ。話してほしい」
中多「う……」

(中多さんの回想)
中多「み、美也ちゃん。許して」
美也「紗江ちゃんの体は正直でよろしい!にししし」
中多「美也ちゃん、許して。お願い」
美也「誰にも言わないって約束する?」
中多「う、うん」
美也「本当に?お兄ちゃんや逢ちゃんにもだめなんだからね!」
中多「わ、わかったから、離して」

中多「……分かりません」
橘「……そっか」
七咲「他を当たりましょうか?」
橘「……」
中多「……」
七咲「先輩?」

僕は中多さんを見つめた。
中多さんの目はうるうるしている。
中多さんは何かに怯えているようだ。

橘(何か、知ってるな。大方、美也に口止めされているんだろう。あいつならやりかねない)
七咲「先輩。行きますよ」
中多「そろそろ授業が」
橘「中多さん」
中多「はい」
七咲「……?」
橘「中多さんのことは七咲が守ってくれる。だから、後で本当のことを話してくれないか?」
中多「……えっ?」
七咲「先輩。何を言っているんですか?」
橘「おそらく、美也に口止めされているんだろう」
中多「!」
七咲「美也ちゃんが?」
橘「前に一回、偶然にも美也が中多さんをいじっているところを目撃したんだ」
中多「えっ?」

橘「ほら、前に保健室で美也が中多さんにあやかっていただろう?」
中多「あ……」

七咲には話せない内容なので、中多さんにこっそり耳打ちした。

中多「そ、そんなこともありました」
橘「美也は中多さんを口止めしている。もしも漏らしたことがバレたら……」
七咲「……美也ちゃんがそんなことするんでしょうか?」
橘「万が一だ。美也のそばにいて、一番監視しやすい七咲が適任だ」
七咲「か、勝手に決めないで下さい!」
橘「僕は美也の力になりたい。これは美也のためなんだ!だから、中多さん、お願い!」

僕は中多さんに頭を下げた。

橘「中多さんの身の安全は七咲が保証するから!」
七咲「ちょ……」
中多「……」
橘「……」
七咲「……」
中多「……分かりました」
橘「ありがとう!」
七咲「先輩!」
橘「何だよ?言いだしっぺは七咲なんだぞ。しっかり責任とってくれ」
七咲「……」
中多「あ、そろそろ授業ですね」
橘「よし、戻ろう」
七咲「先輩……」

放課後

七咲「私は部活があるので失礼します。話は後で聞きます」
橘「分かった。美也は補習みたいだし、ちょうどいい。行こう」
中多「はい」

中多さんを人目につかない場所に連れて行った。

橘「それで?相手は誰なんだ?」
中多「えっ?」
橘「七咲の推理によると、美也は恋わずらいらしい」
中多「……分かってたんですね」
橘「うん」
中多「……実は」

中多さんから昨日の放課後の出来事を聞いた。

橘「美也がかわいいって言われた!?」
中多「こ、声が大きいです」
橘「ごめん」
橘「それは美也のことなのか、あるいはハンカチのことなのか」
橘「うーん。どっちも考えにくい」
中多「どうしてですか?」
橘「美也を褒めたとしよう。その場合はきっとあのお子ちゃま体型のことを言っているんだ」
橘「そんなイケメンな男子高生がお子ちゃま体型の女子高生を本気でかわいいと思うだろうか?」
橘「あるいはからかっているんだな」
橘「ハンカチを褒めたとしよう。その場合はきっとダックスフンドのダッ君のことを言っているんだ」
橘「犬好きなら分かるけど、そうじゃないならおかしい」
橘「さっきも言ったけど、そんなイケメンな男子高生がダッ君を本気でかわいいと思うだろうか?」
橘「あるいはからかっているんだな」
中多「……」
橘「結論。美也の片思いだ」
中多「えっ?そんな……」
橘「でも、おかしいな」
橘「あの美也だよ?あの美也がだよ?」
橘「イケメンに“かわいいね”って言われただけで恋わずらいになるとはなぁ」
中多「美也ちゃん、まんま肉まん以外興味ないって言ってましたが」
橘「そうなんだよな。天変地異の予兆だ。何か起きるよ」
中多「……あ」
橘「どうした?」
中多「すみません。パ……お父さんとの約束があるのでそろそろ帰ります」
橘「分かった。ありがとう」
中多「先輩、美也ちゃんをお願いします」
橘「任せて」
中多「失礼します」

こうして僕は中多さんから詳しい事情を聞き、色々推理してみたが、やはり腑に落ちない。
美也を惚れさせたイケメンって誰なんだ?



2ndへ続く

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