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2011-11-17

エピソード「先輩、祈を猛特訓します!」

僕と逢の娘、祈が小学校低学年の時のちょっとした心温まるエピソード。


コンコン。

しゅう「祈、ご飯だぞ」
祈「わかった」

この日も僕の仕事が早く終わった関係で、七咲家揃っての夕飯となった。

しゅう「いただきます」
逢「いただきます」
祈「いただきます」

逢「そういえば、祈。今日学校からお便りもらってない?」
祈「ないよ」
逢「……そう」
しゅう(……?)

祈は誰に似たのか真面目な子で、学校からお便りをもらうと、帰ってすぐに逢に渡している。
でも、今日だけは珍しくお便りをもらってないそうだ。
渡したくないのか、それとも本当にもらってないのか。

祈「ごちそうさま。お風呂入ってくる」
逢「……」
しゅう「……?」

祈はまっすぐとお風呂へ向かった。

しゅう「さっきからどうした?」
逢「……何かひっかかります」
しゅう「何が?」
逢「隠し事してますね」
しゅう「え?」
逢「誰かさんにそっくりなので、すぐに分かります」
しゅう「誰にそっくりだって?」
逢「……ふっ」
しゅう(まさか僕か?いや、そんなはずは……)
しゅう「どこへ行くんだ?」
逢「付いて来ないで下さい」
しゅう「なんで?」
逢「……」

そう言うと逢はどこかへ行ってしまった。
しばらくして……

逢「やっぱりこういうことだったんだ……」
しゅう「何が?どういうこと?」
逢「これですよ」

祈がもらっていたお便り。
来週の土曜日、水泳大会があるとのこと。

しゅう「まさか!?」
逢「ええ、そのまさかです。私、このお便り見たことありません」
逢「それに、夕飯の買い物をしていたら、同級生の子たちが水泳大会のことを話しているのを聞きました」
しゅう「祈……もしかして泳げないのか?泳げないの見られたくないから?」
逢「間違いありませんね。いつもお便りを見せている祈が今日に限って見せたがらないんですから」
しゅう「……突然変異?本当に逢の娘か?」
逢「失礼ですね!私だって最初は泳げませんでした!」
しゅう「そりゃそうだ……」
しゅう「……で?泳げない娘を放っておけない競泳の選手である母親はどうするんだ?」
逢「決まってます」
しゅう「……だよな。僕だって祈が泳げないってのは悔しいよ」
祈「お風呂入ってき……あ!」

お便りを見せなかったことがバレた祈は気まずい表情になった。

祈「え、えっと……」
逢「今週末空いてますか?」
しゅう「今週末か……どうだろ?」
逢「まあ、別に、私だけでも十分ですが」
しゅう(要するに、祈の水泳の特訓に付き合えと)
しゅう(今週末仕事だったような……いや、でも!せっかくの逢と祈の水着姿が見られる絶好の機か……)
しゅう(いや、違う違う!僕は何を考えているんだ!祈が泳げるように見ててあげるんだ!!)
しゅう「休みが取れたら一緒に行くよ」
逢「わかりました」
祈「何の話?」
逢「ふふっ」

逢は祈に水泳大会のお便りを見せつけながら……

逢「いい?必ず一等取るからね!あなたは七咲逢の娘なんだから!!」
祈「うん……え、ええええええええええええ!?」
逢「覚悟してね」

こうして逢の競泳選手としての血が再び騒ぎ出し、祈の水泳大会に向けての猛特訓が始まることとなった!
僕も二人のそばにいて、二人の水着姿を見……じゃなくて!二人を見守るんだ!!



結局、僕も運良く休みを取れて、一緒に市営プールに向かった。

しゅう「お、おおおおお、こ、これは!」

何度も見て、見慣れているはずの逢の競泳水着姿が眩しい!!
そして逢の横に並んでスクール水着姿の祈を初めて見た!!
逢の娘とあって、胸はちょっと寂しいけど、それでもこれからの成長を期待しよう!

逢「行くよ」
祈「うん……」
しゅう「ビート板要らない?」
逢「なくても大丈夫です」

ビート板不要。
その意味はすぐに分かった。

逢「ほら、ちゃんと両手持ってるから、25メートルバタ足」

幸い、祈は顔を水につけるのは躊躇いなくできている。
問題はちゃんと泳げるか。
逢がビート板を使う代わりにちゃんと祈の両手を持ち、祈のバタ足の手助けをしている。
……って、あれ?
僕の出番がないじゃないか!!
何のために一緒に来たんだろう?

その後も逢の指導は続くが……

逢「違う!!何度やったら分かるの?ここはこうだって言ったじゃない!!」
祈「うん……」
逢「そうじゃなくて!!」
祈「わかんないよ……」
逢「もう一回見て!こう!!」

逢の指導は次第に厳しさを増していく……。
周りの客たちも振り向くくらいの大きな声だ……。

しゅう「ちょ、逢。祈が泣きそうじゃないか。そこまでしなくても……」
逢「黙ってて下さい」
しゅう「……はい」

こうなったらもう僕にも手がつけられない。
僕は何のためにここにいるんだろうか。
まあいいや、二人を見守りながら泳ぐとしよう。

泳ぎながら時々逢と祈の方を振り向くと……

しゅう「あれ?」

祈がだんだん泳げるようになってる!
逢の表情も少し緩んでいるような……時折笑みがこぼれているのが分かる。
ただし、祈にはバレないようにこっそりと逢が微笑んでいる。

逢「じゃあ、クロール25メートルいくよ。よーい、はい!」
しゅう「おお……」

僕は再び逢の隣に移動して祈の泳ぐ姿を見た。
さっきまではバタ足すら覚束なかった祈が、もうクロールを泳げるようになっている。

しゅう「やっぱり小さい子って吸収早いんだな。羨ましいよ」
逢「だからこそこうして厳しくするんです。鉄は熱いうちに打て……ですよ」
しゅう「とりあえず今日は何が出来ればよしとするんだ?」
逢「小学校低学年の水泳大会ならば……クロールと背泳でしょうか」
しゅう「誰かさんの得意分野か。僕の出る幕じゃないな」
逢「ええ。だから付いて来なくてもよかったんですよ」
しゅう「そ、そういう言い方は……。僕だって……」
逢「水着姿が見たいと?」
しゅう「ち、違う!い、祈の成長をだな……」
逢「相変わらず変態ですね」
しゅう「そうじゃなくて!!」
逢「ちょっと休憩したら次は25メートル背泳ぎいくからね」
しゅう「聞いてないよ……」

その後も逢の厳しい指導は続いた。

逢「先輩は先に上がってロビーで待ってて下さい」
しゅう「わかった」

言われた通りに着替えてロビーで一人で待っていると、祈が先にやって来た。

しゅう「あれ?お母さんは?」
祈「先行っててって言われた」
しゅう「そっか……」

ピッ。ガゴン。

しゅう「喉渇いただろ?水」
祈「ありがとう」

しばらく沈黙が続いた。
さすがの祈も、逢の厳しい指導に堪えたようだ。
水泳は上達したけど、逢の厳しさと疲労によって少し落ち込んでいる。

しゅう「水泳、うまくなったな。この分だと一等は楽勝じゃないか?」
祈「……うん」
しゅう「……どうした?うまくなったんだから、もっと自信持っていいよ」
祈「……うん」
しゅう「祈?」
祈「……」
しゅう「お母さんが厳しかったから、いっぱい怒られたから、落ち込んでいるのか?」
祈「ち、違うよ……そんなんじゃ……」
しゅう「まあ、確かにやり過ぎだったかもな。他のお客さんもドン引きしてたし」
しゅう「あんなに大声で怒ったら誰だってびっくりするよ。一番近くにいた祈が一番びっくりするよな」
祈「怖かった」
しゅう「……」
祈「お母さん、怖かった」
しゅう「……」
祈「ねぇ、どうしてあんなに怒るの?水泳できないからってあんなに怒らなくたって……」
祈「お母さん、私のこと、嫌いなの?だから怒るの?」
しゅう「……」
祈「……」
しゅう「……逆だよ」
祈「え?」
しゅう「好きだからこそ怒るんだよ」
祈「ええ?なんで?」
しゅう「祈は一生懸命泳いでいたから知らないけど、お母さん、泳ぎが上手くなった祈を見て微笑んでいた」
しゅう「嬉しいんだよ。祈が水泳うまくなったことが、誰よりも嬉しいんだよ」
しゅう「ただね……照れ屋さんだから、祈の前では厳しい顔してたんだよ」
祈「お母さん、照れてたの?」
しゅう「そう。昔からああなんだ」
祈「昔から?」
しゅう「うん。お母さんとは高校生の時に知り合ったんだ」
しゅう「本当は嬉しいのに、照れているのに、それを隠してわざと素っ気ない態度をしていた」
しゅう「さっきの祈に対してみたいに」
しゅう「お母さんも祈くらいの時に病弱で、それを治すために水泳を始めたらしいんだ」
祈「お母さんも?」
しゅう「そう。たぶん祈とまったく同じ。泳げなかったんだと思うよ」
しゅう「だから、祈に当時の自分を重ねていたんだよ」
しゅう「立派に育ってほしいっていう想いが強くて、それであんなふうに熱くなっちゃったんだ」
しゅう(鉄は熱いうちに打て……か。熱いのは逢も同じじゃないか)
祈「じゃあ、私のためにあんなに厳しかったってこと?」
しゅう「そういうこと。やっぱり自分の娘として、泳げないっていうのは嫌なんだろうな」
しゅう「立派に泳げてこそ自慢の娘なんだよ。それは僕も同じ」
祈「お父さんも?」
しゅう「もちろん!」
祈「……そうなんだ」
しゅう「……にしても、祈もお母さんと同じくらい照れ屋さんだよなぁ」
祈「え?なんで?」
しゅう「水泳大会のこと、黙ってただろ」
祈「ん……そ、それは」
しゅう「祈も知っての通り、お母さんは競泳の選手だ。その娘が泳げないなんて口が裂けても言えない」
しゅう「だから黙ってたんだろ?お母さんには言えないから」
祈「ち、違うもん」
しゅう「でも、結局黙ってる必要なんかなかったよ。今こうしてお母さん喜んで協力してくれたじゃないか」
しゅう「お父さんもお母さんもいつでも祈の味方だ。もう隠す必要なんかないよ」
しゅう「できることなら喜んで協力するから」
祈「うん!ありがとう」
しゅう「……ところでお母さん遅いよなぁ。何してんだろうね」
祈「ひょっとして照れてるんじゃ……」
しゅう「ありえる!」
逢「誰が照れてるですって?」
祈「お母さん……」
しゅう「あ、いたのか。気付かなかった」
逢「二人とも、今夜は夕飯抜き!」
しゅう「えええええ!?」
祈「そ、そんな……」
逢「冗談」
しゅう「なんだ……」
祈「よかった」

祈は一瞬笑うものの、さっきまでの逢との厳しい特訓を思い出して再び表情が曇る。

逢「祈、今夜何食べたい?」
祈「え、えと……」
しゅう「は~い!僕カレー食べたいで~す!」
逢「うるさいです」
しゅう「う……すみません」
祈「ふ、ふふっ。私もカレーがいい」
逢「よし。じゃあ買い物行こっか!ほら、行くよ」

逢が祈の手を引いて行く。

祈「うん!」

祈の表情も笑顔になった。


買い物をしながら祈に聞こえないように逢と話をした。

しゅう「なるほどな」
逢「何ですか?」
しゅう「どうして僕が一緒に来たか分かった」
しゅう「お母さんの厳しさに心が折れそうになった娘のフォローをするためなんだな」
しゅう「確かに、僕でも泣きそうになるくらい怖いお母さんだったもんなぁ」
逢「……今度みっちりお説教をしてあげましょうか?怖いお母さんですからね!ふふふ」
しゅう「いえ、遠慮しておきます」


その後、祈は一人でもコツコツと練習を重ね……
水泳大会でナント!ダントツトップになった!!
逢の言ったことを本当に成し遂げてしまった。

逢「いい?必ず一等取るからね!あなたは七咲逢の娘なんだから!!」

あんなに厳しかったけれども、自分を想って一生懸命指導してくれたお母さんのために、私は一等を勝ち取る!!
それがお母さんに対しての精一杯の感謝の気持ちだから。

後で祈が僕にだけこっそりと話してくれた。
お母さんに直接伝えればいいのにな。
本当に祈は誰かさんに似て照れ屋さんなんだな。



後日談。
その後祈は自らスイミングスクールに通いたいと言い出した。
せっかくお母さんから教わった水泳だから、もっともっと伸ばしたいとのこと。
僕も逢も迷わず承諾した。
逢なんて泣きそうで……

逢「先輩。やっぱりお説教が必要ですか?」
しゅう「い、いえ、遠慮しま……」
逢「ちょっとこっちに」
しゅう「あ、あるぇ。断ったのに」



七咲アフターストーリー
エピソード「先輩、祈を猛特訓します!」
END


久々の七咲アフターストーリー更新です。
実は僕は先月からワルサさんと水泳を始めました。
目的はダイエットと体力作りです。
小学生時代にスイミングスクールに通っていたこともあり、速くはないけど泳げます。
ただ、バタフライが昔からできませんでした。
綺麗にバタフライを泳ぐワルサさんを見て、羨ましくなりました。
「バタフライできるようになりたい」
そうワルサさんに言ったら、彼は一生懸命バタフライを教えてくれました。
彼自身ダイエットが目的で水泳に来ているのに、わざわざ僕のために時間を割いてくれました。
ワルサさんからバタフライを教わって、試行錯誤してみて、ようやく泳げるようになりました。
念願の夢が叶いました!
まだまだワルサさんに比べたら全然だけど、それでも上達しているって言ってもらえて励みになりました。
本当に感謝しています。
そういった実体験がこの話になったのかもしれません。
事実、泳いでいる時にこの話が思い浮かびました。
これを書いていて、僕にもこんな時代があったんだなとつくづく感じます。
ゲーム本編からは大分離れた話ですが、子育て編を書いていると昔の自分を思い出します。
皆さんもぜひ、懐かしさに浸ってみて下さい。
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コメント

次回作は、原点に戻って高校生編なんかどうでしょうか?
もちろん、夫婦編もいつも楽しんで見ています。
期待してます!!(笑)

Re: タイトルなし

すみませんね。
このコメントをいただいている頃、偶然次回作を書いていたんです。
3ヶ月くらい前に999(何とお読みしたらよいのやら)さんがくださったコメントを覚えていたんです。
「そろそろ二人目の子が産まれるくらいじゃない?」
僕も同じ気持ちだったので、しかも数日前が僕の誕生日だったので……
この機会に書いてみようと思い立ちました。
まるで僕が生まれるような気持ちで書きました(笑)
僕に書くネタをくださってありがとうございました。

そうですね、高校生編も書きたいです。
ただ、ネタに困っているんです。
最近ブログの更新が低迷気味なのもそれが原因なんです(笑)
まぁ、期待は難しいと思いますが、乞うご期待!(どっちなんだ……)

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