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2011-06-17

母の日&父の日特別編「逢のキュービスト」

それは七咲家にとって母の日と父の日の忘れられない大切な思い出……
母の日&父の日特別編……
「逢のキュービスト」


七咲家、長女の祈が生まれてから初めて迎えた母の日。
この日、僕はいつも通り日曜日休みで逢と祈と3人で家族水入らずの平凡な一日を送っていた。
日曜日以外毎日仕事で忙しい僕と、曜日関係なく毎日家事育児で忙しい妻の逢、そして生後10ヶ月になる長女の祈。
正直僕は連日の張り込み捜査で疲れているけど、逢を気遣って買い物に行くことにした。

逢「……大丈夫ですか?見るからに顔色悪そうですが」
しゅう「平気。いつも通りだよ」
逢「……ならいいですが。あまり無理はしないで下さいね」
しゅう「分かってる。行って来ます」
逢「行ってらっしゃい」

無理はするな……か。
でも、約束したんだ。
結婚したら逢を必ず守るって。逢に負担をかけないように僕が頑張るって。
だからこのくらいの無理は平気だ。

しゅう「ええっと、今夜はシーフードパスタか」

僕は買う物を覚えているので素早く買い物を済ませた。
逢の作るシーフードパスタがすごく美味しくて覚えようと思わなくても自然に材料を覚えていた。

買い物を済ませ、帰宅する。

しゅう「ただいま」
森島「おかえり、ダーリン」
しゅう「ああ、ただいま……って、ええっ!?」
森島「わぉ!どうしたの?」
しゅう「い、いや、な、何で森島先輩が?」
森島「え?どうしてどうして?ここ私とダーリンのおうちでしょ?」
しゅう「いや、待って下さい!森島先輩のうちじゃないですよ!ここは僕と逢の……」
逢「あ、橘先輩。おじゃましています」
しゅう「……はい!?」
逢「……ん?」

ちょっと待て!何がどうなっているんだ?
突然やって来た森島先輩が僕の妻で……僕の妻の逢が何故か他所の家の人で……

しゅう「あれ?その人誰?」

逢の隣にいるちょっとイケメンな男性を見た。

男性「あ、僕ですか?」
逢「……えっ!?」

男性は逢の肩に恐る恐る手を回した。

しゅう「な……!?」
男性「あ、逢の……お、夫です」
しゅう「……」
逢「……」
森島「……ふふっ」
男性「……はぁ」

……わけわかんないぞ!何だこの茶番劇は!

男性「……はるか。これで……いいんだよな?」
森島「グーッ。ベリーグーよ。二人ともびっくりしてるわ」
しゅう「……何がどうなっているんだ?」
逢「クスッ」

男性と森島先輩が密かに耳打ちし、逢がワケあり気に微笑んでいる。
たぶん……この3人が何か絡んでいることは間違いない。
だったら!

しゅう「ごめんごめん。最近仕事で忙しくて頭がパニクってた。はるか、ごめんな」
森島「うん。いいよ。だって大好きなダーリンだから」

まずは僕が先制攻撃をしかけた。
指示したわけではないが、逢も便乗した。

逢「ちょっと、あなたどういうことですか?どうして私をこの家に連れて来たんです?」
男性「えっ?」
逢「まさかとは思いますけど……浮気じゃないですよね?」
男性「そ、そんなわけないだろ!」
逢「はぁ……図星ですか。いいですよね、森島先輩は私より美人だし……む、胸だって……」
男性「あ、逢!信じてくれ」
逢「……知りません」
男性「……」
森島「あちゃーまずい展開……。逢ちゃん想像以上だわ」

森島先輩がボソッと呟いた。
作戦成功か?
ならば、さらに!

しゅう「はるか!どうしたんだ?」
森島「ううん。何でもない」
しゅう「何かあの二人、仲悪そうだし、帰ってもらうか」
森島「えっ?待って待って」
男性「あ、逢!」
逢「はぁ……森島先輩が羨ましい。旦那さんに愛されて」
男性「ちょ!」
しゅう「あなたの奥さん大変ですね。浮気なんてするからですよ」
男性「おい!してないって」
森島「へぇ……浮気してるんだー。最低ね」
男性「う……はるかの突き刺すような視線が痛い!」
しゅう「……はるか?どうして僕の妻の名前を呼び捨てに?」
男性「えっ!?そ、それは……」
森島「それは?」
逢「それは?」
男性「うっ……」

しばらく沈黙が続く。

森島「……どうやら限界ね。ドッキリタイム終了!!」
しゅう「は?ドッキリタイム?」
森島「そ。逢ちゃんに協力してもらってドッキリしかけちゃった」
男性「ちょうどあなたがいなくて絶好の機会だったから」
森島「それにしても……二人ともやるわね!お互い何の指示もなく意思疎通して攻撃をしかけてきた」
しゅう「当たり前ですよ。僕と逢の仲をナメないで下さい!伊達に夫婦やってませんから!(キリッ」
逢「……!」

逢は照れて黙ってしまった。

森島「さすがね!記憶喪失という大きな山を乗り越えただけのことはあるわ」
男性「記憶喪失?あ、もしかして、前にはるかが自慢気に話してたのって……」
森島「そう。この二人よ」
男性「へぇ……」
森島「この二人のコンビネーションに比べたら私たちなんてまだまだ」
男性「そ、そんなこと!」
森島「だって門林君、ルービックキューブは天才級に上手なのに、嘘吐くのは天才級に下手くそじゃない」
男性「そ、それは……僕が正直者だからさ!(キリッ」
森島「へぇ……君って正直者なんだー」

森島先輩が男性をじっと見つめる。

男性「は、はるか……」

男性は照れている。

しゅう「……そんなこと、ないと思いますよ」
森島「えっ?」
男性「ん?」
しゅう「今のお二人、完全に二人だけの世界に入っていました」
逢「ちょっぴり……羨ましかったです」
森島「そ、そんなこと……ないわ」
男性「君たちの方が羨ましいよ。はるかから色々聞いてずっと思ってた」
しゅう「失礼ですが……お二人の関係ってやっぱり……?」
森島「婚約者よ」
しゅう「えっ!?えええええっ!?」
逢「恋人じゃなくて婚約者?」
しゅう「森島先輩が……」
逢「ついに結婚?」
森島「ついにって何?むむむ……」
しゅう「ああ、いや。高校時代あんなにモテモテだった森島先輩が大学に行っても彼氏が出来なかったから……」
逢「その……びっくりしたんです。悪い意味ではなく」
森島「そっかそっか。みんな、私よりもひびきちゃんの方が先に結婚したから驚いているんだね」
男性「はるかとは職場で出逢いました。僕はもともと関西に住んでいて、こっちに転勤になりました」
男性「あ……紹介が遅れました。僕は門林長流、はるかの同僚で婚約者です」

そう言って門林さんは名刺を差し出した。

しゅう「へぇ……これで“かどはやしたける”って読むんだ」
逢「難しいけど……何だか、いい名前ですね」
門林「ありがとう」
森島「ちなみにあだ名は“ろいと君”よ。」
しゅう「ろいと?どうして?」
森島「私のだーいすきなクマちゃんに似てるから。かわいいんだもん」
門林「ちょ、はるか。からかうなよ」
逢「クマのろいと君……ですか。クスッ」
森島「ほら、この子がろいと君。目元とか似てるでしょ?」

森島先輩がクマのろいと君を鞄から取り出して見せた。

しゅう「ああ、わかります、わかります」
逢「似てますね」
門林「う……」

しゅう「あ、そういえばさっき、彼がルービックキューブの天才だとか森島先輩が言ってましたが……?」
逢「ルービックキューブってあの難しそうなキューブですか?」
森島「そう!そうなのよ!」
森島「彼をここに連れて来たのは、一つは婚約者の彼を紹介するため、もう一つは……」
門林「ルービックキューブを布教するため……かな」
しゅう「なるほど」
森島「逢ちゃん、毎日家事育児に大変とはいえ……やっぱりずっと家にいたんじゃ退屈でしょ?」
逢「……はい。正直少し退屈ですね」
森島「そこでね、彼に頼んでルービックキューブを教えてあげようと思って」
しゅう「なるほど」
森島「そしたら彼、大喜びで!」
門林「ま、まあ、得意分野だから……」
森島「本当、私とルービックキューブとどっちが好きなんだか……」
門林「そ、そんなの……はるかに決まって……」
森島「ふっ……でね!そういうわけだから」
門林「はるか……今わざとスルーしたな?無茶ぶりしとて……」
森島「はいはい。じゃあ、早速頼むわ」
門林「……了解」

こうして門林長流(ろいと)先生によるルービックキューブ講座が始まった。
僕も逢も彼のルービックキューブ裁きに驚きを隠せなかった!
速い!とにかく速い!
何を隠そう、彼はルービックキューブの大会で記録を残している程のルービックキューブの天才だからだ。
それに比べて僕も逢も初めて解いたルービックキューブ……彼の説明を聞きながらもうまくいかず苦戦する。
一方、森島先輩は……

森島「でーきたっ」
しゅう「は、速い!」
森島「まあ……実力ってやつね。ふっ」
門林「私は天才だから……とか言いたいんだろ?」
森島「そうそう!」
門林「大きい声じゃ言えないんだけど……はるかはかなり下手くそだったよ」
門林「こんな感じに!」

回想
門林「……っと。記録出ないな」
森島「何やってるの?」
門林「これ?ルービックキューブ」
森島「ルービックキューブ?え?なになに?」
門林「見てろ。ここをこうしてだな……」
森島「わぉ!オーキードーキー!色が全部揃ったわ」
門林「はるかもやる?えっと、初心者に4x4x4は難しいから……こっちの3x3x3で」
森島「むむむ……私だって出来るわよ」
門林「ああ!はるか!それは無理だって!」

門林「いきなり4x4x4に挑戦して挫折したのはいい思い出」
門林「その後、僕が必死に説明してやって、やっと3x3x3が出来るようになったばっかりだ」
しゅう「ははは。森島先輩らしいですね」
逢「負けず嫌いの森島先輩はまだいたんですね」
森島「むむむ……ちょっとろいと君」
門林「な、何だよ。ていうかろいとって呼ぶな」
森島「それのどこが“大きい声じゃ言えないんだけど……”よ?普通に聞こえる声量だったんだけど?」
門林「ああ……バレたか。わざとだ。許せ」
森島「ぜ、絶対に許さないんだから///」
門林「ツンデレはるか」
森島「何か言った?」
門林「好きだよ」
森島「……も、もう!また急にそういうこと……」
門林「いいじゃないか。婚約者なんだし」
森島「ギャラリーが聞いてるでしょ?」
門林「大丈夫だ。問題ない。この二人だってきっとこんな感じだったんだろ?類は友を呼ぶ」
森島「……」
しゅう「ああ、僕は別に構……うっ」
逢「……」

逢に背中の贅肉を摘まれた(笑)

逢「早く続きをお願いします」
門林「あ、ああ。ごめん」

こうして3時間くらい講座は続いた。
その後、彼の都合で森島先輩と彼は夕方に帰って行った。
その帰り道。
街には至る所に「母の日ギフト」という文字があった。

門林「……」
森島「どうしたの?神妙な顔しちゃって」
門林「いや、何でもない」

一方、七咲家。
しゅう「ルービックキューブ面白いな」
逢「ええ。私もハマりました」
しゅう「今度二人が来るのは来月だっけ?待ち遠しいな」
逢「ええ」
逢「確か門林さんの家にはたくさんルービックキューブがあるから、今度来た時にもらえる約束でしたね」
しゅう「うん」
逢「あ、そろそろご飯の支度をする時間ですね」
しゅう「ああ、そういえば。二人とももう少しゆっくりしていけばよかったのに」
逢「というと?」
しゅう「逢の作るシーフードパスタは絶品だから。食べていけばよかったのに」
逢「……し、仕方ないですよ。お忙しいので」
しゅう「そっか。そうだよな」

逢はあからさまに照れてる……?



逢が人生で初めて母として迎えた母の日は……意外な来客とともに幕を閉じた。
非常に充実した母の日だったと思う。
しかし、この物語はここで終わらない。
約1ヶ月後……今度は父の日がやって来た。

しゅう「あれ?門林さんは一緒じゃないんですか?」
森島「ごめんね。彼、急用が入ったの」
逢「そうなんですか。それは残念です」
森島「ああ、でも。約束の物は持ってきたわ」
森島「こっちがしゅう君で……こっちが逢ちゃん」
しゅう「え?二つですか?一つで十分ですが」
逢「二つも……悪いです」
森島「いいの。いっぱいあるから。遠慮なくもらって」
しゅう「そういうことなら……遠慮なくいただきます」
逢「ありがとうございます」
森島「どういたしまして」
しゅう「あれ?」
森島「どしたの?」
しゅう「このルービックキューブ……剥がれそうです、シールが」
逢「あ、確かに」
森島「ごめん。ちょっと古いのしかなかったって」
しゅう「あ、それで十分です!」
逢「いただけるだけ感謝です」
森島「わぉ!二人とも何ていい子なの!大好きよ」
しゅう「ははは」
逢「クスッ」
森島「じゃあ、早速始めよっか。講師はろいとの助手のはるかで!」
しゅう「よろしくお願いします」
逢「よろしくお願いします」

こうして講師・門林長流(ろいと)不在のルービックキューブ講座第二回目が始まった。
森島「あ、読み方は“かどはやしたける”ね。でもって、私は助手の森島はるか。よろしく」

必死にルービックキューブに向き合う僕と逢。
それ以上にすごく楽しそうな森島先輩。
この前来た時に森島先輩が門林さんに言った事……
森島「本当、私とルービックキューブとどっちが好きなんだか……」
それをそのまま森島に返したい(笑)
森島先輩だって、こうしてルービックキューブにハマっている。

しゅう「門林さんとルービックキューブのどっちが好きなんだか……」
逢「門林さん……ということにしておきませんか?」
しゅう「そうだな」
森島「ん?」
しゅう「あ、出来た!出来ました!」
逢「私もです!完成しました!」
森島「どれどれ……そうでさぁねぇ……うん、出来てるわ二人とも!おめでとう!」
しゅう「やった!ありがとうございます」
逢「嬉しいです」
森島「さて、ちょっと貸して」
しゅう「はい」

僕は森島先輩にルービックキューブを貸した。

森島「見てて。ここをこうして……」
しゅう「えっ!?ちょ、ぼ、僕の……」

森島先輩はナント、ルービックキューブの剥がれかけた色のシールを剥ぎ始めた!

しゅう「な、何してるんですか!?」
森島「ほら、見て見て」

そう言って森島先輩がシールを剥がした所を見ると……

逢「あ……文字!」

そこにはナント、文字が隠されていた!

逢「じゃあもしかして私のも!」

僕も逢も今度は必死にシールを剥がし始めた。
3x3x3のルービックキューブのすべてのシールを剥がし終わると……

しゅう「6/◯ 今日は 父の日」
逢「5/◯ 今日は 母の日」
しゅう「!」
逢「なるほど」

ナント、3x3x3のルービックキューブの一面一面に一文字ずつくらい、手書きで文字が書かれていた。
こんな感じに。

6/◯   5/◯
今日は   今日は
父の日   母の日

こんな感じで全部で六色分書かれている。一面9文字×六面で全部で54文字。

しゅう「すごい……これを門林さんが?」
森島「うん。そうみたい」
逢「みたいって……森島先輩、最初から知っていましたね?」
森島「え?」
しゅう「シールが剥がれかけていたのは古いからではなく、最初から剥がす目的だったと」
逢「私たちをびっくりさせようと黙っていたんですね?」
森島「……バレちゃった。そうなのよ。彼、本当は忙しいからじゃなく、照れくさかったから……」
しゅう「それで来なかったと。納得しました」
森島「ごめんね。黙ってて」
逢「いえ。ありがとうございます」
森島「……なんとなく、予想はついていたけどね」
しゅう「予想?」
森島「実はね、前回帰る途中で街の至る所にあった“母の日ギフト”という文字を彼はじっと見つめていた」
森島「彼も私も前回来たのが母の日だってことをすっかり忘れていて」
逢「それでこれを思い付いたんですか?」
森島「そう。しゅう君も逢ちゃんも父や母なわけだし、お祝いをすればよかったなってちょっぴり反省した」
森島「こんなことしか出来なくてごめんね」
しゅう「そんな!謝らないで下さい」
逢「そうですよ!このルービックキューブをいただけただけでも感謝です!!」
森島「そう?ならよかった。こっちこそ感謝してる」
しゅう「それならそれで彼も来ればよかったのに」
森島「本当、彼ってシャイボーイなんだから!」

誰がシャイボーイだって?

逢「えっ?今、玄関から声が」
森島「来た」

門林さんが遅れて登場した。
その手にはついさっき洋菓子店で買って来たというお祝いの洋菓子の入った袋が握られていた。

門林「ごめん。買い物してたら遅くなった。べ、別にシャイボーイなんかじゃないんだからな///」
逢「……ツンデレ?」
しゅう「いや、ツンドろいとか」
逢「あ……先輩に一本取られました」
しゅう「勝った!」
門林「こら!二人とも」
しゅう「ははは」
逢「ふふっ」
森島「相変わらずね」

その後ルービックキューブ講座は終了し、逢が淹れた紅茶と門林さんが買って来た洋菓子でティタイムを過ごした。

門林「はるかめ、また余計なことを言ったな!」
森島「なんでなんで?いいでしょ?」
門林「よくない……」

4人はルービックキューブを通して打ち解け合った。

森島「あ、そうだ!ルービックキューブもう一つあげる」
しゅう「え?もう一つ?」
森島「はいこれ。祈ちゃんの分」
逢「あ……そういうことでしたか。ありがとうございます」
門林「はるか……いつの間に?」
森島「ごめん、内緒にしてた。母の日と父の日の前に子供の日があるでしょ?」
しゅう「ありますね」
森島「これは子供の日の祈ちゃんの分。その日が来るまで絶対に解いちゃ駄目よ」
逢「……祈自身にルービックキューブを教えるんですね?」
森島「そう。きっと頭良くなるわ。うちのダーリンみたいに」
門林「はるか……っていうかちょっと待て!」
森島「えっ?」
門林「祈ちゃんっていうくらいなんだから女の子なんだろ?」
森島「うん。それが?」
門林「子供の日は男の子の日だ」
森島「……確かに」
しゅう「……」
逢「……」

つまり、彼のツッコミはこうだ。
祈なら子供の日じゃなくて雛祭りだろうがjk!!

森島「あちゃー……まいったな」
しゅう「相変わらずの天然ですね」
逢「はぁ……森島先輩らしいボケです」
門林「どうするんだよ?男の子いないじゃないか!」
逢「私の弟ももうその歳じゃないですし……困りましたね」
門林「書き直そうにもシール剥がしたり貼ったりしたら汚くなるしな」
森島「……うん。そうだわ。それがいい。それしかないわ」
しゅう「あの……何一人で納得しているんですか?」
森島「決めた!」

森島先輩が逢をじっと見つめる。

逢「えっ?私ですか?」
森島「そう」
逢「あの……何ですか?」
森島「ふっふっふ……ずばり……男の子を作ればいいのよ!」
しゅう「……はっ?」
逢「……えっ?」
門林「……」
森島「祈ちゃん一人っ子じゃ寂しいから逢ちゃんが弟を産んであげればいいのよ」
しゅう「逢ちゃんが……っていうか逢にしか出来ませんよね」
逢「……」
門林「……また余計なことを。ごめん、うちのはるかが迷惑かけて」
森島「ろいと君?」
門林「だからその呼び方やめろ」
しゅう「あの……お言葉を返すようですが……森島先輩が男の子を産めばいいんじゃないですか?」
森島「えっ?わわ……なんてことを」
門林「自分が言い出しっぺのくせに驚くなよ」
森島「ろいと君は黙ってて」
門林「……」
しゅう「ああ、嫌なら塚原先輩とか」
森島「わぉ!それは名案ね。ひびきに今度聞いてみる」
しゅう「ふぅ……まったく」

こうしてまた楽しい一日が幕を閉じた。
正直森島先輩の発言にはびっくりしたけどね……。
でも、子供にルービックキューブを教えて頭の良い子に育てるという発想はなかなかだ。
結局間違えたルービックキューブは森島先輩が持って帰り……
後日祈の雛祭り用のルービックキューブを持って来てくれることになった。

しゅう「さて、二人とも帰ったし、そろそろご飯を……」
逢「……」
しゅう「逢?どうした?具合悪い?」
逢「あ……いえ」
しゅう「もしかしてさっきの森島先輩の言葉を気にしてる?」
逢「えっ?」
しゅう「あれは森島先輩のいつもの天然だからスルーすればいいよ」
逢「……」
しゅう「……」
逢「あの……先輩?」
しゅう「うん」
逢「男の子……欲しいですか?」
しゅう「えっ?べ、別に……」
逢「……」
しゅう「何だ、やっぱり気にしてたのか。あんなこと気にしなくていいのに」
しゅう「別に僕は男の子要らないわけじゃない。むしろいて欲しいとは思う」
逢「……」
しゅう「でも、祈がいてくれるだけで僕は嬉しい。逢が苦労して産んでくれた娘だから嬉しい」
逢「先輩」
しゅう「だから、祈は大切な娘だから、一緒に頭の良い子に育てよう!」
しゅう「男の子は二の次。まずは祈を立派に育て上げよう!」
逢「はい!」
しゅう「……と、そのためには、まずは僕らが頭良くならなきゃ駄目だな」
逢「そうですね。ルービックキューブをマスターして二人だけで祈に教えられるようになりましょう」
しゅう「うん。それが彼への恩返しだ」

ルービックキューブを通して僕と逢はますますいい夫婦に、いい父母になれた気がした。
後で調べたらルービックキューブを解く人のことを「キュービスト」というらしい。
僕も逢も、門林さんや森島先輩みたいにキュービストになれたんだ。
門林さんは僕ら父母にとっての……
「愛のキューピット」
いや!
「逢のキュービスト」
だな!!




七咲アフターストーリー
母の日&父の日特別編「逢のキュービスト」
END


皆さんお久しぶりです!
久しぶりの七咲逢SSを書きました。
今回のテーマはズバリ「ルービックキューブ」です。
実はこれ、母の日に向けて書くつもりでしたが……
結局母の日に間に合わず危うく日の目を見ない作品になりかけるところでした。
それからしばらくの間、書くつもりはなかったわけですが……
今日になって書きたいという強い意欲が再燃してやっと書く気になりました。
母の日は過ぎたけれども、別に母の日だけじゃなくて父の日も混みにしてしまえばいいという発想からです。
この物語の中でも母の日に渡せなかった物を父の日にまとめて渡すという流れになっています。

さて、今回のテーマに何故ルービックキューブを選んだか。
それはある人の影響で僕もルービックキューブにハマったからです(笑)
ある人とは……この記事でお馴染みのTwitterのフォロワーの「ろいと」さんです。
オフ会~大阪春の陣・神戸夢幻探求の旅~
ろいとさんは森島はるか先輩好きの天才的なキュービストです。(おまけにイケメン)
僕が神戸に行った時にろいとさんからルービックキューブをもらいました。
それ以来ハマって、とうとう七咲アフターストーリーにまでルービックキューブを登場させました。
あ、もちろんこの話は七咲アフターストーリーの外伝中の外伝で、本編には影響しません。
残念ながら七咲アフターストーリー本編では森島先輩は彼氏が出来ないという設定で……

森島「こーらっ!その言い方は失礼よ!私だって本気になれば彼氏の一人くらい……」

はいはい。
この話は以下の要素から誕生しました。
①ろいとさんからルービックキューブを教わったこと
②ろいとさんからルービックキューブをもらったこと
③ルービックキューブに文字を書くという発想
④「キュービスト」が「キューピット」に似ている
⑤ろいとさん登場、ろいとさんの設定は森島先輩の婚約者(森島先輩好きだから)でキュービスト

ちなみに……
門林長流(かどはやしたける)は偽名です!!
ろいとさんの本名じゃありません!!
当然です!!

(ていうか僕自身ろいとさんの本名を聞いたことがない……)

門林長流(かどはやしたける)の由来について
①ルービックキューブは1面、センター(中心)と4つのコーナー(角)と4つのエッジ(端)で構成されている。
 →角端(かどはし)
 →関西で多い苗字を調べた。
 →門林(かどはやし)
②ろいとさんはルービックキューブの天才。ルービックキューブに長けている。
 →長ける(たける)
 →川の流れのように速いルービックキューブ裁き
 →長流(たける)

とまあ、こんな感じです。
これを機にキュービストが増えることを願っています。
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