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2010-05-23

第5話「先輩、よく頑張りました」

翌日・放課後
橘家・玄関
ピンポーン
美也「はーい。…あ、ウメちゃん!」
梅原「おぅ、美也ちゃんか。あと、ウメちゃんはやめろよな…」
美也「お見舞いに来てくれたんだね」
梅原「まぁ、そんなとこだ。ほれ、これ、絢辻さんのノートだ」
美也「絢辻先輩って…あの頭が良くて美人な人だよね?」
梅原「そうそう。美也ちゃんわかってんじゃねぇか!」
梅原「橘のために頼んでやったぜ」

回想
梅原「なぁ、絢辻さん、ちょっといいか?」
絢辻「うん。どうしたの?梅原くん」
梅原「お願いがあるんだ。休んでる橘のために絢辻さんのノートをコピーさせてほしいんだ」
絢辻「コピー?いいわよ」
梅原「んじゃ、ちょっとノート借りてくぜ。ありがとうよ!」
絢辻「うん」

梅原「てなわけだよ」
美也「ウメちゃんナイスー!」
梅原「あいつのためならこのくらい訳ないって!」
梅原「だって、俺とあいつは…友情を越えた仲だもんな!」
美也「…なんか」
梅原「どうした?うらやましいか、美也ちゃん?」
美也「すっごく気持ち悪い!!」
梅原「うう…」
グサリ!
梅原「美也ちゃんには…ボーイズラブは…まだ難しいか…」
美也「とにかく…ありがとね、ウメちゃん。じゃね!にししし」
バタン!
梅原「う…玉…砕」

橘家
美也「にぃにー起きてるー?ウメちゃんが絢辻先輩のノート届けてくれたよー」
橘「おお、サンキュー」
美也「風邪、大丈夫なの?」
橘「ああ、なんとかな。熱は下がったみたいだ。それより…七咲は?」
美也「今日は部活で忙しいって」
橘「そっか。そう毎日は来てくれないよな」
美也「逢ちゃん安心したから今日は来ないって」
橘「そうだよな。…じゃ、僕は勉強して来る」

一方、その頃
輝日東高校・プール
七咲「…」
七咲は笑顔で元気よく泳いでいる。
部長「今日はどうした、七咲。いつもより元気そうじゃないか。それにタイムもいい」
七咲「え?そうですか?」
部員A「なんか…昨日いいことあったみたいね、七咲さん」
七咲「え?」
部員B「そういえば昨日部活終わった後、風邪引いた彼氏の看病に行ったそうじゃない」
部員C「彼氏、元気だったんだーよかったね」
七咲「え?え?あ、あの、私、もう1往復泳いで来ます!」
ザッブーーーン。
部員たち「あらあら、照れちゃって。ははは…」
部長「こらこら、あなたたち、彼女を寄ってたかってイジメないの!」
部員たち「すみません」
部長「まったく」

今日みたいな日があと2、3日続いた、その翌日…
僕の風邪はすっかり良くなって、僕は久々に登校した。


通学路
橘「七咲ぃ!」
七咲「あ、橘先輩。おはようございます」
橘「おはよう」
七咲「風邪、すっかり治ったみたいですね」
橘「うん。みんなのおかげでね」
七咲「それはよかったです。あ、今日も、休み時間に…」
橘「うん、勉強しよっか」
七咲「はい!」

3年A組教室
橘「梅原ぁ、おはよう!」
梅原「いよっす、大将!元気になってくれて何よりだぜ」
橘「梅原もありがとうな」
梅原「いいってことよ。俺とお前の仲じゃないか」
梅原「それより、絢辻さんにお礼を言って来いよ」
橘「ああ、もちろんだ」

橘「絢辻さーん」
絢辻「あら、橘くん。風邪治ったみたいね。よかった」
橘「うん。おかげ様で。絢辻さん、ノート、ありがとね」
絢辻「ううん、別にいいわ。お役に立てれば何よりだもの」
橘「絢辻さんのおかげで助かったよ。本当に感謝してる」
絢辻「お礼なんていいわ。当然なことをしたまでだもの」
橘「…そっか。とにかくありがとね。…あ、そうだ!絢辻さん…」
絢辻「うん?」
橘「今日の休み時間も図書館で勉強教わっていいかな?」
橘「迷惑ついでで難だけど…」
絢辻「いいわよ。別に迷惑でもないし。むしろ光栄だわ」
橘「ありがとう!じゃあ、お願いします」
絢辻「ええ。わかったわ」


ホームルーム
3年A組教室
高橋「…それから、来月にまた模擬試験を実施するわ」
教室中がざわめく。
梅原「マジかよーうんざりだなぁ」
橘(またやるのか!?今度こそ上位にいきたい…)
高橋「静かに。各自勉強をしておくように。以上」

ホームルーム直後
梅原「どうする、どうする、大将!」
橘「どうするって言われてもな…」
橘「梅原は受験しないから関係ないんじゃないのか?」
梅原「そうだけどよ…なんか…恥ずかしいじゃないか」
梅原「俺はいっつも下の方だからなぁ…」
橘「じゃあ、勉強すればいい」
梅原「おいおい、ずいぶんと簡単に言ってくれるじゃねぇか!」
梅原「俺はお前みたいに精神面でサポートしてくれる彼女と…」
梅原「学力面でサポートしてくれる友達がいるわけじゃない」
橘「勉強なら絢辻さんに教わればいい」
橘「彼女なら…努力しろ!」
梅原「あああ!またそんなこと言う…」
梅原「俺たちは友情を越えた仲だろ?な?」
橘「さて、次の授業は…」
梅原「おい…大将…俺を見捨てないでくれーーーーーーーー」


こうして、またいつも通りの1日がやってきた。


お昼休み
校舎裏
橘「そういえば最近、晴れの日が続いているよな」
七咲「ええ、確か今朝の天気予報でも晴れるって言ってましたよね?」
橘「うん。なんだか春らしい天気だよ」
七咲「こんな日は勉強しやすいですよね、先輩」
橘「う…うん。でも、来月の模試、不安だなぁ」
七咲「大丈夫ですよ。先輩、自信を持ってください」
七咲「今朝も絢辻先輩に教わっていたじゃないですか」
橘「うん、おかげで大分勉強がはかどったよ」
七咲「それに、先輩の頑張る姿は私もしっかり見届けています」
橘「七咲……。あ、そうだ。今日は一緒に帰れる?」
七咲「今日ですか?あ…残念ながら部活があります」
橘「そっか…。残念だな」
橘「せっかくいい天気だから一緒に二期桜を見に行こうと思っていたのにな」
七咲「仕方がありませんよ、部活なので」
橘「じゃあ、また今度行こうか」
七咲「はい」

しかし、夕方から次第に天気は崩れ、雨が降り始めた。

放課後
下駄箱
橘(どうしよう。今朝、傘持って来てないしな)
橘(梅原は先に帰っちゃったし。どっかに傘はないかな?)
橘(ん?あの傘…僕のと同じ柄だな。無地で藍色の傘…)
橘(まさか僕のなんてことは…ははは、さすがにないか)
でも、一応傘を調べてみると、柄の部分によく見慣れたシールがある。
橘(このダックスフントのダックンのシール…)
橘(前に美也がいたずらしてくっつけたやつだ!)
橘(てことは…これは僕の傘か?どうしてここに…?)
………
橘(は!思い出したぞ!)
そう、この傘は3日前、僕が置き忘れて帰った傘だ。
その日は午前中だけ雨が降っていたんだ。
それから今日の夕方までずっと晴れだった。
橘(やったぞ!これで帰れる!さすが、僕だ!よし、帰ろうっと)

傘を広げて雨の中へいざ出陣。

桜坂
橘(それにしても天気予報って外れることもあるんだな)

回想
七咲「ええ、確か今朝の天気予報でも晴れるって言ってましたよね?」

橘(あ……そういえば七咲はどうするんだろ?)
橘(僕は偶然傘を置き忘れてたからよかったけど、七咲は………)
橘(いや、あいつはしっかり者だから傘くらい持ってるだろ)
橘(心配しなくたって大丈夫。ははは…)
………
橘(でも…万が一ってこともあるぞ。河童の川流れっていうことわざがあるくらいだし…)
橘(七咲だって川流れすることもあるだろ)
橘(それにもし傘を持っていたとしても、一緒に帰れてむしろいいことじゃないか!)
橘(待ってる間、図書館で勉強しよう!よし!)

僕は下りかけた桜坂を途中で引き返し、学校へと戻った。


部活が終わった頃
校舎裏
橘(そろそろ七咲が出てくる頃だな)
七咲「ありがとうございました!」
橘(あ、部活が終わったんだな。よし)
橘「おーい、七咲!」
七咲「あ…橘先輩。どうしてここに?先に帰ったはずじゃ…」
橘「そのつもりだったんだけどさ…この雨じゃな…」
七咲「あ…もしかして先輩も傘を忘れたんですか?」
橘「僕…も?てことは……」
七咲「はい、私もです。まさか雨になるとは思いませんでした」
橘「当たった…」
七咲「はい??」
橘「七咲の…川流れ…か」
七咲「あの…先輩?さっきから何を…?」
橘「あ、いや、何でもないんだ!ははは…」
七咲「ん…?」
橘「実はさっき偶然、学校に傘を置き忘れていたことを思い出したんだ」
橘「ほら、3日前、午前中だけ雨が降っていただろ?」
七咲「ええ、そうでしたね。私はあの日、ちゃんと傘を持って帰りました」
橘「でも、僕は置き忘れたまま帰った。で、さっきそれを思い出したんだ」
橘「傘を置き忘れたおかげで帰れるって思ったとき、ふと七咲のことを思い出したんだ」
七咲「私の…?」
橘「うん。もしかしたら傘を持っていないんじゃないかって思って」
七咲「それで…わざわざ引き返して待っていてくださったんですか?」
橘「そう。図書館で勉強しながら待っていたんだ」
七咲「…先輩。ありがとうございます」
七咲は少し照れて、今にも泣き出しそうな表情をしている。
橘「いや、礼はいいって。それに七咲に風邪を引かせるわけにはいかないって」
橘「風邪を引くのは僕だけで十分だよ」
七咲「…え、ええっと、じゃあ…お言葉に甘えて。一緒に帰りましょうか」
橘「うん」

桜坂
こうして七咲と初めての相合傘で帰ることとなった。
橘「…」
七咲「…」
橘(勧めてみたはものの、初めての相合傘だからな。緊張するなぁ)
七咲「…」
橘(う…こういう時、何しゃべったらいいかわからないよ)
橘(しかし、こうやって近づいてみると七咲って結構いい匂いがするんだよな…)
くんかくんか…
橘(うーん、相合傘、最高!)
七咲「あの…先輩?さっきから何してるんです?」
橘「え?な…何って…言われてもな」
七咲「私に言えないようなことですか?」
橘「え…いや、別にははは…」
七咲「…」
橘(うう…七咲の視線が痛いぞ…)
橘(確かに…言えないよな。言ったら変態扱いされるし)
橘「今日は…雨降って、むしろよかったよな」
七咲「よかった?何がです?」
橘「雨降って、しかも七咲が傘を忘れたから、こうして相合傘をさすことができる」
橘「雨のおかげで僕らはこんなに近くにいることができるんだ」
七咲「そう言われてみれば」
橘「これがもし、天気予報通り晴れだったら、二人は別々に帰っていた」
橘「そう考えると雨でよかったなってな」
七咲「先輩…。私も嬉しいです。先輩がこんなに近くに」
橘「七咲…」
七咲「先輩…」

二人ともいい雰囲気のまま桜坂を下り、住宅街へとさしかかった時だった。

七咲「あ…雨…止んだみたいですね」
橘「あ、本当だ。じゃあ、傘を閉じるか」
傘を閉じようとしたその時だった。
七咲「あ!先輩、上を見てください!」
橘「上?…あ!虹だ!!」
七咲「きれいですね」
橘「うん」
二人の頭上には大きくてきれいな虹がかかっていた。
橘「まるで…大きな相合傘みたいだな。しかもカラフルな」
七咲「…」
橘「ん?七咲?どうした?」
七咲「…あ、すみません。つい見入ってしまいました」
橘「かわいいなぁ」
七咲「え??」
橘「虹を見入っている七咲は、すごく女の子っぽくてかわいいなぁって…」
七咲「え、ええっ…もう、先輩。まるで私が女の子じゃないみたいな言い方をして…」
七咲は赤面し、すごく照れくさそうにしている…もっとかわいく見える。
橘「ごめんごめん」
七咲「…でも、嬉しかったです。ありがとうございます」
橘「え?」
七咲「じゃあ、私はここをまっすぐ行くので、ここでお別れですね」
橘「ああ。気をつけて帰るんだぞ。また明日な」
七咲「はい、また明日。それでは先輩、失礼します」

こうして、七咲と充実した時間を過ごした。すべてこの雨のおかげだ。
雨の日も悪くないな、そう思えるひと時であった。


それから一ヶ月後、ゴールデンウィーク明けの模試で…
僕はなんと、クラスで10番、学年で40番という成績だった。

休み時間
3年生廊下
梅原「おい、橘。おまえすげぇじゃねぇか!!」
橘「ああ、よかったよ」
梅原「お前が羨ましいぜ」
橘「梅原も頑張れよ」
梅原「くぅ、またそんなこと言う…。まるで俺が負け犬みたいじゃないか!」
高橋「梅原くんも頑張りなさい」
橘「あ、高橋先生!」
梅原「うお…高橋先生!」
高橋「橘くん、よく頑張ったわね。あなた、すごいと思うわ」
橘「い、いえ、僕なんか…」
橘(やったぞ!高橋先生に…誉められた!!うう…なんだか照れる)
高橋「次もこの調子で頑張りなさい。私も応援してるから」
橘(高橋先生が…僕を…応援してる…なんてこった!!すごく名誉じゃないか!!)
梅原「橘はいいよな、高橋先生に応援してもらえて…」
高橋「だったらあなたも頑張ることね、梅原くん」
梅原「は、はい…」
??「そうですよ、梅原先輩」
梅原「その通りで…え?」
橘「七咲」
高橋「あら、七咲さん。こんにちは」
七咲「高橋先生、こんにちは」
七咲「橘先輩、おめでとうございます」
橘「あ、ありがとう」
高橋「七咲さん、私からもお礼を言うわ」
高橋「彼をサポートしてくれてありがとう」
七咲「いえ、私は何も…」
照れる七咲。
橘「彼って?」
高橋「さて、そろそろ授業が始まるわね」
高橋「それじゃ、あなたたちも遅れないようにね」
梅原「はーい。はぁ」
七咲「はいっ」
橘「なぁ、七咲、彼って誰のこと?」
七咲「教えませんよ。クスッ」
橘「気になるなぁ。ま、いっか」

こうして休み時間に僕はみんなから祝福を受けた。
ここまで成績がよくなったのも七咲のおかげだ。
平日や土曜日の休み時間はもちろん、日曜日やゴールデンウィーク中も
部活が終わり次第、僕の勉強に付き合ってくれた。
本当に感謝しなくちゃいけないな。
あ、七咲だけじゃなく、勉強を教えてくれた絢辻さんにも感謝しなくちゃな。
…それにしても、高橋先生は七咲と何を話したんだろ?
やっぱり気になるなぁ。

あと2ヶ月で夏休みだ。もっともっと勉強していかなくちゃな。

第6話に続く。

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コメント

アフターストーリー続編頑張って下さい!
それにしてもこんな彼女欲しい・・・

Re: タイトルなし

ありがとうございます。
ネタが浮かび次第書いていく予定です。
こんな素敵な彼女、三次元には早々いない……はずです、たぶんね(笑)

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