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2010-11-29

エピソード「先輩、今日は試験前夜です」(ノベル)

これは僕が大学2年生で逢が大学1年生の頃のエピソードだ。
1月末、後期の定期試験の試験期間中にあったエピソードだ。
僕も逢も試験期間が2週間で、ちょうど日程が被っていた。
だけど逢は1年生ということもあり基礎科目が多いため、僕よりも試験科目が5科目多かった。
前の年の僕と同じような感じだった。
ちなみに試験日程は……
僕は1週間目が月曜日1科目、火曜日1科目、水曜日2科目、木曜日1科目、金曜日1科目……
2週間目が月曜日1科目、火曜日1科目、木曜日2科目の計10科目だった。
逢は1週間目が月曜日2科目、火曜日1科目、木曜日2科目、金曜日1科目、土曜日2科目……
2週間目が月曜日1科目、火曜日2科目、木曜日3科目、金曜日1科目の計15科目だった。
したがって、僕の試験は逢と同じ日に始まって逢よりも1日早く終わった。


1週間目の火曜日、深夜2時過ぎ。
僕は自分の部屋で明日(水曜日)の2科目の試験の勉強をしていた。
1限目の試験は比較的楽だからいいんだけど、4限目の試験が範囲が広くて嫌になる……。
しかも、もう2時じゃないか!!道理で眠いわけだ。
1限目の試験は9時半だってのに、そろそろ寝ないと試験中に居眠りしてしまいそうだ。
でも、まだ4限目の試験科目の範囲が終わらないんだ!!
明日の1~4限の間に勉強しただけじゃとてもじゃないけど追いつきそうにない。
今やらなきゃ駄目なんだ。
でも、眠いんだよ!!どうしたらいい?この眠気。

そんなことを考えていたら僕の気持ちを察してくれたのか、ドアをノックする音が聞こえた。

コンコン。

「あの……先輩?まだ起きているんですか?」
「……眠っています」
「あ……はい、そうですか。やっぱり起きているんですね?」
「……」

僕はふざけて答えたが、七咲にはバレバレだ。
当たり前だ。本当に眠っていたら返事できるはずがない。

「入ってもいいですか?」
「いいよ」
「失礼します」

七咲が僕の部屋に入って来た。

「コーヒーお持ちしました」
「えっ?何というナイスタイミングだ……今ちょうど眠くて困っていたところなんだ」
「そうですか……ならよかったです。クスッ」
「じゃあ、早速……」
「あ、ちょっと待って下さい」
「ん?」
「ふーふー」
「えっ?」
「これでよし……と。熱いので気を付けて飲んで下さい」
「う、うん」

七咲がふーふーしてくれたコーヒー。
逆にちょっとだけ熱くなった気がする。別の意味で。

「……おいしい。おかげで眠気が覚めたよ。ありがとう」
「どういたしまして」
「七咲こそこんな時間まで起きてて平気か?」
「はい。明日は試験がないので」
「でも、明後日2科目あるんだろ?寝れる時に寝といた方がいいと思うよ」
「実は今寝ようと思っていたのですが、先輩の部屋の電気がついていたので」
「あ、それでわざわざ僕を気遣ってコーヒーを持って来てくれたのか」
「はい」
「ごめんな、僕のせいで貴重な睡眠時間を……」
「いえ、先輩のためならこのくらい平気ですよ」
「七咲……ありがとうな」
「先輩……私は当然のことをしたまでですよ」
「よし、じゃあ、とりあえず4時までは頑張ってみる!七咲は寝ていいよ」
「いえ、先輩がうたた寝しないように私は先輩のそばにいます」
「駄目だよ。早く寝て。七咲に無理をされる方が逆に心配になって勉強に集中できなくなる」
「で、でも……」
「いいから。おやすみ」
「はい。分かりました。おやすみなさい」

七咲はちょっと残念そうな顔で部屋を出て行った。
でも、これでよかったんだ。
ちゃんと寝て、明日は早起きして明後日の2科目の試験に備えるべきなんだ。
これが七咲にとっての最善の手段だと思う。

その後、僕は4時までしっかりと勉強してから寝た。
僕も七咲もしっかりと寝て8時に起き、大学に行った。
七咲の愛情籠ったコーヒーのおかげか、この日は1日中頭が冴えて、4限目の試験も余裕だった。

そして日にちは飛んで、2週間目の木曜日の深夜0時過ぎ。
僕はこの日で試験終了だったので、解放感に全力で浸っていた。
めんどくさい10科目の試験からようやく解放されたんだ。
嬉しくて仕方がない。
新作のゲームでもやろうと思って部屋に向かおうとしたその時だった。

「あれ?」

隣の部屋を見るとまだ電気がついている。

「あ、そっか!」

そういえば僕は今日試験が終わったけど、七咲は明日がラストだったんだ。
どうやら明日のラスト1科目が一番きついらしい。まさに正念場だ。
しかも今日3科目の試験を終えて勉強できる時間が少なかったらしい。
体力も限界かもしれない。

「七咲……大丈夫かな?よし、コーヒーの差し入れでもしよう」

僕はコーヒーを淹れて再び七咲の部屋の前に立つ。

コンコン。

「七咲、起きてるか?」
「……」

……返事がない。
もしかして居眠りしてるのか?それとも居眠りしてるフリとか?
いや、まさかな。あははは。

「七咲、入っていいか?」
「……」

……やはり返事がない。
まさか!

「七咲、入るぞ」
「……」

返事がないけど、僕は心配になって七咲の部屋に入った。
すると……僕の目に飛び込んで来た光景は……!?

「あ……」
「……せん……ぱい……むにゃ……」
「七咲……?寝てる……」

やはり思った通り、七咲は居眠りしていた。
今日の3科目の試験が相当堪えたらしい。

「おいおい、七咲ったら。明日試験じゃないのか?寝ちゃ駄目だろ」

僕は七咲を起こそうと七咲のすぐ後ろに近寄った。

「七咲、起きろ。起き……ろ……あ……」

七咲を起こそうと僕は七咲の両肩に両手をそっと添えて七咲の身体を軽く数回揺さぶった。
その時だった!

「か、かわいい……」
「ん……んん……」

今まで何度も見て、見慣れているはずの七咲の寝顔が特別かわいく思えた。

「七咲って……こんなにかわいかったんだ……」

僕はその場で固まり、七咲の寝顔に見入っていた。
僕は七咲を起こすのを躊躇った。
寝顔がこんなにかわいいのに……起こすなんてもったいない。
でも、起こさなきゃ!七咲自身のためにも。
だって明日大事な試験があるんだぞ?
もし七咲が留年なんかしたら結婚はとりやめだ。
このかわいい寝顔ももう二度と見れないかもしれない。
……だけど、このかわいい寝顔をずっと見ていたい。見続けていたい。
僕はどうすればいいんだろう?
僕の私欲のために七咲を寝かせておくべきか、それとも七咲自身のために七咲を起こすべきか。
そんな葛藤を僕は10分くらいした。
悩みに悩んだ末、出した結論は……

「よし、このかわいい寝顔を撮影すればいいんだ」

今ちょうど使い捨てカメラを持ってて、余っているフィルムがあった。

「七咲……ごめん!」

パシャ。

七咲のかわいい寝顔を……1枚の写真に収めた。ベストショットだ。
でも、これって世間では盗撮って言うんじゃないの?
しかも僕は今刑事を目指している。
……
いや、バレなきゃいいんだよ。バレなきゃ。
刑事らしからぬ発言だが、まあ、気にすることはない。
さて、これで満足した。七咲を全力で起こすんだ!!

「七咲、起きろ!」
「……」

僕は七咲の両肩に両手をそっと添えて七咲の身体を少し強めに数回揺さぶった。
しかし、反応はない。

「はぁ。七咲、起きなきゃまずいんじゃないか?」

ぷにぷに。

僕はふざけて七咲のほっぺたを人差し指で突っついてみた。

「あ……柔らかい」

ぷにぷに。

「七咲のほっぺた、結構柔らかいなぁ」

ぷにぷに。

「普段唇にしかキスしないからなぁ。唇の柔らかさくらいしか知らなかった」
「よし、試しに……」

……ちゅっ。

僕はふざけて七咲のほっぺたにキスしてみた。

「柔らかい……抜群の破壊力だ」

……って!僕は何七咲で遊んでいるんだ!?
早く起こさなきゃ!!
でも、こんなことをしても起きないなんて……相当疲れているのかな?
……だったら!
……こんなことをしても平気かな?

僕は七咲の背後から脇の下を通して、胸まで両手を伸ばした。

せいの!

ぷにぷに。
びくっ!
「ん……」

七咲の胸を触った。
すると、七咲の身体が反応した!
これは効果がありそうだ!数回やれば起きるだろう。

せいの!

ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!
「ん……んん……」

今度は触るだけじゃなく、ちょっと強めに押してみた。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!
「ん……はう!や、やめて、駄目!」

さらに強めに押してみた。
これはもう触る……ではなく、揉む……だな。

寝言か。もうちょっとだな。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「ん……はぁ……ゆ、許して……お姉ちゃんが悪かったから……だから、やめて……」

え??お姉ちゃん??
郁夫の奴……昔七咲に何をしてたんだ!?
うらやましい。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「はう!……ああん……あ!」

それ、もっとやってやれ!

僕は調子に乗って七咲の胸を揉みまくった。

ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。ぷにぷに。
びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!びくっ!
「や、やめて下さい先輩!」

ははは……先輩だって!まだ寝ぼけて……ん??先輩??
僕のことか??えっ??

僕は身の危険を感じて七咲から手を離した。
しかし、手遅れだった!

「あ……な、七咲、おはよう」
「……」
「あ、あははは……コ、コーヒーあるぞ」
「……」
「そ、それじゃあ僕はこれで……」

ぎゅっ。

「えっ??」

僕が逃げようとして七咲に背を向けた途端、七咲に背後から襟を掴まれた。

「えっ??な、七咲?」
「すぅ……」
「……」
「この変態!!!」
ボカ!!ボカ!!ボカ!!
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!」


結局七咲にバレてしまった。まあ、当然のオチだな。

椅子に座り直す七咲。僕は七咲の前で土下座した。

「先輩との婚約はなかったことにします」
「えっ??どうしてさ?」
「毎日こんなことされたら嫌ですから」
「ま、毎日だなんて……た、たまたまの間違いだろ?」
「……!」
「ご、ごめんなさい。調子に乗りました」
「もしかしてそこにあるカメラで私の寝顔を撮影したりとか?」
「カメラ……?あ……」

しまった!カメラをしまい忘れていた。僕は重要な証拠を現場に残した駄目刑事だ。

「したんですね?そのカメラ、最初からそこにはありませんでした」
「はい、容疑を認めます。寝顔があまりにもかわいかったので……その……つい……調子に乗って」
「う……この盗撮魔」
「ごめんなさい。だけど……あまりにもかわいくて……」
「もういいです。出て行って下さい。早く!私は勉強しなきゃいけないんです。先輩は邪魔ですから」
「う……」
「まだ何かあるんですか?」

七咲、相当怒っている!
早くこの誤解を解かないと婚約が破棄されてしまう!!

「……」
「早く用件を言って下さい」

よし!!!

「……」
「……」
「ごめん……本当は悪気はなかったんだ。ただ、七咲が明日大事な試験があるって言うから……」
「……」
「しかも今日3科目終えて疲れて居眠りしてないか心配で……」
「え?」
「もう冷めちゃったけど……ここにコーヒー持って来たんだ。そしたら……」
「私が居眠りしてた……」
「うん」
「……だったら……もっと普通の起こし方でよかったのに……どうして……」
「……」
「どうして……胸を!!」
「う……」

七咲は椅子から立ち上がって僕の前にしゃがんだ。
僕は七咲に襟を掴まれ、持ち上げられた。
七咲は胸を揉まれたことが嫌だったみたいでちょっと涙目になってる。

「ごめん。それでも起きなかったから……つい調子に乗って……」
「……」
「実は起こす前に七咲のかわいい寝顔を見ちゃって……一瞬起こすのを躊躇ったんだ」
「え?」

七咲が僕から手を離した。

「七咲のかわいい寝顔をずっと見ていたくて……それで……盗撮を……」
「う……」
「悪いのはすべて僕なんだ!!償いならいくらでもする!!だから……だから……」
「……」

僕は深く土下座した。

「婚約だけは破棄しないでほしい!!僕はずっと七咲と……逢と一緒にいたいから!!」
「……」
「逢の……その……かわいい寝顔をずっとそばで見続けていたいから……お願いします!!どうか……」

僕は強く歯を食いしばった。

「……もう、いいですよ」
「えっ??」
「本当に……仕方がない先輩ですね」
「逢……」

七咲はコーヒーカップを持って、冷めたコーヒーを一口飲んでから……

「ふ……まったく……相変わらずバカでエッチで……本当にどうしようもない先輩です」
「逢……」
「だけど……バカでエッチだけど……私を想う気持ちに嘘はないみたいですね。安心しました」
「じゃ、じゃあ……」
「私を起こしてくれたお礼に、許すことにします」
「逢……ありがとう!」
「方法は間違っていたけど、先輩が私を起こしてくれなかったら大変なことになっていました」
「本当にごめんな。このカメラに入っている寝顔は後でちゃんと削除……」
「いえ、その必要はありません」
「えっ??」
「それは先輩が持っていて下さい」
「えっ??い、いいのか?」
「はい。さっき私は許すと言いました」
「わ、分かった。ありがたく受け取るよ」
「ただし!」
「は、はい!!」
「他の人には絶対に見せないで下さいね。恥ずかしいので、先輩と私だけの秘密にして下さい」
「分かった!」

よかった……分かってもらえたみたいだ。
逢……本当に僕が悪かったよ。
これからも誠心誠意逢に尽くすと誓おう!

「……もう1時ですね。早く勉強しないと」
「あのさ……逢」
「はい?何です?」
「僕……ここにいてもいいかな?」
「えっ?」
「その……お詫びと言っちゃあ難だけど……逢が寝ないように僕がここにいて見守る」
「えっ??い、いいですよ……私一人で勉強できますので」
「でも、疲れてるんだろ?また寝ちゃうかもしれない」
「そしたらまた先輩が起こしてくれるんですか?エッチな手段で?」
「い、いや、今度は普通に起こす!!何が何でも!!さっきのことはもうしません!!」
「信用できませんね……ついさっきされたばっかりなので」
「そ、そこを何とか信用して下さい!!」
「……分かりました。これ以上争っていても時間の無駄なので、どうぞお好きにして下さい」
「そ、その言い方は引っかかるけど……分かった」
「あ、それと……」
「うん」
「コーヒーごちそうさまでした。おいしかったです」
「あ、うん。どういたしまして」

七咲は再び勉強机に向かう。
僕は七咲が飲み終えたコーヒーカップをキッチンで洗ってから再び七咲の部屋に戻った。

「……」

黙々と勉強している七咲。
何を勉強しているのか気になってちょっと覗いてみた。

「……か、解剖学?」
「えっ??」
「解剖学なんて勉強してるの?怖い」
「ああ、これですか?別に怖くはありませんよ。人体の構造を学ぶんです」
「えっ?そんなの勉強してどうするの?」
「そんなのって何ですか?そんなのって?アスリートを目指す者にとっては重要な学問なんですよ」
「そうなのか?」
「はい。基本中の基本です」
「ああ、そっか。筋肉とかの勉強をするのか。確かに重要だなぁ」
「そういうことです」
「へぇ……あ、この上腕二頭筋って何かどっかで聞いたことがある!」
「肘を曲げる筋肉ですよ」
「へぇ……そうなのか?」
「……」
「あ……この大胸筋って……」
「胸の筋肉ですね」
「へぇ……胸のねぇ……」

そう言って僕は七咲の胸を見る。
胸のねぇ……
七咲の胸にも……

「先輩!どこを見てるんですか?」
「えっ??」
「今、私の胸を見ていましたね?」
「あ……ごめん」
「私の胸ではなく、ちゃんと教科書を見て下さい。エッチな先輩ですね」
「う……」

怒られちゃった。まあ、当然だな。さっきのことがあるし。

七咲は一生懸命教科書に書いてある文章を読んで覚えようとしている。
僕も同じ文章を読んでみる。

「はぁ……難しいですね。覚えづらいんです」
「なぁ……逢」
「はい?」
「僕、初めて見るから正しいかどうかよく分からないんだけど……」
「何です?」
「こういうのって文章読んだだけじゃ駄目なんじゃないかな?」
「え?と言うと?」
「ほら、隣に図が出てるだろ?文章じゃなくて図を覚えればいいんじゃないかな?」
「図を?」
「例えば、さっきの上腕二頭筋だったら……こういう走行だから収縮したら肘が曲がるって」
「……」
「どう……かな?」
「なるほど。それなら分かりやすいですね」
「うん。だと思うよ」
「……」
「僕思うんだけど、解剖学って実際に人体を観察して得られた結果をこの文章にしたんじゃない?」
「つまり?」
「こっちの図から分かったことをこの文章で表してるとしたら、逢も同じことをすればいいと思う」
「同じこと?」
「まずは、この図を覚える。そしたらこっちの文章が自然に出て来るんじゃない?」
「……」
「……」
「なるほど。確かに先輩の言う通りです」
「……だろ?」
「でも、意外です」
「何が?」
「先輩は初めて見たのにそこまで分かるなんて」
「あ、ああ……僕はもともと数学が得意だからね。何となくだよ」
「何となく……。でも、すごいと思います」
「そ、そうかな?」
「はい」
「て、照れるなぁ」
「あ、それはそうと先輩」
「ん?」
「先輩は起きてても平気なんですか?」
「ああ、平気だよ」
「でも、先輩も今日試験を2科目受けて疲れてるんじゃ……」
「うん。さっきまではね。だけど、逢のパンチを食らったら疲れが吹っ飛んだよ」
「ごめんなさい……。痛かったですよね?」
「う、うん。まあ……正直痛かったけど……おかげで元気が出たよ。ありがとう」
「……」
「逢?どうした?」
「やっぱり先輩は変態ですね」
「え?」
「女の子に殴られて喜ぶなんて……」
「あ、いや、あはは……」

そうだよ!僕はドMキャラか!?違うぞ!!断じて違うからな!!

それから3時まで、勉強する七咲のそばにずっといてあげた。
ただ何もせずずっとそばにいてあげた訳ではなく、僕も七咲の教科書を読みながら一緒に勉強した。
正直七咲が日頃何を勉強してるのか興味があったんだ。

「よし、残り3ページか」
「はい。そうですね。はぁ……」

七咲は欠伸をした。

「眠いのか?」
「ええ。もう3時ですからね」
「そっか。もうそんな時間なのか。僕は試験終わったし明日1日中家でごろごろできるけどな」
「うらやましいです」
「でも、そのおかげでこうして逢の勉強に夜遅くまで付き合ってあげられるんだ」
「私のために……ありがとうございます」
「ううん。逢のためだけじゃないよ」
「え?」
「これは僕のためでもあるんだから」
「先輩の?」
「僕も逢も無事に現役で大学を卒業できなきゃ結婚できないからな」
「そのために私を……?」
「そう。僕は僕と逢、二人のために今こうして逢を応援しているんだ」
「先輩……」
「さあ、雑談はこのくらいにしよう。早く勉強をするんだ……」
「はい……えっ?」

僕は逢を全力で抱きしめた。

「えっ?ええっ?せ、先輩……いきなり何を?」
「逢……頑張ろう」
「ん……んん……」

僕は逢の唇にキスをした。
さっきふざけて逢のほっぺたにキスをしたけど……やっぱり唇の方がいい。
唇の方が柔らかくて温かい。

そして逢を放した。

「……」
「……」
「さあ、今のキスで逢の眠気は僕がすべて吸い取った。代わりに僕の元気を逢にすべて与えた」
「……」
「もう少し……せめて4時までは頑張れるよな?」
「……はい!頑張れる気がします!頑張ります!」
「よし……それじゃあ僕も一緒に勉強しよう」

こうして逢の試験最終日の前夜に逢と一緒に甘い一夜を過ごした。
最初はどうなることかと思ったけど、逢が許してくれたし、一件落着だ。

翌朝、僕は七咲を起こそうと、七咲の部屋の前に立った。

「七咲、起きろ!そろそろ起きないと」
「分かってます。先輩に言われなくても私はちゃんと起きてます」
「そ、そっか。ならいいんだ」
「私は先輩とは違ってしっかりしてるつもりです」
「昨日僕に起こされなきゃ起きれなかった人がよく言うよ……」
「あ、あれは……」
「あれは?」
「もういいじゃないですか!早く朝ご飯を食べましょう」

そう言って七咲は部屋から出てリビングに向かった。

さては照れてるな?

「それじゃ、先輩。行って来ますね」
「うん、頑張ってな」
「はい」

七咲は元気よく家を飛び出して行った。
七咲の鞄には今年の春に買った僕とお揃いの学業成就のお守りが付いている。
安全祈願のお守りだけではなく、学業成就のお守りも僕と七咲の絆の象徴なんだ。
僕は数ヶ月前、学業成就のお守りと一緒に買った七咲とお揃いの安全祈願のお守りに生命を救われた。
そしてその出来事がきっかけで七咲との婚約に至った。
今度は学業成就のお守りで僕が七咲を救ってやるんだ!!昨日七咲の勉強を手伝ったみたいにな。
二人の関係を恋人同士から婚約する仲にまで進展させたのが安全祈願のお守りなら……
二人の関係を婚約する仲から夫婦にまで進展させるのが学業成就のお守りなんだと思う。
僕と七咲はお互いの夢を応援することで一歩ずつ結婚というゴールに向かっている。
これからもゴールを目指してお互いに頑張っていこうと思う。



七咲アフターストーリー
エピソード「先輩、今日は試験前夜です」(ノベル)
END

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2010-11-26

歳をとりたくないよぉ

僕は先週(11月17日)に22歳になりました。
今更という感じもしますが……。
その報告がてら書いたSSはすでに載せました。
七咲アフターストーリーエピソード「先輩、お誕生日おめでとうございます」
もう読んで下さいましたか?
まだという方は後でじっくりと読んでいただければ結構です。
ちなみに誕生日の午前1時過ぎにそのSSに書いてある通り……
4.5号サイズ(4.5人前)のケーキを何とか完食しました!!
実はTwitterの方で実況していました。
こんな感じです。


ふぅ。ようやく落ち着いた。ちょっとバタバタしててまだケーキ食ってないんだ。今から食うよ!!完食したら教えるね
1:02 AM Nov 17th

いただきます
1:02 AM Nov 17th

うん。このケーキ甘くてうめぇ!!最高
1:06 AM Nov 17th

ケーキがおいしい!!幸せ
1:10 AM Nov 17th

ケーキ半分食った!!苦しいwww
1:19 AM Nov 17th

一気にもたれたよwwww
1:21 AM Nov 17th

ケーキ、残り1.5号!!ラストスパート!!うう、辛いよぉ(´;ω;`) ブワッ
1:34 AM Nov 17th

#nowplaying 爆風スランプ「runner」 辛くなったんで、ちょっとBGMかけて頑張るわぁ
1:39 AM Nov 17th

#nowplaying ZARD「負けないで」
1:45 AM Nov 17th

あと1号だっていうのに食えないwww何か……吐きそうwwww
1:48 AM Nov 17th

ちょい休憩。入らない
1:49 AM Nov 17th

#nowplaying アマガミサントラより「森島はるかのテーマ」 これを聞きながらちょい休憩
1:52 AM Nov 17th

まもなく食べ始めてから1時間経過。まだ食べ切れない!!ちくしょ
1:54 AM Nov 17th

ケーキ4.5号食った直後に寝たら俺確実に太るわなwwwつーか食った時点ですでに太ってるし!!今日は徹夜覚悟だ!!徹夜でテイルズオブジアビスでもやろう
1:56 AM Nov 17th

#nowplaying アマガミサントラより「七咲逢のテーマ」
1:56 AM Nov 17th

もうちょい休む
1:56 AM Nov 17th

うん、七咲逢には癒される!!マジ癒される!!
1:58 AM Nov 17th

#nowplaying 七咲逢「恋はみずいろ」
2:00 AM Nov 17th

#nowplaying 七咲逢「minamo」
2:05 AM Nov 17th

おっし、これ聴き終わったらラストスパートする!!
2:08 AM Nov 17th

い く ぜ
2:10 AM Nov 17th

【速報】ケーキ4.5号完食なーーう!!やったよ、やりきったよ!!1時間以上かけてついに食べ切ったよ!!やった、やった!!もう興奮が止まんね!!拡散でも何でもしてくれ!!
2:14 AM Nov 17th

約1時間12分かけてようやく完食しました。
半分の2号くらいまでは勢いで食べられたのですが、それを過ぎた辺りから急にもたれてしまいました(汗)
吐き気がして食べるのが嫌になり、それでも音楽に癒されながらようやく完食しましたね(笑)
食後は5時くらいまでテイルズオブジアビスというバンダイナムコゲームスのゲームをやって起きてました。
さすがに気持ち悪くて寝れませんでした。
翌朝もケーキに入ってるお酒のせいか若干気分が悪くて、午後の大学の講義を受けるも上の空でした(笑)
その講義が終わったら即行帰って寝ましたね(笑)もう眠くてしょうがなかった(笑)
とにかく色んな意味で無茶をした22歳の誕生日でした。
1年に1度の不摂生だから……いいですよね?
まあ、今更ながら……ケーキ完食についての報告でした(笑)
本当はもっと早く報告するつもりでしたが、何分気が乗らず、今更になってしまいました。

まあ、それは置いといて……
最近歳をとったなぁと実感することがありました。
例えば、少し落ち着きが出てきて緊張しなくなったことですね。
僕の通っている大学は医療系で、病院実習とか実技試験とかプレゼンテーションなど緊張する場面が多々あります。
昔の僕はとにかく緊張しまくって失敗ばかりしていました。
手や声が震え、視界が狭くなり、冷や汗たらたらで悪寒がして……終わった時の疲労感が最悪でしたね(笑)
でも、最近はそういうのが少なくなってきました。

僕は今夏の病院実習と後期の実技試験を落として留年となったわけですが……

今夏の病院実習は緊張した時としない時の差が激しかったです。
うまくいきそうだなと思った時はそれほど緊張しませんでしたが……
急に自信がなくなって、一度間違ってると思い込み不安になった時……
手や声が震え、視界が狭くなり、冷や汗たらたらで悪寒がして……終わった時の疲労感が最悪でしたね(笑)
相当激しく緊張したのを覚えています。
その日の午後は空が黒い雨雲で覆われ辺りが暗くなり、激しい雨が降っていました。
まるで、その時の僕の気持ちを天気が代弁するかのように……(笑)

しかし、後期の実技試験は逆にまったく緊張しませんでした。何故なのか自分でもよく分かりませんでした。
実技試験は大勢受けたので後に受ける人たちは順番待ちをする必要がありました。
僕は落ち着きのない子?なので、じっと待ってられずブラブラと学内を散歩しながら待っていました(笑)
あれ?さっき少し落ち着きが出てきたと書いたはずなのに……?
まあ、それはいいです。いや、よくはないですが(笑)
そして待つこと1時間半くらいでようやく自分の番が来た頃には完全に脱力して……
落ち着いて緊張せずに実技試験を受けました。
まあ、要は実技試験の時、つまり本番での落ち着きが少し出てきたということですね(笑)
本当にまったく緊張しませんでした。動作もスムーズでした。
どうしてあんなに落ち着いていられたのか、本当に不思議で仕方がなかったです(笑)
一応、疲れましたが……実技試験で、ではなくその前の1時間半の散歩で疲れました(笑)
普通実技試験前に1時間半の散歩をする学生がいるかー??
そんな学生がいるとしたら本当に僕くらいなもんですよね(笑)
怠惰な学生だなぁ(笑)

あ、ちなみに……
今夏の病院実習と後期の実技試験は両方ともクリアしました!!
来年の4月から晴れて大学4年生になります!!

でも、正直喜べないんですよね。進級は留年よりもさらに地獄なので。
今よりももっときっつい病院実習に、卒研に、資格試験のための猛勉強……。
考えただけでも吐き気がする……。ケーキ完食なんて生易しいくらいの吐き気がする……。
もっと遊んでいたかったのにどうして進級なのか……。
今はそんな複雑な気持ちです。

少し落ち着きが出てきて緊張しなくなったのは嬉しいけど……
歳をとるということは=進級、さらには就職という地獄が待っているということなんです。
ずっと子供のままでいられたらどんなに楽をできたことか。
僕は今まで親や兄弟や学校の先生や友達やご近所さんに護られて生きてきた……。
しかし、歳をとるということはその護りを失って……
今度は僕が僕自身を護らなきゃいけない……
それだけではなく、今まで僕を護ってくれていた人たちを逆に僕が護り……
さらには将来新たに生まれるであろう僕の新しい家族を護るということ。

僕が今まで書いてきた七咲アフターストーリーの主人公「しゅう」みたいに……
僕にも誰かを護らなきゃいけない時がいずれやってくる。近からず遠からず。
でも、こんなバカで非力な僕にいったい何が出来るのだろうか?

大学の教授は僕に言ってくれた。

――進化論を唱えたダーウィンは言っている。
頭のいい者が生き残るわけじゃない。
力のある者が生き残るわけじゃない。
変化に対応できる者が生き残る。

でもはたしてこんな僕に変化に対応できる能力があるのだろうか?
僕みたいな駄目人間は真っ先に滅びてしまいそうだ。
ただ平凡に何もせず、22年の歳月を積み重ねてきたこの僕にいったい何ができるのだろうか?
最近そんなことをよく思う。
未来に希望なんてものはまったくなく、常に絶望し、自分のありとあらゆる可能性を否定し続けてきた。

でも……
こんな僕にでも……
明るい未来がやって来るというのなら……
とりあえずは頑張ってみようと思う!

あ~あ、歳をとりたくないなぁ!!!

2010-11-22

「おお、美也」

早速だが、この記事のタイトル「おお、美也」とは何か。
これ実は過去に僕が発案してTwitterで一部の梨穂子好きの方々にウケたしょーもないネタです(笑)
しょーもない言うな!!!(笑)

確か、こんな流れだった。
とある梨穂子好きの方が「大宮に行く」みたいなツイートをした。
アマガミ脳な僕は大宮を「おお」と「みや」に分離し、「おお、美也」というネタが瞬時に浮かび……
早速その方に「おお、美也」というネタをリプライ(返信)した。
正直、あの時は「何だ、くだらねぇギャグだなぁ」と引かれると思っていた。
ところが、予想外にもその方に「おお、美也」というネタがウケた!!(笑)
引かれるどころか、その方以外にも「おお、美也」というネタが浸透したのであった!!(笑)
びっくらこいたね(笑)まさかウケるなんて(笑)

ほんでもって、昨日は昨日でアマガミSSマンスリーイベント桜井梨穂子編がTFTホールという所でありました。
僕もイベントに参加して、梨穂子好きの方々と初のオフ会となりました。
聞けば北は秋田から、南は愛媛から遠渡はるばる来られたそうな。
皆さん梨穂子のためにわざわざそんな遠くから……本当お疲れ様です。
梨穂子「ご足労ありがとうございました」
イベントが終わった後、僕は総勢8名のアマガミ好きの方々とともに……
TFTホールの最寄り駅である国際展示場からりんかい線で大井町に……
大井町から京浜東北線で御徒町へ移動しました。
御徒町のパセラで2時間カラオケしようということに決まったので。

んで、京浜東北線「大宮行き」に乗っていた時の出来事。
これだけでだいたい想像つきますよね?
最初は疲れていたので、無言でうとうとしていました。
車内の電光掲示板で「大宮行き」を何度か見て、車内アナウンスで「大宮行き」を何度か聴いているうちに……
「大宮」という言葉が何か頭の中で引っかかるなぁと思ったわけです(笑)

大宮?
おおみや?
おお……みや?
あ!!
おお、みや!!(笑)
おお、美也!!(笑)
「おお、美也」じゃないか!!(笑)

そう、「大宮」からの「おお、美也」というネタをその時思い出しました!!(笑)
しかも僕が過去にそのネタを広めた当事者がすぐ目の前にいるじゃないか!!(笑)
そう思ってその方にすぐに「おお、美也」というネタを伝えようと思い立ちました。
その時、車内は空いていて、乗客はみんな座ってて若干空席があった……
しかし、その方は僕の向かいの席でちょっと距離がある……
しかも端っこに座ってて隣は他の梨穂子好きの方が座っていて、僕が座れるスペースはない……
これを伝えるためだけにわざわざ移動するのも変だと思った……
そこでTwitterの出番です!!(笑)
早速その方に「おお、美也」というネタをリプライ(返信)した。
すると、「懐かしい」というリプライ(返信)!!
どうやら思い出してくれたみたいだ!!大成功だった!!
しかしまあ、こんな至近距離なのに直接話さずTwitterでやり取りするなんて……変な光景だ(笑)

その後、カラオケが終わって秋葉原のCOCO'Sへ移動。
偶然、梨穂子好きの方々と席が同じになったので、「おお、美也」というネタについてトークしました!!(笑)
聞けば「おお、美也」というネタは予想外にもウケて、色んな方々が使ってくれているそうな。
ネタ発案者としては嬉しい限りです!!

「おお、美也」というネタを通して……
僕と梨穂子好きの方々の間に新たな絆が生まれた?
いや、大げさだろ(笑)
まあ、そんな楽しい楽しい梨穂子オフでした。

皆さんもぜひ「おお、美也」というネタを使ってみて下さい。
また、「おお、美也」というネタを色んな方面に広めていただけたら幸いです(笑)

2010-11-19

祝!!ブログ、リニューアル!!

前々からこのブログのテンプレートを変えたかったので、ついに変えてしまいました!!
今まで変えたかったけど、その方法が分からず、ずっと詰んでいました。
しかし、数日前にFC2ブログのテンプレート改造方法が分かる方を……
TwitterのQ&Aなうというアプリで募集したところ……
親切に教えて下さるという方が1名名乗りを上げて下さいました。
僕はその方に手取り足取り教わり、ついにここまで僕仕様に仕上げました!!
いやあ、苦労しましたよ。前途多難でした。頑張りました。
その方にも散々ご迷惑をおかけしました。
でも、おかげでここまで出来たんです。
本当にありがとうございます。
その方から教わった知識を基に、これからも頑張っていきたいと思います。
また、これからも、Twitterでもよろしくお願いします。

2010-11-17

エピソード「先輩、お誕生日おめでとうございます」(ノベル)

まず、混乱防止のためにこの話の設定を先に書いておきます。
本日、11月17日は当ブログの開設者であり、当ブログにある数々のストーリーの作者でもある……
僕、七咲しゅうの誕生日なんです。はい、拍手!!
……(しーん)
な~んて誰もしないよね?ははは……(棒読み)
一応右のプロフィールには誕生日の月日だけは載せてあります。ご参照下さい。
生年は……あまり歳を知られたくないので載せてないです(笑)
別に大した理由があるわけではなく……そう、何となくです(笑)
でも、この話では思い切って公開しちゃいます!!
先に書いておく……刮目せよ!!!

1988年(昭和63年)11月17日生まれです!!
満22歳になりました!!

しかも平成22年にちょうど22歳という……何と覚えやすい年齢だ!!
どうせなら平成22年2月22日22時22分22秒22……みたいなゾロ目だったらよかったのにな~
そんな奇跡はそうそう起きるものじゃない。
それに2月22日って七咲逢の誕生日の1日後じゃないか!!いいなぁ~(笑)
平成22年に22歳ってことは……
一応ゆとりだよ?ゆとりですよ!!
ゆとりで悪かったな!!!
いや、誰も悪いなんて言ってないしな……(笑)

ちなみに僕は現在医療系大学3年生です。留年中です。
ダッサ!
おい、今ダサイとか言った奴誰だ!?出て来いよ!!
……僕か。いや、僕しかいないよな。ま、いいや。
今、単位を習得すべく努力しております。
あともうちょっとで進級できるはず!!
頑張ります!!応援よろしくお願いします!!


まあ、そんなわけで……
僕自身の誕生日を祝うためにこんな話を書いてみました。

七咲アフターストーリー
エピソード「先輩、お誕生日おめでとうございます」(ノベル)


この話を書くにあたり、七咲アフターストーリーの設定を用いることにしました。
今までの話を読んでいただければ分かる通り……
(この話を読む方が全話読んで流れを掴んでいただいていることを前提に話を進めます)
(まだ読んでない方はまた後ほどゆっくり読んでいただければ結構ですよ)
七咲アフターストーリーの設定は以下の通りです。
僕(橘しゅう)は私立大学法学部4年生で、12月14日に22歳になります。
何故12月14日かというと、ゲーム本編ではクリスマスイヴの10日前が主人公の誕生日となっているからです。
一方、この時同棲している彼女……そう、我らが七咲逢は20歳で体育大学3年生です!!
この日から2年ほど前の秋、僕は大学の友人2人と登山に行って、誤って山から転落し、記憶喪失になりました。
その時、七咲が僕の記憶を取り戻そうと懸命に励んだことがきっかけで、僕と七咲は婚約に至りました。
無事に二人とも大学を現役で卒業することを条件に婚約に至ったわけです!!
ちなみに結婚したら僕の方が姓を変えて七咲しゅうになります。

この話は、作者である僕(七咲しゅう)の22歳の誕生日を……
主人公である僕(橘(七咲)しゅう)の22歳の誕生日に重ね合わせて……
作者の11月17日の22歳の誕生日を主人公の12月14日の22歳の誕生日として祝います。
要は作者の年齢を主人公の年齢に重ね合わせた感じです。

前置きがかなり長くなってしまいました。
では、本編をどうぞ!!



あの婚約の日から2年という月日が流れた……
今日は12月14日、僕(橘しゅう)の22歳の誕生日だ!!
そのことを覚えていなかった僕は今日も普通に七咲が待っている我が家に帰宅した。

「ただいまー」
「先輩、おかえりなさい。どう……でした?」
「え?何が?」
「とぼけないで下さい。試験ですよ。今日重要な試験があるって言ってたじゃないですか」
「ああ、試験か……うん、ぼちぼち……かな」
「ぼちぼち!?そ、それで大丈夫なんですか!?」
「分かんない」
「はぁ……。もっと頑張って下さいよ……」
「うん、頑張る」

僕は重要な試験が終わって疲れていたので、気の抜けた返事をした。
靴を脱いで上がった。

「何ですか、その気の抜けた返事は?」
「さあ。何だろうね」
「留年とかやめて下さいよ。留年なんてしたら即婚約解消しますので、そのつもりで」
「留年は絶対しない。大丈夫」
「はぁ……。その自信はいったいどこから来るんですかね……」
「さあね」
「先輩は……本当に私と結婚する気があるんですかね?このままだと……」
「ん?何か言った?」
「い、いえ!別に何も。それよりも夕飯の支度が出来ているので早く着替えて来て下さい」
「分かった。……そういえば何かいい匂いがするなぁ」

僕は居間から漂ういい匂いに釣られて、即行着替えをして居間に向かった。

「ああ!!すごい豪華な食卓だ!!どうしたの、これ?」
「ふふっ。久しぶりに頑張ってみました」
「え?何々?どうしたの??」
「とりあえず……席について下さい」
「うん」

僕と七咲は席についた。

「いただきます」
「い、いただきます」

僕が早速料理に手をつけようとすると……

「あ、待って下さい」
「ん?」
「先輩、グラスを持って」
「え?こうか?」
「橘しゅう先輩……22歳のお誕生日おめでとうございます!!乾杯」
「ああ!!そういうことか!!すっかり忘れてた!!乾杯」

チャリン。

そういえばそうだったな!!今日12月14日は僕の22歳の誕生日だった!!
だからこの料理なのか!!七咲が1年に1度、料理の腕を奮う日。
七咲は僕の帰りを楽しみに待っていたんだな。
だったらもっと明るい表情で楽しそうに帰ってくればよかったな。
試験さえ余裕だったらなぁ……。

「覚えててくれたんだ……」
「はい。当然です。先輩も毎年私の誕生日を覚えててくれるので」
「はは……相手の誕生日を覚えてるくせに自分の誕生日を忘れるなんてな……」
「私も先輩の誕生日は覚えているのに私の誕生日は忘れています」
「僕たちは似たもの同士だな」
「そうですね!クスッ」
「食べていい?」
「はい、どうぞ」

パク、モグモグ。
パク、モグモグ。

「……」
「……」
「おお、おいしい!!さすが七咲!!」
「あ、ありがとうございます」
「こんなおいしい料理が毎日食べられるなんて……僕はなんて幸せ者なんだろう……」
「えっ?あ……えっと……先輩」

僕の言葉に七咲は照れて話題を変えようとする。

「え?何?」
「誕生日プレゼントですが……今年も何にしようか迷って結局……」
「いいよ」
「え?」
「僕はこんなおいしい料理を食べられるんだ……それだけで幸せなんだ」
「先輩……」
「この料理には七咲の愛情が込もっている!この料理こそが僕への誕生日プレゼントだよ」
「あ……」
「ありがとう……逢」
「ん……」

僕は誕生日プレゼントのお礼に七咲にキスをした。

「……って!早く食べないとせっかくの愛情が冷めちゃうな」
「……」
「うん。これもおいしい!!」
「……はい、そうですね」

我ながらうまいこと言った?
七咲は照れているようだ。

「あ……先輩」
「ん?」
「22歳の抱負を聞いていいですか?」
「え?抱負??」
「はい」
「抱負って……何を言えばいいんだろう?聞かれたの初めてだからな」
「目の前にある目標とかです」
「目の前……か。でもな、ありふれてるよな」
「大学を無事に現役で卒業すること……ですか?」
「そうなるね」
「確かにありふれていますが、それしかないですよね」
「うん。でも、誕生日にあった重要な試験があの結果だったからな……」
「なるほど。早速抱負に違反するわけですか」
「いや、違反じゃない!!たぶん受かった……と……思う」
「たぶん……?先輩、留年なんてしたら……覚悟は出来てますね?」

七咲が怖い表情で僕を睨みつけた!

「りゅ、留年なんて恐れ多い!!しない!!絶対にしないから!!」

この話の作者じゃあるまいし、留年なんてするもんか!!
でも、彼が留年しなかったら僕もこの話も生まれていなかったわけで……
うーん、複雑な心境だ。
……だけど!!

「僕は七咲と結婚したいんだ!!」
「ならもっと頑張って下さい……」
「もちろんだ!!」
「じゃあ、期待してます」
「……あ、そっか!」
「どうしました?」
「もう一つ……というかたった一つだけ大きな抱負があるよ」
「それは何です?」

ニコッ。
「えっ?」

僕は笑顔で七咲を見つめた。

「私……ですか?」
「そう。七咲を幸せにすること!」
「……」
「よくよく考えてみれば……七咲を幸せにするにはまず七咲との結婚だ」
「……はい」
「で、そのためには学業成就だ」
「はい」
「つまり、僕が今向かっている先には七咲との幸せな未来がある!!全部そこに繋がっている!!」
「そう……なりますね」
「だから、僕には七咲を幸せにするっていうたった一つだけの大きな抱負があるんだ」
「……」
「いや、それしかないって言った方が正しいのかな?」
「……」
「僕には……結局それ以外の抱負はないんだ。七咲が……僕のすべてだと思うから!!」
「……」
「ん?七咲?どうした?急に黙ったりして……」
「あ、えっと……ケーキ、持って来ますね」
「え?ケーキ??あるの??」
「はい」

七咲はケーキを取りに台所へ行った……いや、逃げたと言った方が正しいだろう。
僕が急に真面目な話をするから照れてしまったのだろう。

「はい、どうぞ」
「おお!!これは駅前の銘菓専門店のケーキじゃないか!!」
「箱開けますね」

七咲は丁寧にケーキの箱を開けた……すると!!

「おお!!大きいなぁ!!いくらしたの?」
「4.5号サイズで2300円でした」
「こんな大量に……食べ切れるかなぁ。この豪華な夕飯の直後だし」
「昔からよく言うじゃないですか。甘い物は別腹って」
「うん。だけどな……僕と七咲で2.25号ずつ食べられるかな」

まあ、実際にはこのケーキは作者がこの話を書き切った後、一人でおいしくいただきます(笑)
一人で4.5号サイズのケーキ食ったらお腹壊しそうだけど、年に一度の不摂生だし……いいよね?

「しかも僕のネーム入りか!!素晴らしい」
「じゃあ、早速ケーキを切りますね」
「あ、待って!その前に記念写真を撮りたい!!」
「あ……じゃあ、どうぞ」
「うん」

僕はこのケーキを写真に撮った。

誕生日1

誕生日2

誕生日3

「じゃあ、次は七咲とケーキのツーショットで」
「え?私ですか」
「うん。記念に」
「分かりました」

僕は七咲とケーキのツーショットを写真に撮った。

誕生日4

「次は先輩とケーキのツーショットですね」
「うん。お願い」
「はい」

七咲は僕とケーキのツーショットを写真に撮った。

「じゃあ、食べようか」
「はい」

七咲が手慣れた手つきでケーキを切り分けた。

「おいしい!!」
「ええ。おいしいです」
「それにしても七咲……料理だけじゃなくケーキまで用意してくれたのか!」
「はい。先輩のためなら当然です」
「ありがとう!!これも誕生日プレゼントなんだな!」
「え?あ……」
(七咲……好きだ!!大好きだ!!)
「んん……」

僕はまた誕生日プレゼントのお礼に七咲にキスをした。
しかもさっきよりもちょっと強めに。

「はぁはぁ……」
「はぁはぁ……ん?」
「どうした?」
「これは……」

七咲が唇についた生クリームを指で拭った。

「あ……もしかして……」

僕も唇についた生クリームを指で拭った。

「そうですよ。これは先輩がつけたものです!」
「そう……みたいだな」
「まったく……生クリームのついた唇でキスするなんて……」
「ごめん。気付かなかったんだ」
「……」
「でも、この方がキスの甘みが増していいんじゃ……」
「……!!」

七咲が僕を睨みつけた。

「……ごめんなさい」
「もう先輩とは金輪際キスしません」
「ええっ!?」
「また生クリーム付けられたらたまったもんじゃありません」
「そ、そんな……七咲!」
「もう知りません」

七咲は怒ってケーキを食べ出す。

「ごめん!ごめんって!僕が悪かった!!だから機嫌直してよ、七咲」
「……」
「七咲!七咲!!」

そっぽを向いてケーキを食べている七咲に僕が接近したその時だった!!

「クスッ」
「えっ?」
「えいっ!」
「あっ!」

七咲は急に僕の方を向いて、そのまま僕を後ろに押し倒した。

「んん……」
(七咲……どういうつもりなんだ!?怒ってそっぽを向いてケーキを食べ出したかと思えば……)
「んん……」
(いきなり向き直って僕を後ろに押し倒してキスだなんて!!)
「んん……」
(あれ?待てよ……この唇の柔らかい感触……まさか!?)
「はぁはぁ……」
「何だ、結局僕と同じことしただけか。まったく、びっくりしたよ」
「すみません」
「いや、いいんだよ。最初にやったのは僕だし」
「……」
「ありがとう……甘いキスを」
「いえ。先輩のためなら」
「でも、ちょっと甘すぎたかなぁ」
「クスッ。そうかもしれませんね」

その時、僕はケーキの箱に一緒に入っていたロウソクを見つけた。

「あんまり甘すぎると溶けてしまいそうだ、このロウソクみたいに」
「ロウソクみたい……?」

僕はロウソクを1本取り出して自分の食べかけのケーキに刺した。

「先輩……何を?」
「えっと……ライターどこだっけ?」
「そこの引き出しですよ」
「ああ、これか」

僕はライターを使ってロウソクに火を着けた。
そして部屋の証明を落とした。

誕生日5

「きれい……ですね」
「うん。そうだな」
「先輩、覚えてますか?ロウソクの話」
「うん。覚えているとも」

(参照:第7話「先輩、兄弟っていいですね」

「あれは4年前の夏休みの出来事だったな……。懐かしいよな、あの頃が」
「ええ。そうですね」
「……」
「……」

僕と七咲はしばらくの間ロウソクをじっと見つめた。
僕はロウソクと火を見ていて突然ひらめいた!

「なあ、七咲」
「はい。何ですか?」
「僕と七咲の関係って、このロウソクと火の関係に似てないか?」
「え?どういうことです?」

――僕はロウソクで七咲は火だ。
ロウソクってさ、火に溶かされて消えてなくなるまで火を灯し続けるだろ?
僕も同じだよ。
僕も自分を犠牲にしてまで……生命の限り、七咲に一生懸命尽くし続ける。
僕も溶けてなくなるまで七咲っていう火を灯し続けるんだ。
七咲がいつまでも明るく輝き続けるために、僕は一生懸命尽くし続けるんだ。
違う?

「……そう……ですね……」
「え?違った?」
「半分正解で、半分間違い……でしょうか?」
「え?どういうこと?」

――もしかしたら私の方がロウソクかもしれません。
火が熱ければ熱いほどロウソクは早く消耗しますよね。
先輩の私に対する想いが熱すぎて……私、溶けてしまいそうです。
先輩、いつもそんな熱いことを急に語り出すじゃないですか。
私、いつもびっくりしているんですよ。
このままではびっくりしすぎて寿命が縮まりそうです。
私を溶かし切らないためにも、あまり熱くならないで下さいね。

「えっ?そうだったのか!?ごめん……」
「いえ、冗談ですよ。クスッ」
「いや、七咲の言ってることも正しいと思う。確かに……僕は熱すぎるんだな」
「でも、先輩のそういうところ、結構好きですよ」
「えっ?」
「だって……そんな先輩だからこそ一緒にいて飽きないです。」
「七咲……」
「先輩と一緒だといつもびっくりさせられて飽きないんです。」
「……」

――先輩は私のためにいつも急に熱くなります。
それは私のためを想っての行動なんですよね?ちゃーんと分かってますよ。
先輩は私という火がいつまでも明るく輝き続けるために、一生懸命尽くしてくれます。
でも、そんな先輩の急な行動がいつも私をびっくりさせて私の寿命を縮めていきます。
一見、矛盾しているかのようにも見えますが、実はそうでもないんです。
先輩と一緒だといつもびっくりさせられて飽きないんです。
そんな先輩と一緒にいられて、私は嬉しいんです。
だからこそ今度は私がロウソクになって先輩に一生懸命尽くします。
大好きなしゅう先輩だからこそ一生懸命尽くしたいんです!!
お互いにお互いのことを想って生命を張る……それこそが愛情ですよね?

「う……」
「先輩?どう……しました?」
「七咲……」
「はい」
「熱い!熱いぞ」
「えっ?」
「僕……一瞬……溶けかかった。七咲が熱すぎて」
「えっ?あ……」
「七咲もやるなぁ。僕を超えるくらい熱いこと言うなんて……」
「いえ、先輩の言葉をもらってちょっと付け足しただけですよ」
「そんなことない!七咲も十分熱いよ」
「そうですか?」
「うん。もっと自信持っていいよ!僕の許婚……いや、奥さんなんだから!!」
「えっ……?せ、先輩……気が早いです!!だってまだ私たち……」
「頑張るよ!僕、頑張るよ!!必ず、七咲……いや、逢と結婚してみせるさ!!」
「先輩……あ……」

僕は七咲の両肩に両手を載せて、そのまま七咲を前に引っ張りながら後ろに倒れた。
ちょうどロウソクと火の位置関係のように、僕が下で七咲が上になるように寝た。

「一生、消させはしないよ。七咲逢っていう希望の火だけはね!」
「先輩……」
「今度は僕からいくよ」
「はい」

僕は頭を少し上げて七咲に熱いキスをした。
正直この体勢は首筋が辛い。
それを察してくれたのか、七咲はそっと僕の後頭部に両手をあてがい……
僕の頭をそっと床に下ろしながら深くキスをした。

「んん……」
「んん……」

僕が主導権を握るつもりだったが、キスがあまりにも深すぎて息が続かなくなってきた。
でも、七咲は微動だにしない。それどころかますます深いキスをしてくる!!
僕は耐えられなくなって顔をそっぽに向けようとしたが……

「んんん!」

七咲は両手で無理やり僕の顔を正面に戻した。

(七咲……まだ放してくれないのか!勘弁してくれ!!)
「んんん……」

僕は我慢できなくなって手足をジタバタさせた。
それでやっと七咲が気付いてくれたみたいで、僕を放してくれた。

「はぁはぁ……死ぬかと思った!」
「すみません。先輩を溶かし切ってしまうくらい熱いキスがしたかったので」
「そ、そっか。それならいいんだ。でも、それならそうと最初に言ってくれれば、心の準備ができたのに」
「心の準備なんて……許しません」
「え?」
「だって先輩はいつも急ですから。いつも私に心の準備をさせてくれません。だから……お返しです!!」
「あ……そっか。ごめん」
「いえ、別に……謝らなくていいです。悪いとは言ってませんから」
「まあ……そうだな」
「あ……それよりも、先輩」
「ん?」
「早くこのケーキを全部食べてしまいましょう。このまま放置しておくとケーキが室温で傷んでしまいます」
「そうだな。でも……食べ切れるかなぁ」
「私は全部食べ切るつもりですよ。先輩は残しても構いません。私がもらいますから」
「お?言ったな!七咲には絶対に負けないぞ」
「じゃあ、競争しましょうか」
「そうだな。あ……この燃えかけのロウソク、どうする?」
「せっかくなので、そのままにしておきましょうか」
「分かった。このロウソクを刺した部分は最後に食べよう」

というわけで、僕と七咲は1本のロウソクのみで照らされた暗い部屋でケーキを食べ切ることにした。
この部屋のいい雰囲気の割りに合わないことをすることになったが……ま、いっか。
結局、二人ともやっとの思いでケーキを完食した。
さっき強気なことを言っておきながら七咲の奴、自分の分を完食するのがやっとっていう感じだった。
七咲は相変わらず強がりなんだな。でも、そういうところがかわいいから、僕は七咲が好きなんだ。


――ロウソクと火の関係。
火は風や水などの妨害が入らない限り一生燃え続け、ロウソクを熱く溶かしていく。
ロウソクは自分を溶かしながら一生火のために尽くしていく。
ロウソクが溶けてなくなると同時に火も消えてなくなる。
ロウソクと火は一生を共にし、死ぬ時も一緒だ。
まるで、これから結婚して一生を共にしようと考えている僕と七咲みたいだ。
この時の僕と七咲は一生このロウソクと火の関係になりたいと願った。



七咲アフターストーリー
エピソード「先輩、お誕生日おめでとうございます」(ノベル)

この話は、僕と七咲がロウソクと火の永遠の愛をお互いに誓い合った、そんな僕の22歳の誕生日の物語。
END

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